井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2024.08.11
この夏、埼玉県内でもゲリラ雷雨が多発し、また宮崎県日向灘を震源とする地震により、多くの方が被害に遭われました。改めて心からお見舞いを申し上げます。

さて、いつどこでどのような災害があるか分かりません。

いつかできる・まだ先でも・・・と思っていた発信も、出来るうちに綴ろうと思います。


ここ最近でも、様々な記事が掲載されています。


県庁には様々な記事があるので読めますが、お盆期間でなかなか県庁に行くことも出来ず、ネットの有料記事は読める範囲が限られるので、私が紹介したいのは下記の2つです。


=その1=

<東スポWEB>

作家 佐藤優氏「埼玉県立高校の共学化問題の不可解 政治化したこと自体が深刻な問題」


「男女共同参画苦情処理委員」に関する矛盾を掘り下げてくれた良い記事だと思います。

記事内にもありますが、申立者は「1985年に女子差別撤廃条約に批准したときから違反」と言っています。

つまり申立者の認識はその時から40年間ず~っと男女共同に違反していると言っている訳です。

「そんな無理筋な理論、通るわけあるかい!」と普通なら思いますが、それが通ってしまったのが、今回の発端です。

また記事内に

「筆者ならば
『あなたが、浦和高校への入学が女子である故にできないと言われたのは、何年何月何日ですか』
と尋ねて、日程を確定させる。」

と指摘しています。

これが本来、行政としての当然の対応です。


しかし、今回「入学できない」と言われた日…というのは存在しません。

なぜなら「申し込みを断られた女子生徒」自体が居ないからです。


申立者は「条約違反」という一点において「共学化すべき」と主張しています。


ですから、共学化の是非を抜きにして、このような第三者機関の在り方に対して議会は党派関係なく苦言を呈するべきだと思います。


だから、少なくとも今回のこの勧告内容に従う感じの内容の「回答」(=つまり共学化の推進を謳う内容)を県教育委員会が出す…ということは、行政として絶対に在ってはないと考えます。



もうひとつの記事は

=2=

<ABEMA TIMES> 

「県立高校の共学化問題」で揺れる埼玉…中室牧子教授「男女別学の選択肢を残すことも大切ではないか」 “メリデメ”を国内外の研究で考察





です。
こちらの記事の特徴は「学力」の面から、別学・共学の双方の良さを綴ってくれていることです。


そして、記事内にも「共学のほうが将来家事をする」って議論があり、この話はここまでも良く出てくる議論ですが、これは個人差が大きいような気がしています。


個人的な経験を踏まえれば、私自身は、


○高校時代の教育・環境よりも、父親が家事にも関わる人物だったこと
○大学・社会人時代に一人暮らしをして家事一般をこなす経験をしていたこと

のほうが、何倍も「将来家事をする」ことに繋がったと思っています。


この記事は最後、

中室教授は最後に「それぞれのメリットのどちらを大事にするのかは個人の価値観であり、選択肢を残しておくことが大切なのではないか」と強調した。


と結ばれますが、本当にその通りだな、と思っております。




2024.08.06
前回に続き、宮城県教育庁の視察を踏まえての発信です。

宮城県では、当時16校の別学校があり、共学化の方針が平成13年から、平成22年度までの約10年で、全ての別学校を共学化しました。


単純に「共学化」といっても、その方法は大きく3つのパターンに分けられます。

宮城県でも、下記の3パターンで共学化が進められました。

① 再編統合(男子校と女子校を統合する)

② 単独男子校から共学化

③ 単独女子校から共学化


合併後の効果・影響を測る軸は様々あるかと思います。



その中でも一番分かり良いのは、「男女比」がどうなったか?です。


数字の把握の上では「1年生の女子生徒の割合(もしくは男子に注目してカウントしても良い。)」をカウントすることで、推移を視ることが出来ます


まず、①「再編統合(男子校と女子校を統合する)」ですが、これは男子校と女子校を合わせていますから、再編統合の時点で、ほぼ5割が実現しています。






次に、②「単独男子校から共学化」をしたパターンですが、女子の割合が4割程度でスタートして、その後、横ばい…という傾向が見て取れます。






ただ、この中で注目すべきは、表の下のほうにある「仙台第一」「仙台第二」「仙台第三」の“ナンバースクール”といわれる、県内でも偏差値が高いと言われ、歴史ある学校です。


