井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2023.10.10
今回大きな波紋を呼んだ自民党県議団提出の「子どもだけの留守番や登下校も虐待に位置付ける」児童虐待禁止条例改正案については、提案者自ら取り下げる、という方向になったということです。

※議会としてまだ正式にそのプロセスは踏んでおりません。

※また、私たち他会派の議員には、報道で会見を見ただけであり、直接の連絡などは夕方5時時点でありません。

私たち無所属県民会議は会派スローガンとして “たたかう政策集団” を掲げておりますが、今回、反対を表明するだけでなく、安全確保の配慮に欠く場合のみを放置とする修正案を『対案』として提案しました。




その内容をご覧になった方からも、これなら趣旨も理解できるし、賛同も出来る等、有難いお声も頂戴しました。そのスローガンに違わぬ活動をこれからも行ってまいります。

今後も県議会に対して厳しい目で関心を寄せて頂ければ幸いです。

私たちはこれからも県民目線で政策提言を行ってまいります。

2023.10.10
「子ども留守番禁止条例」で知れ渡ってしまった自民党県議団の虐待禁止条例の改正案ですが、実は自民党県議団は埼玉県における条例制定だけでなく、この考えを国全体に広げようとしています。

地方議会には、国(政府や関係省庁)に声を届ける『意見書』という仕組みがあるのですが、自民党県議団は今回の9月定例会において、『児童の放置を根絶する取組を求める意見書』を提出するよう動いてます。

写真は、10月4日の議会運営委員会で配布された「各会派から提出された意見書・決議」の一覧です。

自民党の意見書(案)の7番を見ていただくと、『児童の放置を根絶する取組を求める意見書』というのがあります。

現状は、これらの案文(内容)を各会派に示し、議会運営委員会の副委員長がとりまとめ作業中です。

ですが、このタイトルからして、どういう内容になっているかは皆様も想像がつくと思います。今回の条例改正案を成立させ、その後、この意見書も成立させる…というのが当初の自民党県議団の想定だったと思います。

この条例のことは全国のニュースでも報じられ、全国的な関心・議論になっていますが、それでも埼玉以外にお住いの方は「埼玉は大変だね」くらいに思っている方も居るかもしれません。

ですが、この意見書が可決・成立し、国へと送られたら、状況はまた変わります。

実は、この意見書についても、自民党は圧倒的過半数を武器に「自民以外の意見書は1つたりとも通さない」という対応をしてきました。(ごく稀に公明の意見書が採用されることがあります。)

※私たちも毎回、国レベルでの取組が必要と考えるテーマを意見書案として取りまとめて提案してきましたが、毎回「○○の理由で…」と理由付けをされて、ほぼ提出は出来ていません。

だから、今回も自民の過半数をもって、この『児童の放置を根絶する取組を求める意見書』も成立させることが可能なんです。

でも、もし条例の成立が見送られれば、この意見書もまた提出を阻止することが出来るかもしれません。
2023.10.10
連日、多くの方から自民党案に対する厳しい意見、そして自民案に反対した我々に対して支援のお声を頂戴しています。

状況は日々刻々と変わっているようです。その流れにしっかりと対応していきたいと思います。

さて、私たち無所属県民会議は、単に反対するだけではなく対案=修正案も提出しました。


今回の自民案に対しても「酷暑の中の車への置き去りや劣悪な環境への放置などを撲滅したい提案者の理念は理解できる」とおっしゃる方も大勢いらっしゃいます。

そうです。そこに特化した内容であれば、反対の声はおそらく出なかったでしょう。

しかし、自民案の条文ではそこは読み解けず、しかも提案説明において

「小学校1年生から3年生だけでの登下校」や
「18歳未満の子どもと小学校3年生以下の子どもが一緒に留守番をする」
「小学生だけで公園で遊びに行く」
「児童が1人でお使いに行く」

などの行為を「虐待」と説明しました。


私たちの会派では、自民案の問題点を指摘する一方で、「こういうふうに改正するなら、良い条例になるのではないか?」という修正案を取りまとめました。

以下にご説明します。


◆放置の定義について

【自民案】では

・小学3年生以下の当該児童を住居その他の場所に残したまま外出することその他の放置をしてはならない。(義務)

