井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2014.06.17
こんにちは。


会派視察の最後は名古屋市が進める
「陽子線治療センターおよびクオリティライフ21城北構想」についてです。



説明会場だった名古屋市会の委員会室。
名古屋市会のパネルを背景に撮影。



本会議場も視察させていただきました。
珍しい円形の議場でした。

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(1) 名古屋市役所


視察内容 


「陽子線治療センターおよびクオリティライフ21城北構想について」


 


●西武医療センターを中心とした総合医療拠点の整備


名古屋市では平成27年度の完成を目指して「クオリティライフ21城北」という総合医療拠点の整備を進めている。この医療拠点には、平成23年に開院した西部医療センター、平成25年に治療開始した名古屋市陽子線治療センターの他、平成27年度には重症心身障害児者施設とウェルネスガーデンを開設させる計画である。用地取得費を含め、全体の事業費は565億円になる。


 


●最新の「陽子線治療」を提供


 名古屋市の統計では死因の3分の1ががんである。がん治療は大きく「外科治療」「放射線治療」「化学療法」の3つに分類でき、この陽子線治療は放射線治療の中でも最新の治療法である。


 この陽子線治療の特徴は、陽子線がある深さで放射線量が最大になり、それより先には到達しないという特徴を生かし、患部以外の正常な組織へのダメージを極力軽減できることである。また、この名古屋市陽子線治療センターではスポットスキャニング照射という手法を用いることで、よりがん患部の形に近い照射を実現している。


 なお、この施設運営は株式会社 日立製作所中部支社とのBTO方式での契約がとられており、「建物の建設・治療装置等の整備」「治療装置の運転・保守管理」「建物・設備の保守管理」を日立製作所が行う。平成20年度~から平成43年度末までの契約で、契約金額は約245億円である。


 


陽子線治療の課題


 この陽子線治療も万能ではなく、動き続ける臓器のがん(例:胃がん、大腸がん)には不向きであり、全身に広がった白血病や悪性リンパ腫には適応ではない。そのため前立腺がんでの実績が多い。


 また、治療には概ね300万円程度要する。名古屋市民(但し、1年以上在住)には減免制度もあるが、広く市民から集めた市民税で高額な治療設備を整備・提供することには開設までに多くの議論があった。


 


●黒字化には年間800人の利用が必要


 現在の患者数は概ね400人程度である。赤字の解消には年間治療者800人程度が必要となる。そのためには、医師や看護師の充実が必要であると共に、より効果的な治療法を検証しながら、この陽子線治療に適した患者に陽子線治療センターの利用を促していくとのことであった。





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執行部からの説明の後、かの有名な
河村たかし名古屋市長にお時間をいただくことが出来ました。




初めてお会いしましたが、ユーモア満載の河村節はもちろんですが
それ以上に驚いたのは、様々な施策の詳細な情報が頭に入っているということです。

例えば、上記の視察で聞いた陽子線センターについて市長の考えを伺いましたが、
その際には赤字黒字の分岐点となる費用や患者数などの数字がサラッと出てきます。

豪快なイメージが強い河村市長ですが、
政策にも通じ、繊細なところを見ることが出来ました。


以上で、会派視察の報告を終わります。

来週からはいよいよ6月定例会が始まります。








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