その一部では、女子が2割、3割と低い学校があります。


※これらの学校は、共学化の方針が打ち出された当時、現役高校生が必死に反対活動を行なっていました。当時の映像を見るとその当時の無念が伝わってきます。


そして、③の「単独女子校から共学化」は、一番、元々の形を残す(=女子が多いまま)傾向があるようです。






中には、未だに、85%が女子という高校もあります。


この②と③について、具体的に学校名を上げてみていきたいと思います。

男子校から共学になった「仙台第三高校」は、令和2年には、男子80%、女子20%でした。


一方、女子校から共学になった「宮城第一高校」は女子が85%、男子が15%です。

共学化を推し進めても、アンバランスな男女比の結果、例えば、女子が8割の高校では、クラス編成の際「多くの女子クラス」に、「たった1クラスの共学クラス」のような構成になっているとも聞きました。


さて、先進地ではこうした実態があるわけですが、埼玉の共学推進の方々は、こうしたアンバランスな男女比であっても、門戸さえ開けばOK、ということなのでしょうか?


推進派の主張は

●埼玉県立の男子高校が女子が女子であることを理由に入学を拒んでいるのは女子差別撤廃条約違反

●だから女子の入学は当然認めるべき

という点ですから、割合がどうあれ、門戸さえ開けば念願叶って満足・・・かもしれません。


でも、実際に通う子供たちにとっては、その後の推移はとても重要なことです。


仮に「女子に門戸さえ開けばいい。男子校という存在がなくなるのだから。」というのでは、まさに「共学化することが目的」であって、生徒のための高校教育改革ではありません。


埼玉県教育委員会は、宮城県のこうした実態もしっかりと考慮すべきです。


また、宮城県では、その他の指標としては

・1年次生徒の男女比
・一般入試出願倍率
・男女別クラスの編成状況
・教員の男女比
・生徒の学校評価
・運動施設の状況
・部活動及び学校行事の状況
・生徒の問題行動等
・スクールカウンセラーへの相談件数


などについても、共学化する前後で比較もしています。


視察で印象的だったのは、「Q、進学率に変化はあったのか?」と質問した時に、「A,女子校から共学化した学校では4年制大学への進路希望者が増えた」という答えがありました。


ただ、会派メンバーが「それは時代が大学全入時代に向かったからでは?共学化との因果関係は証明できるんですか?」と追加質問したら、それ以上の答えはありませんでした。


もちろん、今の宮城県の共学化された学校を愛して、勉学・青春に励んでいる生徒は大勢いるので、宮城県の共学化についての是非について私はコメントする立場にはないと思っています。



但し、その事例を踏まえて、今の埼玉県での議論に対して言えることは、共学推進派の意見は「共学化することが目的」になっていて、その後の学校の在り方には責任を持とうとしていない、ということです。


どうか、埼玉県教育委員会には、宮城県の事例も踏まえ、共学化した場合の影響・効果にまで責任を持って検討してもらいたいと思います。


(参考)
高校教育改革の成果等に関する検証 「男女共学化」及び「全県一学区化」について (最終案)
2024.08.06
期限まであと1か月を切り、私がそれまでに綴れる機会もいよいよ限られてきたかも…と考える中で、是非とも皆様に共有しておきたいのが、今年の5月9日に会派で伺った「宮城県」の共学化の取組についてです。






当日は、宮城県教育庁 高校教育課が対応してくださいました。








少し省略しながらの話になることをお許しいただきたいのですが、宮城県は平成12年当時、16校の別学校がありました。


男女共同参画推進条例が平成13年に施行されたことを踏まえて、教育においても、その後の10年間(=平成13年~平成22)における「県立高校将来構想」をまとめるにあたり、「有識者会議」を設置しました。


