井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
今日は、先週参加した『埼玉市議会 第5区議長会 議員研修会』 の日の午前中
高齢者施設に視察に行ってきた様子をお話ししたいと思います。
(8月1日は午後2時からが研修でした。)
※議員研修会の様子は、
http://inouewataru.blog.shinobi.jp/Date/20070802/1/
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実は、私は鴻巣市の高齢者施設とは縁がありました。
というのは、私が派遣会社の営業マンだった頃、
鴻巣の老人ホームへ介護職員を派遣する担当をしていたからです。
私の担当していた施設は、
「鴻巣市特別養護老人ホーム たんぽぽ荘」という50名定員の施設です。
(写真<左>は、この施設の玄関。歴史があります。)
・埼玉県で2番目に古い施設
・いまどき珍しい、公設公営の施設
(→つまり、働いている人は公務員扱い)
という特徴のある施設でした。
しかし、平成17年、経費節減の必要性もあって、
民間の社会福祉法人に営業委託されたのです。
そこで、今回の視察の目的は
『福祉施設の民間委託でどう変わるか?』ということです。
10時半に施設に到着し、まずは移管後の状況を
施設の担当者の方から話を伺い、その後、施設見学しました。
改善点① 老朽化対策として、内装工事を実施。
まずは、窮屈だった大部屋の定員を1~2割を減らし
その分、個人スペースを確保した。
※介護する側にも、空間の余裕が出来るので、
介護しやすくなったそうです。
また、もともと「白」を基調として、病院みたいだった施設内の色彩を
黄色やオレンジなど暖色に変えて、明るい雰囲気になっていました。
改善点② 職員体系を一新。法人職員に。
公務員待遇だった職員の人件費は非常に高騰していました。
法人受諾によって、これまで働いていた職員は、他の市の施設(=公民館や児童施設)に
異動になりました。
(施設に愛着を持って残る・・・という人は居ませんでした。)
残ったのは、派遣社員として来ていた、私の担当のスタッフさんたち。
この人たちが施設に残ったからこそ、継続的な介護が可能になったと思っています。
そこに受託法人の、他の施設から移ってきた職員で再スタートを切ったのです。
今までの公務員職員は、私から見ても
「やってあげてる感」がどうしても強かったように思います。
それが、施設見学して思いましたが、
民間になってサービスとして「接客要素」が加わってよくなったと思います。
こういう改善点を見ても、私は福祉の民間の導入は私は反対するものではありません。
・・しかし、一方で、課題もあるように感じました。
それは、運営の安定化です。
この改善によって、高齢者の施設での暮らしは、良くなったと私は信じています。
しかし、代わりに定員を減らしたため、収入も減っています。
また、公営の時代と、利用料を同じにするため、法人としては苦しい経営にならざるを得ません。
間違いなく、ひとりあたりの給与は下がったことでしょう。
そうした中で、働き続けることがどれだけ大変か・・・。
当時担当していたスタッフの方ともお話が出来ました。
(覚えていてくれて、嬉しかったです。ありがとうございます!!)
