井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2025.04.17
この問題は、昨日も読売新聞の記事になっていました。


記事によると

「外国の運転免許証を日本の免許証に切り替える「外国免許切替(外免切替)」を行う外国人が急増している。
警察庁によると、10年間で倍増し、2023年には5万人を超えた。手続きは、日本で暮らす外国人だけでなく、旅行者でもホテルを免許証上の住所にして行うことができる。
外国人による交通事故が増加傾向にある中、警察庁は制度や運用のあり方の検討を始めた。」

※但し、全てが外国人というワケではなく、例えば、日本人が外国に仕事などで滞在し、その国で免許を取得して、その人が日本に帰国し、日本で運転するため、既に持ってる外国での免許を日本の免許に切り替えるような場合もあります。

…とあります。


私も、この問題に注目が集まりだした昨年の秋、その時、開かれていた埼玉県議会で“令和5年度の決算を審査”する『決算特別委員会』で取り上げました。

取り上げたのは、10月30日(水)警察本部 での審査です。

埼玉県の状況(但し、令和5年度時点)は、こちらを見ていただけると分かってもらえると思います。


=1回目=

(井上 質疑)

Q1 行政報告書637ページ、「(7)運転免許行政の積極的な推進」のうち、運転免許学科試験の多言語化に関連してお伺いする。ここ最近、外国免許切替え審査、いわゆる外免切替えというのが話題に上がっている。東京都の免許センターの実態として、それに来るほとんどが中国出身の人であり、早朝から並んでいる。観光ビザでホテル滞在者でも可能、簡単な試験で免許が交付されるといったことが報道されている。

・これらの実態が、埼玉県にも当てはまるのか、令和5年度の実態について、外免切替えの件数及びその人数は増えてきているのかどうかという傾向を教えていただきたい。

・また、外免切替え、中国籍の方だけではないと思うが、件数のうち、中国籍の方の人数が分かるなら何%といった割合も教えていただきたい。

・先ほど、東京都の事例紹介したが、早朝から並ぶといった事態は生じているのかどうか。試験が簡単だという話をしたが、日本人が取得する場合と問題の量や難易度が異なるのか確認させていただきたい。実技もあるというふうに伺うが、実技にも差があるのか、確認をさせていただきたい。


Q2 安易に運転免許を取得した人が未熟な運転や知識不足で重大な事故を起こすことがあってはならない、その点に尽きるかと思っている。委員要求資料12を拝見すると、令和5年、人身事故は17,002件あったということであるが、その中の、外国人の方が起こしたとされる割合がどれくらいあるのか分かったら教えていただきたい。

Q3 同じく、交通違反取締り件数は、全県で330,980件ということであるが、この中の外国人割合も分かったら教えていただきたい。


(執行部答弁)

◇運転免許試験課長

A1 運転免許試験の多言語化についてである。外国免許切替えの件数であるが、まず最初に、外国免許は外国の免許を持っている方が日本の免許へ切り替えるという手続であり、手続の中には、事前審査、実施確認、適性検査及び技能試験、これを経て試験となる。

・質問の件数であるが、暦の令和5年の総数は2,814件である。うち、質問があった中国籍の方は881件で、パーセンテージにすると31.3%になる。

・一部報道であった、警視庁が早朝から並ぶような実態があるが、本県はどうかということであるが、本県においても、外国免許切替えを申請する外国人の方が運転免許センターに並ぶというケースはある。

・日本人と比べ問題量はという質問であるが、一般試験、切替えでなくて一般試験については、同じ試験ではあるが、切替えに関しては、既に外国で運転免許を持っているということを考慮して、全国的にも出題数が少なくなっている。実技に差があるのかという点であるが、実技に差はない。

・また、先ほど件数を令和5年は2,814件と申し上げたが、傾向としては令和元年から比較して、ほぼ3000人程度で推移しているが、今後、目的の制度の改正があったことによって、外国人労働者の受入れあるいはドライバーで小規模ドライバーの拡大というところで増えていくんではなかろうかと、県警察は考えている。


(交通総務課長)

A2 令和5年中17,002件のうち、外国人が第一当事者となる人身事故は500件、割合でいくと、2.94%となっている。

(交通指導課長)

A3、 違反の件数330,980件に対する外国人の割合というところであるが、これについては、統計上の数値がないので現時点ここでお答えすることができない。



=2回目=

(井上 質疑)

Q1, 例えば人身事故17,000件のうち、この外免切替えの数が増えてきたという関係性は、今ちょっとこの場で聞いただけでは私も関連性は分からないが、先日川口市内でも外国人が運転手となって、一方通行のところを逆走してきたのかな、それが原因で、死亡者が出るという痛ましい事件もあった。あるいは、やはり、技能というよりは日本の交通ルール、そういったものをもっと熟知していただく必要があるなということを痛感した事例だったなと私は思っているが、そこを踏まえて、先ほど全国的に、免許を持っている状況なので問題の難易度や量は少ないという話あったが、県独自で問題を増やしたり、難易度を上げたりして、埼玉県内における運転を、より慎重にやってもらうような取組は、法制度上可能なのかというところを確認させていただきたい。


Q2、 併せて、とはいえ毎年3,000人単位で外免切替えをした方が増えていくということだと思うので、免許を取得した後も外国の方が、運転法令を準拠するために、県警察としても呼び掛けなり周知なりという取組は必要だと思っている。行政報告等々でも、例えば高齢者いろんなターゲットに向けた安全対策を行っていただいているが、外国人向けの外国の人が運転しているというケースを想定した令和5年度の取組といったものは、どういったものがあるのか、確認する。


(執行部答弁)
運転免許試験課長

A1、 詳しい条文を持っていないが、全国統一の基準となるので、県独自の取組を変えることはできない。

交通総務課長

A2、 県警察では、県内に住む外国人には、生活習慣や法令等の違いから発生する交通事故違反を防止するため、日本の交通ルールや事故時の措置など、外国人に対する交通安全教育を推進している。安全教育の内容としては、車両の種類や信号、道路標識に伴う義務、飲酒運転の禁止、交通事故発生時の措置、その他、日本の交通法規について説明するため、現在は9か国語のテキストを作成し活用しているところである。



==


以上のやり取りを踏まえて、あくまで「決算審査」なので、提案の形を取ることは難しいのですが、決算委員会の最後に「改善又は検討を要する事項」というのを取りまとめます。


その中に、
「外国免許切替の増加傾向を踏まえて、外国人向け交通安全教育テキストの内容を充実させるなど、日本の交通ルール遵守につながる取組に一層力を注ぐこと。」


という文言を入れるよう提案し、各会派の賛同もいただきました。

一方で、先ほどの質疑応答にもありますが、県で出来ることもある一方、基本的には国の運用が変わらなければ、状況の根本的な改善にはなりません。


そこで、2月定例会では「国に対する意見書」を提出するべく動きました。


その報告は次回、行わせていただきます。
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