その有識者会議において、「各学区内では誰もが希望校を受験する資格を有するべきで、男女の性によって排除されてはならない」と共学化する旨が方向づけられました。


さて、まず、話しておきたいのは、この「有識者会議」。


埼玉県の「男女共同参画苦情処理委員」とは似て非なるものです。


宮城県の場合は、教育局が要請して設置した会議体ですから、そこで共学化の方針を打ち出すことには何ら違和感はありません。


一方で、埼玉県の苦情処理委員は教育局が設置したものではありません。その委員(=たった3名)が、「共学化せよ」と『勧告』を出せることには、やはり権限を大きく超えていると考えざるを得ません。


また、宮城県の共学化の話をすると、当時の「浅野 史郎」元県知事がキーマンのように語られることが多いです。

※埼玉でも、共学推進派の方々が講演会の講師として招くほどです。


ただ、実際に宮城県に足を運び、教育庁の皆さんに話を聞くと「どちらかと言えば、中心的に推進したのは、当時の教育長だった」と言います。


現に、浅野元知事も講演の中で「私は教育委員会のやることに口は出さない」と発言していた、と参加した知人が私に教えてくれました。


私が、ここで言いたいのは、良くも悪くも、埼玉県のように苦情処理委員に言われたから議論が進められたのではなく、教育委員会の責任の下で議論が進められたということです。


もちろん、埼玉県と宮城県では、少子化のスピードも、県土の広さも大きく異なります。

そのため、同じ土俵で語ることは出来ません。


また、当時の宮城県議会においては、共学賛成派の議員のほうが多かったようです。


その証拠に「将来構想見直しを求める請願」も請願者の全ての意向が可決されることはなかったし、(=付帯決議付の一部採択)、「共学化を着実に推進することを求める請願」も、付帯意見付きながら採択されています。



今日はまずここまでお話した上で、次回、「このようなプロセスを経て成立した共学化。その後、男女比などは、どう推移していったか?」などを見ていきたいと思います








=つづく=




2024.08.02
8月末までに回答せよ」と期限が設けられた埼玉県男女共同参画苦情処理委員の勧告書に対する県教育委員会の回答。


期限まであと1か月を切り、ここにきて新聞各紙で特集が組まれるようになってきました。


◆朝日新聞
「どうする県立高の男女別学、埼玉で議論大詰め 全国では共学化進む」
(※有料記事のため、全部は見られないかと思います。)


◆東京新聞
「<共学 別学 揺れる埼玉>(上)県立高のあり方 平行線をたどる議論」

「<共学 別学 揺れる埼玉>(中)別学多い特異な状況 20年前勧告も消極的」

※東京新聞は(下)に続きそうです。



今後、他の新聞でも同じように今回の共学化を巡る議論を記事にするところが増えると思います。

それにあたって、ここまでの記事を読んで思ったことは「論調が偏っていないか?」ということです。

例えば、次のようなフレーズが出てきます。


●別学維持派が「反発した」「・・・との主張もあった。」

●「別学が残るのは全国でも特異な状況だ。」「なぜ埼玉では共学化が進まなかったのか。」


・・・まるで共学化されてこなかったことや、別学を求めることが“悪いこと”であるかのような綴られ方です。


まぁ『記者や新聞社の考えが色濃く反映されるのが新聞記事』と言ってしまえばそこまでですが、双方の意見がある以上(しかも数でいえば「共学反対派」のほうが多い)、偏りのない記述をお願いしたいと思います。



また、専門家の発言として、“共学化の歴史に詳しい”女子栄養大学(坂戸市)の橋本紀子名誉教授(教育史)は


「首都圏の埼玉では、公立の進学校が男子校で入学できない女子には都内の私立という選択肢があり、共学化を求める声が上がりにくかったのでは」とみる。


というコメントも載っていました。


先日のNHKの『ネタドリ』の時の某東大教授も「女子は都内私立に行くしかない」みたいに言っていましたけど、上記のコメントも含めこうした専門家の発言って、埼玉の公教育そのものや、埼玉県内の公立・私立を問わず、それぞれの学校で難関校を目指して頑張っている全ての高校生に対して失礼だと思うのです。