・小学4~6年生の当該児童を住居その他の場所に残したまま外出することその他の放置をしないよう努めるとする(努力義務)

となっている【第6条の2】の追加条文ですが、私たちの修正案では、


・小学6年生以下の当該児童を、前条第一項及び第二項に規定する安全確保の配慮に欠く放置をしないよう努めなければならない。

としました。


小学生全体を「努力義務」にしたことで「緩和」した…と報じられることが多いのですが、実はポイントはそこよりも、「前条第一項及び第二項に規定する安全確保の配慮に欠く放置」の部分なのです。


今回、話題になっている「埼玉県虐待禁止条例」は既に存在しており、今回問題になっているのは、その改正案=つまり、追加する部分です。


実は、この自民案でも、私たちの案でも【第6条の2】を追加しますが、既存の虐待禁止条例には【第6条】があり、そこにはこう書かれているのです。


=====

(養護者の安全配慮義務)

第六条 養護者(施設等養護者及び使用者である養護者を除く。)は、その養護する児
童等の生命、身体等が危険な状況に置かれないよう、その安全の確保について配慮し
なければならない。

2 養護者(施設等養護者及び使用者である養護者に限る。)は、その養護する児童等
の生命、身体等が危険な状況に置かれないよう、その安全の確保について専門的な配
慮をしなければならない。

======

ざっくり言うと、第1項は、一般の親などの保護者を指し、第2項は施設職員(保育士や学童指導員などのプロ)を指していて、それらの者は「児童の生命、身体等が危険な状況に置かれないよう、その安全の確保するよう配慮しなさい」と書かれています。


つまり、問題にすべきは、こういう果たすべき配慮を忘れた・していない場合です。
具体的には、「灼熱の車の中に子どもを置き去りにする」…などが当てはまります。


そのため、

「こういう(=前条第1項及び第二項に書いてある)危険な(=安全確保の配慮に欠く)放置をしないよう努めなければならない。」

という文言にしているのです。


これならば、一般的な子どもだけの留守番や登下校、公園で遊ぶなどは対象外となります。

「今回の改正は条文の追加である」「なくしていくべきは、悲しい事故が起きた車内放置などの事例である」という基本に立てば、自民案の段階でもこういう条文に辿りついたようにも思いますが、子どもだけで過ごすこと自体を禁止したため、実現性もなくなり、問題を抱えた条文になったのだと思います。


◆解決策について


自民案では

・県は市町村と連携し、待機児童に関する問題を解消するための施策そのたの児童放置の防止に資する施策を講じるものとする

とあります。

例えば、車の放置と待機児童対策って本当に関係が有るでしょうか?
遠因ではあるかもしれませんが、直接的な要因とは言えません。

むしろ、商業施設における「車内放置禁止。それこそ命に係わる問題だ!」という広報啓発のほうが余程、放置事例を直接的に救うことになるかもしれません。


ひとり親家庭や共働き世代への支援は重要です。しかし、それを本来問題視していた故意・過失により生じる放置だけではなく、放置の範囲を拡大し、その上で待機児童問題まで絡めようとするから、条例として無理が出たのだと思います。


◆通告・通報の義務について

実は、この条文については、上位法である「虐待禁止法」でも、「万一、虐待を見つけたら通報すべし」と国民の義務の形で定められているので、この条文があること自体はそんなに問題になるとまでは言えません。

現に、他自治体も通報義務が規定されている条例が制定されていて、例えば三重、東京、京都、千葉、福島、福岡、茨城、群馬、秋田の9都府県と聞いています。

但し、自民案では、子どもたちだけで居るシチュエーション全てをNGとし、特に小学三年生以下は「させてはならない」と義務としました。その上で、さらに通報義務を課せば、それは現在危惧されているように、通報社会のような印象を与えても仕方ないと思います。

