井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2017.04.06
こんにちは。
この「防災ヘリの手数料徴収のための条例改正」に関する議案は、
今回の議会で
・5年に一度の改訂となる「5か年計画」
・年間で最も重要とされる「新年度予算」
これらよりも注目された議案でした。
私達会派の問題意識や、その上でのスタンスは
この討論を見て頂ければ、分かっていただけると思います。
特に、「条例としては成立しても、法的課題は残っている」
という指摘については、議会閉会後に上田知事も、この討論を踏まえて
取材で語っていました。
万一、この条例制定が勇み足だったら・・・という可能性も
ゼロではない、というのが今の状況だと、私は理解しています。
それも踏まえて、同僚の並木正年県議の討論、ご覧ください。
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無所属県民会議の並木正年です。
議第2号 「埼玉県防災航空隊の緊急運航業務に関する条例の一部を改正する条例」について反対討論をおこないます。
まず、行政がおこなう救助に手数料を徴収することに十分な議論がなされていないのではないかと言う点です。 行政の最大の責務は「県民の生命・財産を守ること」だと思いますが、本条例は行政が本質的に守るべき生命、行うべき救助に対して、山岳登山は危険を伴うものだから自己責任を根拠として、救助に手数料を徴収しようとするものです。
救助活動は危険が伴いますが、本条例以外に行政がおこなう様々な救助活動で有料なものがあるでしょうか。
私も地元の消防団活動で20年を迎えますが、すべての団員が地元を守ろうという強い意識を持ちながら訓練や現場対応をおこなっており、家族も理解してくれています。
防災ヘリの隊員は私たち以上に強い使命感をもって日頃の任務にあたっていると思います。私は手数料という言葉から隊員の命がけの任務に値段をつけるように思えて釈然としないうえに、強い違和感を覚えます。 提案者は自民党県議団のホームページでパブリックコメントを行ない、個人からの意見が15件、法人や団体からの意見は0件であったと説明されました。しかし、パブリックコメントを締め切った2月5日以降、新聞などで報道されたことにより観光協会や山岳連盟などの団体からは要望書、地元の議会からも意見書が出されていますので、しっかりと時間をかけてより深く丁寧な議論をおこなうべきです。
2点目として、目的ですが「この条例により無謀な登山を減らしたい」としています。委員会質疑の中で「この条例によってどのくらい無謀な登山が減るのか?」と質問をしましたが、「そもそも無謀な登山の定義づけがない。どのくらいいるのか把握していないので、どのくらい減るのかもわからない」との答弁でした。この条例改正は「無謀な登山を減らす」というよりも「手数料を徴収する条例を作ること」が目的となっている、
つまり目的と手段が逆転してしまっているように思います。
3点目として、手数料の問題です。2月15日の読売新聞によると、手数料について総務省の見解は「要求に基づき要求した人に対して行われた事務について徴収できる」としています。3月2日の本会議の質疑で共産党の前原議員から「要救助者から拒否された場合でも本人の意思に関わらず納付させることができるのか?」との問いに対して、提案者は「本人の同意は必要ない」と答弁しています。これは総務省の見解の「要求に基づき要求した人に対して」と矛盾し、違法性があるのではないかと感じます。 さらに、条例では手数料について「知事が告示で定める額」として具体的な額を定めていません。被救助者に負担の義務を課す条例として金額を示さないことは不備ではないかと考えます。
4点目として、地元の意見です。 提案者はパブリックコメントの他にも地元の消防や山岳連盟にもヒアリングをおこなったと委員会質疑で答弁をしていますが、慎重な態度や有料化に反対する意見がヒアリングをおこなったとする団体からも出されています。 救助現場では有料だからヘリによる救助を拒否するという救助者が出た場合、現場で対応する隊員の救助活動の妨げになることは明らかであり、混乱することが決してあってはなりません。
一番大切なことは、命を懸けて人命救助を行っている防災航空隊が、救助だけに専念できる今の状況を維持できるかということです。 この条例は新たな負担を求める条例であり、まだ議論すべき点や問題が多くありますので、本案に反対し反対討論といたします。
