井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2008.10.31
こんにちは。

今日が視察報告の最終日です。
訪れたのは、漁港で有名な「沼津市」です。


ここで実施しているのは、「言語教育特区」

「英語」の授業を小学校から行なっているほか、
「読解」という、文章読解だけでなく図・グラフなどを読み取る授業を行い、
合わせて「言語科」という新しい授業枠を設けて実施しています。


まず、なぜ沼津で言語教育なのか?

ひとつには、全国平均よりも沼津のこどもたちの
コミュニケーション能力が低いという調査結果が出たためです。

その現状を打破し、
「言葉を用いて積極的に人と関わっていこうとする態度の育成」を目指して
言語教育を沼津の教育の特色にすることにしたそうです。


また、市役所に行く前に、沼津のまちを歩いた時に聞いた話ですが、
沼津は漁業のまちだけあって、水産加工業の工場で勤める
ブラジルやペルーの南米系などの、外国人も多い
そうです


そうした外国人とのコミュニケーション手段として
力を入れる、ということもあるのだと思います。


さて、次に「特区」とはなにか?に触れたいと思います。

特区とは、国の制度・法律によって規制がある事柄に対し、
自治体の特徴に合わせて、その規制を別に外すことを認めてもらった地・区域
のことを指します。


学校のカリキュラム(及び授業数)は、国によって決まっています。
だから、勝手に他の授業を減らして、言語の授業を増やすことはできません。

そこで、沼津では、言語教育に力を入れるため、
生活科や総合学習の授業を削って、言語科に充てるという特例の許可を取ったのです。

これが「特区」です。


この沼津の言語科の取り組みは、特区として認められただけでなく、
今では全国的にも認められ、来年度からは文部科学省に申請をすれば、
どの学校でも実施できるスタンダードになりました。

和光でもやろうと思えば、
『教育課程特例校』の申請書を出すことで可能となるわけです。



・・・しかし、何事も「先駆者」として、取り組むことは大変です。

教育委員会の方から話を聞きましたが、
沼津の教育現場での先生方の努力は、並々ならぬものでした。

なんせ、小学生に英語を教えるとして、
そのテキストもなければ、そもそも小学校の先生方が
英語を教えたことがない
のです。

「拠点推進校」を定め、その学校を他校の先生が見学にいく・・・
というようにしてノウハウを広めていったそうです。



「読解」の授業もいろいろな工夫をされたそうです。

美術の先生ならば、絵からの情景の読み取りの授業

理科の先生ならば、実験レポートの中で言語の指導をする  など・・・。

様々な取り組みがあったそうです。


一番面白かったのは、
小学校ではアルファベットの綴りや単語練習はしないという点です。

あくまでも、言語として話すことに重きを置いていることがよくわかりました。



最後に。

実際に、平成23年には小学校での「新学習指導要領」が始まり
英語の授業が始まります。

その時に向けて、こうした先進事例を大いに参考にして
準備をしていきたいと思います。



   
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