どうか、皆さんの「仕事に対する情熱」と「入居者の方への思いやり」で
今後も頑張ってほしいと思います。
また、11時半に、同じ法人の経営する、
今度は最新型の施設を見させていただきました。
そこは、
・全室個室
・ユニット型(※10人の小規模グループで生活)
・食事の時間も自由
という介護方法を導入しています。
(写真<右>は玄関の様子。周りは一面田んぼで、とてもキレイ。)
この方法、利用者はプライベートもあるし、時間に縛られないので快適です。
しかし、介護する側は、死角も増えるので、人数が必要になります。
人員補充がなによりの課題だそうです。
もっとも【古い施設】と【新しい施設】を見ることが出来、
充実した視察だったと思います。
最後に。
この日に見た施設だけでなく、介護施設はどこも運営が厳しいです。
介護を「公的」から「民間」に開放したその施策は間違っていないと思います。
ただ、私は、安定運営(=特に人材確保)には、さらに地方自治体の支援があって
しかるべきだと考えています。
それは、私が500ヶ所以上の施設を見てきた上での提案です。
(従来型 特養たんぽぽ荘) (ユニット型特養<新>タンポポ)
こんにちは。
今日は昨日、参加してきた
『埼玉市議会 第5区議長会 議員研修会』のご報告です。
※この第5区とは、
朝霞・新座・和光・志木・上尾・桶川・北本・鴻巣のことをさします。
昨日は、その各市の議員が集まり、
鴻巣市の『クレアこうのす』というホールに集まりました。
200人超いましたが、ざっと見渡す限り、たぶん私が最年少です。
さて、講演は
ジャーナリスト・漫画家の 三神 万里子さんを講師に
「地域経済活性化に必要なマネジメントの諸形態」 という内容でした。
三神さんは、NHKの「ビジネス未来人」という番組のキャスターをしている方で、
私も不定期ではありますが、番組を見たことがありました。
【参考】
三神万里子さん ホームページ
http://www.ne.jp/asahi/journal/marikomikami/
ビジネス未来人 番組ホームページ
http://www.nhk.or.jp/miraijin/bangumi/index.html
さて、内容は
・どういう段階を踏めば、地域産業を創出できるか?
・自治体や市民、教育機関に中小企業、どことどこが力をあわせればいいか?
といった内容を話していただきました。
私が、中で一番頭に残った言葉は、
地域産業を興すには、『バーター関係を築くこと』が大切 です。
「bartar」・・・直訳すると「物々交換」という意味ですが、
私は、この言葉を「win-winの関係を築く」という言葉に置き換えていいと思います。
具体例を出したいと思います。
○商店街に、人気のないレストランがありました。
↓
○そこで、地域の主婦の方などに「日替わりシェフ」となって、1日限定出店をしてもらう。
↓
○キッチンなどの設備はあるので、市民も気軽に参加できます。
↓
○新しい試み、ということで「食べてみようかしら」というお客さんも増える。
という流れで、商店街も、チャレンジしたい主婦も、地域のお客さんにも
メリットがあるわけです。
また、
○日替わりシェフを経験した人は、この出店を通して、
「原価計算(=コスト管理)」や「接客」「メニュー開発」「PR」などを学ぶことが出来ます。
↓
○この日替わりシェフを通して、本当にお店を持った人も居るそうです。
↓
○あとは、障害のある方がウェイターをやるといったコラボレーションも実施。
といったふうに、規模は小さくても、産業として地域活性化につながる訳です。
和光市にも、こうしたチャレンジをしてみたい、という方はいらっしゃるように感じます。
そういう場を市として提供できたら、きっと楽しいと思います。
講演は、約2時間で終わりました。
「聞いて終わり」にならぬよう、今後も研究を続けたいと思います。
追記:
私は、この日の午前中、
会派「新しい風」のメンバーと共に、鴻巣市の高齢者施設を周りました。
その報告を「+α」として、後日ご報告したいと思います。
昨日は22日(月)に行った群馬県庁視察で話を聞いてきた
「総合評価制度」について、その内容に触れる前に、
まずは、入札に関するご説明をさせていただきました。
今日はその「総合評価制度」の内容について、お話したいと思います。
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入札改革は、これまでも行なわれてきました。
特に談合防止のためには、様々な方法がとられています。
入札は、工事内容の説明会や入札の際に、
各業者が一同に会します。実はこの時に、談合(=話し合い)をする
チャンスがあるのです。
そのため、行政は
○説明会を行なわず、工事内容をインターネットで公開
○入札も、郵便やインターネット経由で行なう。
⇒電子入札
と、いった工夫を行なってきました。
総合評価方式も、価格以外の評価ポイントを入れることで、
価格を業者間で調整しても、それだけでは決まらないようにすることで
談合をしにくくする効果があります。
そして、総合評価方式は、談合防止以外に
よりよい業者を選ぶ、ために効果を発揮します。
それでは、この先はその視点で総合評価方式を見ていきたいと思います。
さて、突然ですが・・・
工事業者を選ぶにあたって「金額」以外に何で判断したらいいと思いますか?