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この「防災ヘリの手数料徴収のための条例改正」に関する議案は、
今回の議会で
・5年に一度の改訂となる「5か年計画」
・年間で最も重要とされる「新年度予算」
これらよりも注目された議案でした。
私達会派の問題意識や、その上でのスタンスは
この討論を見て頂ければ、分かっていただけると思います。
特に、「条例としては成立しても、法的課題は残っている」
という指摘については、議会閉会後に上田知事も、この討論を踏まえて
取材で語っていました。
万一、この条例制定が勇み足だったら・・・という可能性も
ゼロではない、というのが今の状況だと、私は理解しています。
それも踏まえて、同僚の並木正年県議の討論、ご覧ください。
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無所属県民会議の並木正年です。
議第2号 「埼玉県防災航空隊の緊急運航業務に関する条例の一部を改正する条例」について反対討論をおこないます。
まず、行政がおこなう救助に手数料を徴収することに十分な議論がなされていないのではないかと言う点です。 行政の最大の責務は「県民の生命・財産を守ること」だと思いますが、本条例は行政が本質的に守るべき生命、行うべき救助に対して、山岳登山は危険を伴うものだから自己責任を根拠として、救助に手数料を徴収しようとするものです。
救助活動は危険が伴いますが、本条例以外に行政がおこなう様々な救助活動で有料なものがあるでしょうか。
私も地元の消防団活動で20年を迎えますが、すべての団員が地元を守ろうという強い意識を持ちながら訓練や現場対応をおこなっており、家族も理解してくれています。
防災ヘリの隊員は私たち以上に強い使命感をもって日頃の任務にあたっていると思います。私は手数料という言葉から隊員の命がけの任務に値段をつけるように思えて釈然としないうえに、強い違和感を覚えます。 提案者は自民党県議団のホームページでパブリックコメントを行ない、個人からの意見が15件、法人や団体からの意見は0件であったと説明されました。しかし、パブリックコメントを締め切った2月5日以降、新聞などで報道されたことにより観光協会や山岳連盟などの団体からは要望書、地元の議会からも意見書が出されていますので、しっかりと時間をかけてより深く丁寧な議論をおこなうべきです。
2点目として、目的ですが「この条例により無謀な登山を減らしたい」としています。委員会質疑の中で「この条例によってどのくらい無謀な登山が減るのか?」と質問をしましたが、「そもそも無謀な登山の定義づけがない。どのくらいいるのか把握していないので、どのくらい減るのかもわからない」との答弁でした。この条例改正は「無謀な登山を減らす」というよりも「手数料を徴収する条例を作ること」が目的となっている、
つまり目的と手段が逆転してしまっているように思います。
3点目として、手数料の問題です。2月15日の読売新聞によると、手数料について総務省の見解は「要求に基づき要求した人に対して行われた事務について徴収できる」としています。3月2日の本会議の質疑で共産党の前原議員から「要救助者から拒否された場合でも本人の意思に関わらず納付させることができるのか?」との問いに対して、提案者は「本人の同意は必要ない」と答弁しています。これは総務省の見解の「要求に基づき要求した人に対して」と矛盾し、違法性があるのではないかと感じます。 さらに、条例では手数料について「知事が告示で定める額」として具体的な額を定めていません。被救助者に負担の義務を課す条例として金額を示さないことは不備ではないかと考えます。
4点目として、地元の意見です。 提案者はパブリックコメントの他にも地元の消防や山岳連盟にもヒアリングをおこなったと委員会質疑で答弁をしていますが、慎重な態度や有料化に反対する意見がヒアリングをおこなったとする団体からも出されています。 救助現場では有料だからヘリによる救助を拒否するという救助者が出た場合、現場で対応する隊員の救助活動の妨げになることは明らかであり、混乱することが決してあってはなりません。
一番大切なことは、命を懸けて人命救助を行っている防災航空隊が、救助だけに専念できる今の状況を維持できるかということです。 この条例は新たな負担を求める条例であり、まだ議論すべき点や問題が多くありますので、本案に反対し反対討論といたします。
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