井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2025.01.13
ご承知の方もいらっしゃると思いますが、埼玉県教育委員会は1月9日、県立高校の教育活動・教育環境の充実と再編整備を進めるための新たな「魅力ある県立高校づくりの方針(案)」を公開しました。
この方針案は、今、とても注目されています。
もうひとつは、県立校の共学化の推進については、昨年8月に公表した苦情処理委員の勧告に対する回答(=措置報告書)の通り、「教育委員会が主体的に共学化を推進する」という文言が載ったことです。
この発表以降、SNS(特にX)で、私も色々発信してきました。
そのため、Xを見ている方にとっては、少し重複する内容もあるかと思いますがご容赦ください。
この投稿を見れば、この発表をどう受け止めるべきか? を総合的に触れたいと思います。
そのためにも、今回は「Q&A方式」で書き進めたいと思います。
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Q①、この方針で示された内容は「決定事項」なのか? 今から声を上げることは出来ないのか?
A①、まだ「決定事項」ではありません。また「勧告への回答(=教育委員会が主体的に共学化を推進する)」が、今回の方針(案)に載ったこと自体を嘆きたくなりますが県教委の手続きの中で発表された内容である以上、むしろ載らないほうが不自然です。
そのため、意見があれば、今回、声をあげましょう。
現在、県教育委員会は『県民コメント』を募集しています。団体でも個人で応募できます。
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Q②、県民コメントは誰でも応募できるのか? 私は埼玉県外に住み、そこで働いているが、県立の別学卒業で今後も別学を維持してほしいと願っているのだが。
A②、「県民コメント」というだけあって、意見を言える対象者は“県内に住所を有する個人、法人、団体及び県内への 通勤・通学者です。” との規定があります。
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Q③、では、県外在住&在勤者は、何も声を上げられないのか?
A③、今回の県民コメントは対象外となってしまいますが、例えば、教育委員会は常に「教育行政へのご意見・ご提案」を募集しています。 ここに県立高校OBとして、お声を寄せていただくのも一つの方法かと思います。
また、「ヤフコメ」が書き込める記事にご意見を書いてみるのも、ひとつの意見表明になるかと思います。
教育長も「記事にコメントが寄せられていることを承知している」と議会で答弁しています。 私も目を通していますが、別学維持を望む声のほうが多く、勇気づけられることが多いです。
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Q④、「県民コメント」で声を上げれば、絶対にその声のとおりに変更される?
A④、実際に変更されるかは現時点では確証はありません。但し、県教委は必ず、「どの項目にどれくらいの件数の意見が届いたか?」「その意見に対して、県教委としての回答はこれだ」というのを公表します。
そのため、「県民からの意見はあまり無かった」となるより、1件でも多くの声が届けられるほうが県教委に対するメッセージになります。
それが万一納得出来ない回答なら、今度は私たち“別学を守りたい議員有志”が質問等で取り上げるようにしていきます!
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Q⑤、方針では、「県立高校を令和20年4月までに最大で19校を削減する」という案が示されたが、既に対象となる学校は決定しているのか?