これらの的を射てないコメントが勧告への回答を左右するほどの力があるとは思いませんが、特にこの問題に興味がなく、この記事で読んで初めて今回の議論を知った・・・という人も居るわけですから、是非、責任のある発言をお願いしたいと思います。





ちなみに、朝日新聞の画像(↑上図)に載ってた共学化賛成派の

「トランスジェンダーの生徒が、将来、履歴書の学校名で性的マイノリティーであることが明かされてしまう懸念も指摘する。」


という論調ですが、この1年間、この問題に向き合ってきた中で、初めて目にした内容でした。


ただ、これこそ、その本人の意向を踏まえ個別に対応すべき課題であり「その懸念を払拭するために共学化が必要だ」として共学化と結びつけるのは難しいと考えております。


いずれにしても、今後も多くの報道がなされると思いますので、皆様も注目してご覧いただければと思います。




2024.08.01
改めて、昨日7月31日の夕刻、和光、朝霞、新座といった県南西部地域 及び 東京の板橋・練馬エリアに激しい豪雨が降りました。


床上浸水、床下浸水など豪雨を原因とした被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。


本日、午前中には、柴崎市長と共に、特に被害の大きかった駅北側の「柿の木坂湧水公園」の北側エリアへ伺いました。











このエリアは、約10年前の平成26年6月25日発生のゲリラ豪雨の際にも、同様に浸水被害が発生しました。

(この時も、当時の市長さん・衆議院議員さんと一緒に地域を回りました。)


和光市では、この時の被害を踏まえ、この地域の雨水を流す側溝を改修し、流せる雨水の量を増強しました。

しかし、昨日の雨はその想定量を大きく超えました。


浸水してしまった地域は、まさにこのあたりの水の全てが流れ込むような地形をしています。


側溝の水は詰まることなく流れていたし、その先の雨水管も詰まることなく、水を受けていたそうですが、それでも側溝のふたが水の勢いで浮き上がってしまったと言います。









市長だけでなく、道路部門の職員さんも来ていましたので、現地を見ながら、今後どのような対策が出来るか検討されることと思います。


付近の「柿の木坂湧水公園」の下から入れる出入口も、泥でドロドロになっていました。入口を封鎖するかは市の判断ですが、少なくともこちらをご覧いただいた方は、下からの出入りは止めたほうが賢明かと思います。







柴崎市長と私とで被災された方のお話を伺っていると「水没した家具や家電、どうしたらいいですか?」とご相談いただきました。


ちょうどそこに合流する形で市の「環境部」の職員の方(清掃センターの職員さんを含む)が現地に来てくださいました。処分するにもマンパワーも少なく途方に暮れていた…ということでしたので、その点についても職員さんに事情を伝えることが出来ました。



そして、県行政に関わるものとして、最も心配するのが河川の氾濫です。


今回、河川はギリギリですが溢れることはありませんでした。


明確な分析ではありませんが、建設系の職員さんと話したところ、下記のような話をしました。これは的を射てると思っています。


●今回、和光市内を流れる越戸川、谷中川、白子川は、水位は急上昇したが、雨が止むとあっという間に水位が下がった。


●前回との違いを想像すると、降雨範囲が和光、朝霞、志木、新座といった非常に狭いエリアに限られていた。


●もし仮に川越市などの上流部でもっと雨が降っていたら、和光近辺の新河岸川や荒川の水位が上がって、流れ込む越戸川や白子川の水を受け止めきれなかっただろう。


●今回は、新河岸川や荒川の水位に余裕があったため、市内の河川が溢れることなく、水を受け止めきれたのではないか。


ということでした。

また、


●ここ10年で、新河岸川の河川改修も進めてきたので、それも功を奏した


とみています。




この先も、まだまだ暑い日が続きそうです。


前回のゲリラ豪雨から10年で今回、同規模の豪雨となりましたが、ここ最近の気候変動はもう異常です。今年中に同じようなことも発生する可能性も否定できません。


どうか皆様にも自身の身を守る行動を引き続きお願い致します。
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