一方、私たちの修正案でも、著しく配慮に欠く放置(=炎天下の車内放置)などを見つけた場合には積極的に通報をお願いしたいという意図を組み入れるため、通告・通報の規定は活かすことにしています。



・・・以上、長くなりましたが、これが自民案と私たち無所属県民会議が考えた修正案の違いです。




本当は、それぞれの案の良いところ・課題を「議会」というくらいですから、喧々諤々の議論を重ねれば、より良い条例案になったかもしれませんが、今回、私たちが修正案を出したとき、自民党・公明党からは1人も質問の挙手をしませんでした。ひとつも質問がなかったのです。


実はこれが今回特別か?というと、そんなことはなく、過去に自民党の原案に対して、私たちが修正案や対案を出した時も一度も質問もありませんでした。

ひょっとしたら原案提案者以上に詳しく調査・検証をしたんじゃないか?…


そう思いながら、毎回毎回「では質問はないため、採決に移ります。」と、圧倒的過半数をもって多数決で決着してきました。

それが埼玉県議会です。



しかし、今回、既に委員会での結果は出てはいますが、ひょっとしたら、その長い歴史が変わるかもしれません。

既に自民党県議団と、自民案に反対した会派…との戦いではなくなっていることを実感しています。


これまで何でも多数ということで、議論も避けて、数で決め続けてきた県議会の大会派に県民の意識・県民の怒り、そして広く国民の関心が向けられているのだと思います。



今回の自民案は、県民、そして何より子どもたちのために、絶対に通すわけにはいきません。



皆さまの力をどうか貸してください。
宜しくお願い致します。


埼玉県議会 無所属県民会議
井上 航
2023.10.07
(当ブログのシステムが不調で正しく表示されない可能性が有ります。あらかじめご了承ください。)


昨日の福祉保健医療委員会で審査された児童虐待禁止条例に対する自民党県議団が提出した改正案が採決されました。

委員会は、各会派の所属人数で人数配分されているため、12人の委員の内訳は

・自民 7名
・民主フォーラム 2名
・公明 1名 
・県民会議 1名(←我が会派です)
・共産 1名

となっております。


委員長は採決に加わらないため、

【賛成】 自民6名+公明1名 
【反対】 民主フォーラム2名+県民会議1名+共産1名

という構図です。


埼玉県議会(地方議会全般そうですが)では、委員会で採決を行なったあとは、定例会の最終日に、委員長報告(どんな議論が有ったかを全議員に本会議で報告する)が行われ、その後、本会議での採決になります。

自民党案に反対する立場の私からすれば、今、県民だけでなく、全国的に注目され、反対のオンライン署名で条例を採択しないように求める動きや、SNSで問題意識を語ってくださる方が増えていることは、大変力強く感じています。


なかには「もう少し早く動いていれば…」と感じて落胆している方もいるかもしれません。


ただ、過去の事例を振り返ると、仮にこの動きが先に有ったとしても、そうした声には耳を貸さず、自民党県議団は改正案成立に向け、突き進んだことでしょう。


今回と同様に多くの県民の不安を招いた議論が昨年もありました。

それは、「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例(=いわゆるLGBT条例)」の審査の時です。

条例案に「性自認で性別を決められる」という項目が有ったので、女性トイレや女性浴場、更衣室などの「女性スペース」に、身体は男性のままだけど、性自認は女性という方が入ってこられるのではないか?という、心配の声が上がったのです。


この時は、議会に上程される前の「自民党県議団」が行なった条例案へのパブリックコメントに報道では総数4747件、うち賛成508件、反対4120件と報じられました。


しかし、これだけの圧倒的な反対の声があっても、自民党は平然と議案として上程してきましたし、委員会でも、本会議でも賛成多数で成立しました。

※しかも、このパブコメ件数も様々なソースから出てきた数字で、自民党は、こういう旗色の悪さを表に出したくなかったため、県議会の議論では正式にパブコメ件数を報告することを拒否しました。 この時を境に、自民党県議団はパブコメの件数を公表することをやめました。なので、今回の議論でもパブコメ件数について質問がありましたが、非公開を貫いています。


