井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2025.07.06
(本日の概要)
①現在地(=浦和)か浦和美園かで検討が進んでいる。
③自民党議員団からは「浦和美園への移転後の現在地の活用」の話ばかり出る状態。。。
④自民党議員団は浦和美園が意中のようだ。
⑤“私個人”としては、現在地建て替え案を推奨したい!
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さて、ざっくりと今回の内容を紹介しましたが、以下が本論です。
現在、埼玉県では、県庁の建て替えを巡る議論が行われています。
今年の2月12日の知事記者会見での発表があり、「現在地」及び「さいたま市浦和美園」の2か所が候補地として有力となり、この2か所から、今年度中に1本に絞るとしています。
大野知事は、今年の2月定例会の記者会見で以下のように答弁してます。
●「県庁舎の位置については、幅広く御意見をお聴きすることが重要であると考え、昨年の7月から8月にかけて県民アンケートを実施し、直接、県民の皆様のお声を頂きました。」
●「その結果、現在地での再整備より移転を希望する意見の方が多く、また、既存の県有地を活用し土地の取得費用を掛けないことを重要視する意見が最も多くありました。」
●「そこで、県有地で活用が考えられる未利用地等の4地点と現在地(=合計5か所)について、交通アクセスや都市整備の状況、災害リスク等、主に法令等で定められている項目について評価を実施し、専門家会議等から御意見を頂きました。」
●「その結果、交通アクセスの状況からは「現在地」もしくは「美園地区」に優位性があるなどの意見があった一方、周辺のまちづくりと一体的に検討しなければならない点や、建設期間やコスト面の比較について検討するべきとの御指摘を受けました。」
と答弁しています。
これだけを見ると、アンケートの結果、「県民も現在地よりも移転を望んでいる声が多い」…と読み取れるかもしれませんが、私は、これは大きなミスリードであり、非常に問題があると考えています。
なぜなら、県民アンケートの時点では、現在地以外の具体的な候補地となる残り4か所は一切示されていない状態でのアンケートだったからです。
●アンケートの設問は、本庁舎を「移転したほうが良い?現在地での建て替えが良い?」という設問であった。
●結果は、
・「本庁舎を移転した方がよい」と答えたのは42・9%
・「現在地での建て替えがよい」と答えたのが34・9%
を上回った、というものです。
でも、この問いはあくまでも、具体的な候補地を挙げずに聞いています。
ちなみに、具体的な5か所とは
・現在地
・(順天堂大学が新病院開設を断念した)さいたま市浦和美園地区
・本庄市の旧県立児玉高校跡地
・嵐山町の国立女性教育会館
・皆野町の県立皆野高校
です。
私は、県の担当者に「アンケートを重視するなら絞られた2か所(現在地か浦和美園か?)を示して改めてアンケートすべき」と求めていますが、「既に民意は聞いた」というスタンスで、再度アンケートをする予定はないそうです。
先ほども申し上げましたが、このアンケートをもって民意とするのは、非常に問題があります。
私が最近感じているのが、県立男子校・女子校(=別学)の共学化を巡るアンケートの受け止め方(⇒圧倒的に別学維持の声が多いのに、その結果を重視せず、県教委は主体的に共学化を進める方針を打ち出す)と同様に
「埼玉県は民意の捉え方が下手なのではないか」、もしくは
「敢えて聞かないようにしているのか?」
ということです。
私のその感覚がただの思い過ごしなら良いのですが、その違和感に拍車をかけるのが、自民党議員団の県庁移転問題に関する発言です。
現状、自民党議員団からは「浦和美園への移転後の現在地の活用」の話ばかり出てくる状態です。
例えば、令和7年2月定例会 代表質問では、自民党議員団の田村琢実団長は、写真のように
仮に…とは前置きしているものの…
●仮に移転する場合、現有地住民の不安や失望を与えないよう、丁寧な移転手続きをせよ。
●浦和美園に移転した後、現在地については、数十年後の県庁舎再整備を見据えて、現有地に戻ることを前提とするべき。
●だから、土地活用は定期借地として、借地先はマンションデベロッパー等の民間ではなく、海外の大学の日本校や国内有数の教育機関など文教都市にふさわしい機関の誘致を行うなど地域情勢に寄り添った借地先とすべき。
などと述べています。
また、先日閉会したばかりの6月定例会でも、自民党議員団所属の議員(越谷市選出・浅井明議員)が
1 県庁舎建替えに伴う現在地の活用について(答弁者:知事)
という質問をしていました。
正式に団としての方向性として示したワケではないようですが、会派を代表して行われる「代表質問」で、このような質問をして、追随するように、他の議員からも同趣旨の質問が出るようなら、「浦和美園推し」である可能性は高いな、と感じています。
確かに、現在地の建て替えの場合は、一部を解体し、更地にして、そこに新しい庁舎を建てて…を徐々に、順繰りに行います。
一方で移転なら、現在地での業務を行なったまま、移転先の新庁舎を建てられるというメリットはあります。
ただ、もう1つの移転先候補の浦和美園は、そもそも順天堂大学病院として用意された土地であり、順天堂の辞退で降って湧いた話です。
また、何より「浸水想定区域に含まれる」ことや「現在地より面積が狭くなる」ことなどが専門家からも指摘されています。
今、埼玉の各地で、“防災庁”の誘致の話題が上がっていますが、場所としては
・埼玉県南西部の所沢、飯能、狭山、入間、日高の5市
・秩父市と横瀬町、皆野町、小鹿野町、長瀞町の1市4町
のように強固な地盤で地震に強いほか、水害による浸水リスクや火山噴火の被害リスクが低い地域です。
こうした話が出る中、災害時に、県にとっての“要”となる県庁を浸水想定地区にあたる浦和美園地区に移そう…という考えには、現時点では私個人としては賛同できません。
色々申し上げましたが、まずは今後の検討を見守りたいと思います。
ですが、機を捉えておかしいと思うことにはおかしいと意見を伝えていきたいと思います。
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