A⑤、いいえ。現時点では具体的な対象校は絞っていません。だから、教育委員会が言う「共学化を目的に再編することはありません。」という言葉は信じてよい、と考えます。
その証拠に、来年度から和光高校と和光国際高校が統合で、和光新校(仮称)となりますが、平成28年の改定前の「魅力ある県立高校づくりの方針」や、平成30年4月に出された「魅力ある県立高校づくり実施方策策定に向けて」の中には、県立高校の統合を行う旨は示されましたが、そこには具体的な高校名は載っていませんでした。
具体的な対象校が示されたのは、そのあとに示された『魅力ある県立高校づくり 実施方策』の中です。
令和元年12月に公表された『 第1期 実施方策』では、
●飯能高校と飯能南高校の統合
●児玉白楊高校と児玉高校の統合
が示され、和光高校と和光国際高校の具体的な名称が出たのは、令和4年に出された『魅力ある県立高校づくり 第2期 実施方針』の中でした。
※第2期では、和光市内の2校の統合の他、合計6件の統合案が示されました。
そのため、もし、この先、具体的な対象校名が出るとすれば、次に「実施方策」が出されるタイミングということになるでしょう。
そこがどこになるかは、今後の人口動態や募集状況次第だと言えると思います。
(参考)
2022年に和光高校と和光国際高校の統合の話が出た際に作成したチラシがありますので、参考にURLをご紹介します。
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以上、全ては語り切れていないかもしれませんが、今日はここまでに致します。
結びに。
私がひとつ、加えて言いたいのは、感情的に激しい言葉をぶつけるよりも「努めて平静を装う」ほうが今後の活路を見出だせると思っている、ということです。
例えば、下記URLは今回の件を報道するNHKのニュースです。
この記事だけを読むと、今回の再編方針と共学化問題とが、必要以上に絡めて報じられているので焦りや怒りの感情が湧いてくる方もいると思います。
でも、だからこそ冷静に声を届けていただきたいと思うのです。
なぜなら、埼玉県には新たに「埼玉県こども・若者基本条例」があります。
この条例では「第12条 こども・若者等からの意見聴取及び意見反映」という規定があります。
この規定通り、ちゃんと「こども・若者の声を聞いて、その声をカタチしてくれ!」と求めていきましょう。
条例の規定なので、知事部局も教育委員会も避けようもありません。
7月の「こども若者条例」の制定後、最も大きな県民コメントとなるのが、今回です。
その条例下で寄せられた声にどう応えるのか、そこも注目されています。
ひとりでも多くの方の声が届くことを願っております。
2025.01.09
毎定例会の最終日に、各会派の代表者は1つの原稿の締め切りが待っています。
それが、この「定例会を振り返って」の原稿です。
実際に掲載されるのは、議会事務局のチェックなどが入ってからなので、少し経ってからなのですが(例えば12月定例会の振り返りは今週アップされました。)、県民会議として伝えたいことは何か?を毎回考えます。
他の会派を見ると、結構フォーマット化(定型化)されている会派もあるようですが、私は自由度をもって原稿を書いています。その分、大変ではありますが、大事な発信の機会なので、推敲を重ねます。
今回は以下の◇以降のような内容を綴りました。(画像も参照ください。)
下記URLでは、他会派も含めた全体ページに飛ぶようにしてあるので、良ければご覧ください。
◇◇◇◇◇◇◇◇
12月定例会では、わが会派から岡村ゆり子議員が質問にたち、警察官の増員や早期療育のための言語聴覚士の増員など8項目について知事や執行部と議論を行いました。
また、埼玉県議会では9月定例会から12月定例会の間に「決算特別委員会」が開催されます。今年度は私と平松大佑議員が委員になりました。
歳出の審査では、会派で積極的に行なってきた現場確認視察を生かして、特別支援学校の過密対策、こども動物自然公園の展示の充実、消防学校の狭隘化・老朽化などの問題点について指摘したところ担当課から前向きな答弁がありました。今後の取り組みに期待したいと思います。
また、決算特別委員会では県の水道事業などについても審査します。審査に先立って行われた県営大久保浄水場の視察では、わが会派が予算要望で求めてきた「高度浄水処理施設」の建設の様子も見ることが出来ました。この施設が完成すれば、より安全・安心で良質な水の供給が出来るようになるので是非ご期待ください。
今後も貴重な税金が県民の皆様のために適切に使われているか厳しくチェックするとともに、より良い暮らしの実現のため政策提言を重ねてまいります。
◇◇◇◇◇◇◇◇
2025.01.08
県議会では、昨日「県議会と知事の新年顔合わせ会」が開催されました。
私にとっての本年初登庁となりました。
さて、新年1月1日には、テレビ埼玉にて埼玉県議会広報テレビ番組「こんにちは県議会です」の「新春インタビュー」が放送されました。