群馬県で取り入れているのは、次のようなポイントです。
・過去の工事実績(過去3年)
・同種の工事を行なっているか?
・専門的な技術者を配置しているか?
・ISOの資格取得
・災害時等への地域貢献(=※災害応急に関する協定を結んでいるかどうか。)
この他にも、「ヒアリング」を行なって、書類上だけではなく
パートナーシップをもってやっていける企業かどうかを
見極めるといった方法も取られています。
群馬県の場合、上記の項目、全てを取り上げるわけではありません。
工事規模によって、「標準型」「簡易型」「超簡易型」と分かれています。
例えば、
一番規模の大きい「標準型」では、具体的な施工計画とヒアリングを重視。
「簡易型」では、災害時の地域貢献や、ISO資格の有無を見ます。
また、「標準型」では、
価格評価のウェイトが80% +その他項目が20%であるのに対し、
「簡易型」では、
価格評価のウェイトが85% +その他項目が15%と、
評価ポイントの占める割合も変わってくるのです。
この群馬方式の場合、金額が80%以上を占めているので
なんだかんだ言って、金額が安いところが落札する傾向にあります。
しかしながら、他の導入事例を探ると、
価格評価のウェイトが50% +その他項目が50%という自治体もあるのです。
他にも、
○ 障害者雇用を率先して行なっているか?(=福祉面)
○ 女性の職員を積極的に採用しているか?(=男女共同参画)
○ 工事の収益を、ちゃんと労働者に還元しているか?(=正当な給与体系か?)
といった、評価ポイントを設けている自治体もあるのです。
それは、自治体の判断に委ねられています。
今後、和光市での導入しようとする場合も、
どのような評価項目を設ければ、より適切な業者選びが出来るか、
検討を続けていきたいと思います。
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非常~に、長くなりましたが、
これで群馬県庁視察の報告を終えたいと思います。
この総合評価制度はすぐに導入できるというものではありません。
新しい評価項目を設けるならば、そのための基準作りが必要だからです。
でも、私は時間は掛かっても
是非、和光市にも取り入れていていきたいと考えています。
また、こうして皆さまに入札の制度についても
情報発信してまります。
昨日、群馬県庁を訪問してきました。
その目的は、和光市の入札制度を考えるため、
先進的な取り組みをしている群馬県の実態・効果を見るためです。
ここから先、出来る限り難しい言葉は使わず、
ご説明できれば・・・と思って綴らせていただきます。
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まず、「入札」っていうところから触れたいと思います。
和光市は地方公共団体です。
つまり、市民の皆さまが納めた税金で運営されています。
市役所が「何か物品を買う」「工事をする」といった際、
業者の営業トークどおりに買っていたら、高い値段のものを買わされてしまうかもしれません。
市民の納めた税金なのに高い物をわざわざ買っていたら、市民は納得できません。
そこで、取り入れているのが、入札制度です。
(今回は公共工事を例に取り上げたいと思います。)
① まず、市役所が、「○○中学校を全面改修したい。」
そして、「改修後のイメージはこんな感じです。」と計画を立てます。
↓
② すると、建築業者は、『鉄骨は何本・・・、セメントは何t・・・、トラックは何台・・・人手は何人・・・」と
その計画書をもとに、「我が社ならその工事、○億円で出来ます。」
と、工事の予算を計算します。
↓
③ 他にも建設業者はありますので、複数の会社が「我が社ならいくらで出来る」という
計算をします。その金額が、他社よりも安ければその依頼を受けることが出来ます。
↓
④ 締切日に、各業者は札に金額を書いて、箱に入れます。(=だから入札。)
その中で、最も安く見積った業者が落札、となるわけです。
・・・ここまでは、おわかりいただけますでしょうか?
