井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2007.11.04
こんにちは。

それでは、昨日に続き、文教厚生委員会視察 2日目の
池田市 「こども条例」についてお話したいと思います。


<池田市 概要>

池田市は、大阪府の中心、梅田から電車で約20分の距離にあります。

〔人口〕 10万2363名 (和光市の約1.3倍)
〔面積〕 22.11平方キロメートル (和光のちょうど2倍) です。

財政状況を示す数値に「経常収支比率」というのがあるのですが、
その数値で見ると、平成10年には、夕張市についで、
「財政状況の悪い自治体 ワースト2」になったこともあるまちです。



<視察の内容>

① 池田市議会 議長 より挨拶

② 池田市議会事務局員さんより 「池田市の概要説明」 

③ 子育て・人権部 子育て政策課 担当職員さんより 「子ども条例」に関する説明

④ 質疑

という流れで進んでいきました。 
 


<「こども条例」とは…?>

先に触れておきたいと思いますが、
ここでいう 『こども』 とは、出生~おおむね18歳未満のことを言います。

さて、池田市の子ども条例は、

・前文
・第1章 総則(1条~3条)
・第2章 責務(4条~8条)
・第3章 市の施策(9条~15条)
・第4章 推進体制(16条~17条)
・第5章 雑則(18条)

の18条で構成されています。
↓全文はこちらを参照ください。
http://apollon3.zeus.ne.jp/ikeda3/reiki_int/reiki_honbun/ak20606841.html


子ども条例は、池田市以外にも他の自治体でも制定されています。
中には、
・子供向けを意識して、全部ひらがなで書かれている
・条文の文章が口語体で書かれている
など、特徴があります。

池田市は、そういう意味での特徴はありません。
この点については、私も質問をしてみました。

回答は、
『この条例は、“子育て支援条例”の性質が強い。
だから、親や地域の人が読み、利用するためにも、通常の文言を利用している』
ということでした。


その回答にあった通り、内容も

・保護者の責務
・地域住民の責務
・学校などの責務
・事業者の責務   

を 定めています。子育てを支援するために
「周りの大人はこうあるべき」「こうしていこう」
といった切り口の条文としているとのことです。


<「こども条例」制定後の政策>

私が一番気になっていたのが、この点です。

Q、条例を定めることによって、子育て支援策が進んだのか?
Q、子育てしやすくなったのか?
Q、出産する家庭が増えたのか?

という成果についてです。

答えは、「目に見える成果は出ていない」ということです。。。


「合計特殊出生率」で何人くらいの子どもが産まれているかを
推し量ることができますが、

全国平均・・・1.32  に対して、
池田市・・・1.18   全国平均を下回っています。

政策も、
定員超えの保育園から、人数の少ない保育園への相互送迎など
独自の政策を行なってもいるのですが、数値上では結果が出ていないのです。


「今後、市民が子育てしやすい、と実感できるよう
この条例の理念・倫理を基本として、政策を進めていきたい」という思いを
担当職員が熱く語っていました。



<感想>

「池田市」・「こども」・・・と言った時に思い浮かんだ方もいたと思いますが、
2001年6月8日に、池田市では、
大阪府池田市・大阪教育大学附属池田小学校 児童殺傷事件」が起きました。
※この小学校は、池田市の公立小学校ではありません。

この事件への思いが今も強いことが、市の職員の話から伝わってきました。

・こどもの「安全」は地域で守る。
・こどもの「成長」は地域が見守る。

そうした決意がこの「こども条例」に込められてるように感じました。


また、このような「倫理規定」を定めることは、実効性をいかに
繋げられるかが、重要です。

政策が進まなかったり、かえって別の政策を進める上での足かせになっては
意味がありません。

その点をよく考慮して進めるべきであることが、今回の視察でよくわかりました。


最後に。

和光市は、現状では、こうした「倫理条例」を定めることに対しては
積極的ではありません。


市役所から直接、その理由を尋ねたことはありませんが、
例えば、条文に
「地域住民は、・・・すべきである。」とはっきり記すことによって、
義務化・強制化するということになりかねない、という考えがあるからでは、と思っております。

倫理規定には、多様に存在する考え方や価値観の一部を
除外してしまう可能性を含んでいる
、ことを十分に理解することが大切です。

今後、この「子ども条例」を和光市が検討する際には、
市役所や議会の一存ではなく、主役の子どもや保護者、地域の皆さんの声を
しっかりと聞いて、考えていくべきだと思います。


以上です。

注) ここで記したのは、私がこのブログ用に綴った感想です。
公的な視察報告をこの後、提出いたしますが、
その時には、書き足し・省略などがあると思いますので、ご了承ください。

※公式報告も、今度の12月議会の議事録とともにチェックできるようになるはずです。
時期は2008年3月頃になると思います。

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