その内容を書き起こしたので、ご紹介できればと思います。(写真は収録後のオフショットです。)
◇◇◇◇◇◇◇◇
【冒頭】
<司会>
続いて、無所属県民会議の井上 航(いのうえ わたる)代表です。
<井上>
皆さま、新年あけましておめでとうございます。無所属県民会議の井上航です。今年もよろしくお願いいたします。
【昨年を振り返って】
<司会>
まず、昨年を振り返っての感想をお聞かせください。
<井上>
わが会派では「県民会議」の名の通り、現場に赴き、県民の声を聞き、そして議論を重ねることを心掛けています。今任期がスタートしてから1年9か月、県外の先進地視察と県内の現地確認視察を行い、合わせて34の現場に足を運びました。フットワークの軽さはどの会派にも負けないと自負しています。そして視察で得た知見を踏まえて議会での提案につなげています。
<司会>
具体的な成果に繋がった事例はありますか。
<井上>
例えば、決算特別委員会では「埼玉県こども動物自然公園」への会派視察をもとに質問を行いました。人気のフラミンゴコーナーは、より魅力的な展示に改修するため、基本設計を行いながらも実際の工事に進んでいないことが視察で分かりました。委員会審査の結果、工事に向けた前向きな検討が期待できそうです。その他にも、障害者向けの保養施設「伊豆潮風館」の空調設備の老朽化についても視察を踏まえて提言を行い、改善が期待されます。
<司会>
年末に放送された「主要会派代表者討論会」でも視察を踏まえたお話をされていましたね。
<井上>
はい。「危機管理の対応」に関するテーマの中で、いずれも先進的な取組である「福祉こども避難所」や「永久循環型トイレ」について、会派視察の成果を踏まえて提案しました。テレビ討論会は、私も初めての経験でしたが、自身の体験や視察で得た生の声を踏まえて具体的な政策を発言するよう心掛けました。
【今年の抱負】
<司会>
それでは最後に年頭にあたっての抱負をお聞かせください。
<井上>
昨年の衆議院選挙を通して、今、より多くの方が政党ではなく政策で政治家を選ぶ、という視点を持っていると思います。私たちは政党に属さない無所属議員だからこそ、特定の分野・業界に偏ることなく県民にとって真に必要な施策を打ち出すことができます。皆さまの負託に応えるため、本年も県民目線の政治を実現してまいります。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
2025.01.08
2024.12.31
この投稿は今年最後の投稿で書いています。
さて、埼玉県議会の12月定例会の最終日(12月20日)、自民党県議団などがインボイス(適格請求書)制度の廃止を求める意見書案を提出し、賛成多数で可決されました。
「おっ!地方から国への反対の狼煙か?」
「留守番禁止条例の汚名挽回になるか?」
「やるな、埼玉県議会の自民党!」
といった声があがっていました。
でも、是非、それらの評価は、これから語ることを読んでからにしてほしいと思います。
◆インボイス制度を巡る自民党議員団の変節
〇まず、先に申し上げたいのは埼玉県議会では、これまでもインボイス制度に対して反対の声を上げてほしい、という声は寄せられてきました。
〇具体的には、令和4年6月定例会 及び 令和5年9月定例会の2度にわたり、国にインボイス制度導入中止を求める意見書を提出してほしいとの『請願』が出されましたが、これに対して自民党は「不採択」の立場でした。
〇自民党議員団は過半数を有しているため、他が「採択すべき」と主張しても、自民党の採決態度がそのまま結果となります。
〇また、過去に、令和4年2月定例会 及び 令和4年6月定例会の2回に渡って、共産党が「インボイス実施中止を求める意見書」の提出を提案しましたが、自民はこれには乗らず、提出を見送っています。
※埼玉県議会では、各会派が出したい意見書を議会運営委員会に持ち寄ります。その後、超党派で提出できるかどうかの調整を議運の副委員長が水面下で行う、という流れです。
※※そのため、過半数を有する自民党が〇といえば提出となり、×といえば、提案見送りとなる。結果として、自民党以外の会派が提出を目指した意見書が通ることは、ほとんどない。
〇インボイス制度関連の意見書が通ったこともあります。
〇令和4年9月定例会 及び 令和5年6月定例会の2回に渡り、部分緩和(例:シルバー人材センターや農業者に免除規定を設けてほしい・もっと国の支援措置を充実させてほしい等)を求める内容について可決・成立しています。
〇ただ、いずれも「インボイス制度自体は推進」することが前提の内容でした。
〇その上で今回の意見書です。制度開始から1年。今は、3年間の経過措置期間中です。それにも関わらず180度異なる立場へ舵を切ったのが、今回の意見書です。