さて、次に、この一連の流れの中で関わってくる言葉があります。
『設計価格』
これは、市役所側が「この工事内容だったら、○億円くらい掛かる。」と
事前に計算した価格です。
言い方を変えると、
「この金額以上の見積もりを出してきたら、そこの会社には頼めませんなぁ」という上限です。
『最低制限価格』
一方で、「いくら企業努力をしたとしても、△億円より安く出来る、っていうことはないなぁ…」
「そんな金額を提示してきたということは、ひょっとしたら鉄骨量を省いたり、
従業員を安く働かしたりしているのではないか・・・」と品質が不安になります。
ちゃんとした品質のものを作るためには、最低限これくらい必要、という金額です。
つまり、
この『設計価格』と『最低制限価格』の間の額で、もっとも低く設定した業者が落札です。
以上、ここまで説明してきたのが、「価格入札」です。
おわかりいただけますように、この価格入札は、出来る限り安く設定した業者が落札する
・・・ようは、「価格が全て」です。
しかし、ご存知のように近年、全国で談合が増えてきています。
この談合は、価格のみで落札業者が決まる制度だと、事前に申し合わせる形で
価格調整をしやすくなります。
他にも、資本力のある大企業に有利になり、
規模は小さいけれど、とても丁寧な仕事をする中小規模の業者にチャンスが
行きにくくなります。
そこで、導入されつつあるのが、
「価格以外の項目も評価項目に取り入れよう」という『総合評価方式』です。
では、価格以外の項目・・・ってどんな項目があるのでしょうか?
それをどうやって評価するのでしょうか?
これらを次回、お伝えします。
(つづく)
本日は私は、須貝議員、西川議員、そして江戸川区議の上田令子議員とともに
『群馬県庁』に視察に行ってまいりました。
目的は、和光市ではまだ導入できていない、
新たな入札制度⇒総合評価方式 の導入事例・経過を研究することです。
この新入札制度に関するご報告は明日、行いたいと思います。
今日は、一日の概要をお話します。
須貝議員の車で、和光市役所から出発したのが朝の8時。
関越自動車道経由で、約2時間。午前10時前には群馬県庁に到着しました。
まず、圧巻なのは群馬県庁の建物です。
写真〔左〕をご覧ください。
地上32階建て、32階には展望ロビーがあります。
※東京都庁の次に豪勢な庁舎ではないか、と思いました。
〔真ん中〕の写真は、かつて使用されていた昭和庁舎の前で撮影した写真です。
10時30分から1時間半、群馬県庁の
「県土整備局 監理課 建設政策室」の担当者の方に、
その総合評価方式の実態について、説明や質疑を行ないました。
※⇒詳しい内容は明日のブログにて。
その後、県庁のレストランで食事をしました。
県民にも開放されるそのレストランは31階にありました。
〔右〕の写真は、最上階32階展望ロビーからの光景です。
帰りは、高崎市の市街地を回ってきました。
高崎市が進めている、電柱の地中化工事を見るためです。
和光市でも、駅前通りを地中化工事するという話があります。
その参考にするため、見学してまいりました。
電線をなくし、地面に埋めれば、かなり景観はよくなります。
ただし、こればっかりは参考になったようなならないような・・・
・・・どういうことかというと、群馬は圧倒的に車道&歩道の幅が広いのです。
それは車利用が中心の生活だから当然です。
そのため、「高崎がキレイだから和光でも地中化さえすればOK」ということではありません。
和光市の実情にあった方法・在り方を考えていきたいと思います。
視察は、以上のような行程でした。
帰り道は雨にも降られましたが、無事帰って参りました。
それでは、明日は「入札 ~総合評価方式について~」をお送りします。