なので、今回も多くの声が自民党県議団に向けて発せられていますが、県議会で彼らの動きを見続けてきた身として感じることは、前回の4,120件程度では、彼らは決して行動を変えることはありえないだろう、ということです。


もし、自民党県議団の動きを変えることがあるとすれば、それ以上のインパクトをもつアクションが、自民党県議団や所属議員に届いたときだけかもしれません。


先に申し上げましたが、議会運営上はこの結論を覆すプロセスは存在しません。


この3連休も各地元の行事に、県議会議員が出席している場面もあろうかと思います。

その時は是非、皆さんの考えを伝える、県議の話を聞くなどしてみてはいかがでしょうか。

51ある選挙区のうち、和光市、新座市、富士見市以外の市町村には、必ず自民党議員が居ます。(中には2人区で2人とも自民、という地域もあります。)

ほとんどの自民党県議が議案提案者に名前を連ねているので、答えられるはずです。

結びに。私たちの会派は、閉会日の採決前に反対討論を行います。

今は、そこでいかに、この条例が問題かを将来に向けてしっかり記録に残せるように、そして願わくば、少しでもその討論を通して、賛成議員が反対に転じざるを得ない、そう考えるような討論を仕上げられるように力を注ぎたいと思っております。




2023.10.06
今、テレビ報道やSNSでも注目を集めている埼玉県議会自民党県議団が提案した「虐待禁止条例の改正案」。

その条文には、概要を申し上げると
「小学3年生以下の児童を住居その他の場所に残したまま外出することその他の放置をしてはならない」(=義務)

「小学4~6年の児童は住居その他の場所に残したまま外出することその他の放置をしないよう努めなければならない」(=努力義務)

とする文言が入っており、それが「留守番をも放置と見なす」「子どもだけで遊ぶのも放置」「登校・下校も見守りがなく、子どもだけと場面であれば放置」という内容でした。

この条例改正を目指している…という話を初めて聞いたのは、自民党がこの改正のためのプロジェクトチームを立ち上げた、という新聞記事を目にした6月20日頃です。

それ以降、自身で調査し、会派で議論を重ね、対抗案をまとめてきました。

夜中、アイディアが浮かべば起き出してメモを取ったり、朝、この条例のことが頭をよぎり、早朝に目覚めてしまうこともありました。

それほどまでに、議員として、また小学生の子どもを育てるひとりの親として、この条例は可決すべきではない、と考えていました。

ただ、それでも自民党県議団は単独で過半数を有しています。(定数93人中58人)

なので、基本的にはどんな条例でも通せる状況にあるのです。

今年の4月の選挙でその構図は決まりました。基本的にはあと3年半はこのままです。

でも、わずかながら希望も持っていました。


それは、ごく稀に議案によって自民党内でも会派の決定に従わず、採決を欠席したり、退席する議員が居ることです。

今回は、報道やSNSのおかげで、自民党案にはかなり否定的な意見が集まっていました。

そうした世論が動いている背景があれば、我々がより良い対案を出せば、党議拘束(会派はばらばらの動きをせずに1つの行動をすること)が原則にあっても、修正案に同調してくれる議員も居るかもしれない、という想いで、委員会当日を迎えました。

時々刻々と移り変わる情報に、当日の昼までより良い案文にするにはどうしたらよいかを検討してきました。

・・・しかし、委員会での採決結果は、結果は自民党内からの同調はなく、我々の修正案は他に1会派の賛同を得たものの、民主フォーラムが出した「継続審査」の動議も共に賛成少数で否決となりました。

まずはこれが、今日に至るまでの振り返り、そして、当日の結果報告となります。

私たちの出した修正案の内容や、福祉保健医療委員会での議論の様子などは、明日、改めて報告します。

私が詳しく触れる前に、今日の委員会の様子を新聞各紙が記事にし、既にネットニュースとして配信されているので、それを紹介します。





◆産経新聞

埼玉の虐待禁止条例、自民改正案可決も質疑は防戦一方 県執行部に「対応丸投げ」指摘も
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