〇意見書の中に挙げられた「経理事務などが小規模事業者に過大な負担となっていること」現状は、制度導入前からから指摘されていた内容であり、このタイミングでの変節は、過去と議決行動との整合性は取れていない、と考えるのが通常の感覚だと思います。
◆小規模事業者等から聞こえる様々な声
〇一方で、小規模事業者の皆さまからは、制度導入前には不安や心配の声が寄せられています。一方で、導入後は安定的に制度運用されているという声も届いています。
〇案文では、「エネルギー価格や原材料費の高騰の長期化」や「人材不足の深刻化」を経営状況が厳しい要因として上げながらも、「今やインボイス制度そのものを廃止することが最良の策であると言わざるを得ない」と、インボイス制度の廃止こそが最善策と断定した表現(書きぶり)をしています。
〇その点について事業者からは「インボイス制度の廃止以上にガソリン補助金縮小のほうが経営圧迫に直結する」といった声も聞いています。
◆今定例会の請願の継続審査
〇その上で、今回、私が最も問題視しているのは、12月定例会には、請願第7号として、「国にインボイス制度廃止の意見書」提出を求める請願が出されていた点です。
〇その請願を一切審査しないで「継続審査」としておきながら、同趣旨の意見書を出す、というプロセスに、私は賛同できません。
〇委員会で各会派から発言・審査した結果、「やっぱりもう少し慎重に調査しよう。そのために継続審査が必要だ」っていうなら分かります。でも、一言も審査せず、いきなりの継続審査の動議でした。
〇この請願を審査する「総務県民生活常任委員会」では、継続審査の動議を申し出る際の理由が「今議会においてインボイス廃止も含めた検討を求める意見書を提出するべく団内での計画予定となっております。」との発言でした。
〇これは、あくまでも自民党議員団の都合です。
〇請願は、県民の声を議員が紹介議員となり代わりに議会で発言するものです。
〇請願を継続審査にして、今定例会中に自分たちが意見書を出せば、過半数を有している以上、自分たちが意見書の言い出しっぺ(=発案者)になることができます。
〇そうすれば、「共産党の提案に乗った」…のではなく、「自民党主導で意見書成立」という評価を得ることが出来ます。事実、マスコミ報道では、この経緯や過去の採決との矛盾は報じられず、今回の可決だけが報じられて、一躍、経済的に苦しい中小企業の味方…いう評価になるのです。
〇ただ、多くのメディアが表面的な部分だけを報じる中で、きちんと報じてくれた新聞社もあるので、それを写真で共有できればと思います。
〇ここまでを総括すると、請願の内容を審査した上での継続ではなく、審査を行わずに継続審査として同趣旨の意見書を出すことは、仮に請願者の意に沿う意見書が出てくるのだとしても、議会として請願を軽んじるような行動は自重すべき行動だと考えております。
〇今回の件で言えば、本当に小規模事業者の声を聞き、議会として、国に声を上げるべき、と考えれば、メンツや手柄のことは横において、堂々と請願に賛成すればよかったのです。
◆制度開始から1年。全国の地方議会で「
廃止」の請願・意見書が成立した事例はない
〇私が調べた限り、制度導入後、都道府県議会において「制度廃止」を求める請願や意見書が成立した事例はないと認識しています。
〇複数税率導入を背景に導入が進められたインボイス制度を、複数税率が維持された中で廃止することは、その制度設立の趣旨を否定することにもなることから慎重になるべきだというのが、私の意見です。
〇そのため、消費税減税(軽減税率を採用せず、一律5%に下げ揃える)とセットの請願には、私たちの会派も賛成してきた経緯がありますが、ただただインボイス反対、という今回の意見書には賛成すべきではない、と考えました。
〇もちろん、我が会派内でも双方の意見がありました。今回は会派でより多数となった行動を取ったことをご報告します。
結びに。
◎冒頭で「#埼玉共学化反対 の方にも読んでほしい!」と書いたのは、今回の件でも分かるように、自民党議員団はその多数をもって、自分たちの主張を通すためには、「過去との整合性」や「通常の議会運営の感覚」といった“常識”を飛び越えた動きをする、ということです。
◎私自身の考えや採決行動は、残念ながら県議会の中では少数派となります。それを例年以上に痛感した1年でもありました。
◎それでも、「論理的に」「正論を」「県民のため」に続けることが大切だと信じています。
◎昨日、今年のレコード大賞を受賞したMrs. GREEN APPLEの「ライラック」の歌詞に次のようなフレーズがあります。
♬「感じたことのないクソみたいな敗北感も どれもこれもが僕を突き動かしている」♪
これが、私の想いとも重なります。
◎来るべき令和7年も、皆さまの声に応えられるような活動を行なっていきたいと思います。
◎皆さまもよい新年をお迎えください。
令和6年12月31日
埼玉県議会議員 井上 航
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