井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2023.10.16
激動の9月定例会が終わりました。そして今後の議会運営に大きな課題を残しました。

最終日の代表者会議では自民党議員団団長から「今後の議員提出議案のあり方については、各会派で検討お願いしたい」というコメントがありましたが、議会の在り方として課題があるのは、議員提出議案のやり方だけではありません。

それを何回かに分けてご紹介します。(2回くらいで終わるかもしれませんが。)


今回は「意見書」についてです。


意見書とは、地方議会から国・政府・関係省庁へ送る要望書のようなものです。

下記の写真を見ていただければと思います。1枚目と2枚目が、今回、各会派から提案された要望書の一覧です。








しかし、今回正式に採用されたのは、自民案の7件と公明党案の2件、合計9件です。





幸いにして、自民党の出そうとしていた、今回の留守番禁止条例を国レベルで取り組むべし!という意見書は自民が自ら取り下げましたが、それでも、自民は残りの7件は全部通してきました。

公明党案も必ず全部通る…というワケではないのですが、それでも、他の会派の案が“1件も通さない”中においては、公明党だけが優遇されています。

意見書の決定までのプロセスをお話しすると、写真の1・2のようにどの会派からどのようなタイトルの意見書が議運に諮られます。



その後、それぞれの意見書の内容を各会派が提出するのですが、その各会派の意見書案は議運では示されず、「何を残し、何を出さないとするか?」は議運の副委員長により“水面下”で各会派の調整が行われます。

そのため、「出すと決まった文書」しか次の議運で示されないので、脱落した意見書は全く日の目を見ません。

議運の会議録、県議会HP…どこを見ても見ることが出来ないのです。

これも改善すべき点だと考えます。


加えて、肝心の「何を残し、何を出さないとするか?」が、過半数を持つ自民党の考えで決定しています。

それにより「何が問題か?」というと、次のような状況が発生しています。


① 自民党政権の政策の不備を指摘するような意見書は、同じ政党…ということで、ほぼ通せない。


② 他会派の意見書には「こないだ一般質問で取り上げてばかりなので今回は見送り」のような理由でNGとしておきながら、自会派の意見書に同じような一般質問で取り上げたばかりの意見書が有っても、それは通る。いわゆる「ダブルスタンダード」がまかり通る。


③ 他会派の提案をNGにした上で、1年くらい経ったら、同趣旨意見書が自民から出て来て、自民会派発案の意見書として成立する。


※今回、自民案として提出され成立した「オンライン本会議の本格実現を求める意見書」は、私が令和2年6月定例会で提案したものですが、その時は自民からNGとされました。3年経って同趣旨の意見書が可決されました。


以上のような弊害があります。


地方議会として国に挙げるべき声は各会派の意見書に様々含まれています。


この件も「(意見書の)出どころ」などにこだわったり、「限られた会派の案しか出させない」とこだわる必要はないはずです。


※仮に自民党がNGと言っても、議員提出権があれば出そうと思えば出せますが、過半数をもって否決されることと、「基本は全会一致になったものを出す」という申し合わせがあるため、このような状況に有るのです。


※※とはいえ、既に全会一致の原則は自民党自らによって破られています。自民+αしか賛成していない意見書、というものも“埼玉県議会の声”として、国に送られています。


長々と綴りましたが、県民の声を国に届けるという意味を持つ意見書だからこそ、提出を独占するような現状は変えていかなければと思っております。
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