井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2024.12.21
昨日(12/20・金)、12月定例会が終わりました。
決算特別委員会を務めていた今年は、9月定例会と12月定例会の間の10月・11月もずっと決特で議会に詰めていたので、まるで4か月ぶっ続けで議会をやっていた感覚です。
さて、今日は 共学化問題 の続報です。
共学化方針に反対する有志の方が、
【12月26日(木)13:30~冬の共学化反対ウォーキング@県庁→浦和駅】
を開催する、という話をお聞きしたので、その前に書いておきたい話がひとつ残っています。それをご紹介します。
ひとつ前の定例会となる9月定例会において、『埼玉県こども・若者基本条例』が自民党県議団から提案されました。
その条例は、私が所属する「福祉保健医療委員会」に付託され、審査を行いました。
私もこの条例の制定は、2年前の選挙公約にも上げていました。
なので、先行事例についても研究していましたし、基本的には賛成の立場ですが、条例文のとりまとめ作業は他会派が担っていたので、その提案に対して、本会議と委員会審査の双方で深いところまで詳細に質問しました。
一番肝心だと考えていたのは、「県民への過度な価値観の押し付けはしない」ということでしたが、その点は問題がないと確認ができたため、わが会派も賛成しました。
その中で、共学化を巡る問題に関心がある方には是非、見ておいてほしいやり取りがあります。
それが、この下の ***ここから*** から ****ここまで*** の
間の部分です。以下となります。
****ここから***
(井上質問)
Q、第3条 基本理念 第2項に「こども・若者の意見が尊重されるとともに、その最善の利益が優先して考慮される社会が構築されること」とある。
例えば、一つのテーマがあって大人を中心とした意見がある。でも一方で、こどもたちを中心とした意見がある。こういった場合、よりこどもたちの意見が尊重、反映される社会(=埼玉県)を目指すという考えであると受け取るのが自然だが、その理解でよいか。
(提案者代表 藤井議員 答弁)
A、 こどもの意見をしっかりと丁寧に聞くことはもちろん大切だと思うけれども、 最善の利益を鑑みたときに、それぞれ状況があると思うが、必ずしも、こども・若者の意見と一致した結論にならないケースもあるということは我々としては認識をしている。
ただし、一致しないような状況になったとしても、それはどのようにその最善の利益が検討されたのか検証されたのか丁寧に説明していくことが、やっぱり大切なのかなというふうに認識をしているところである。
(井上再質問)
Q、「第3条 基本理念 第2項」には、こども・若者の意見が尊重されるとともに、最善の利益が優先して考慮される社会が構築されることと期待する規定がされている。
提案者は「最善の利益には、これがこどもの意見イコールそうならないケースもある」とを仰っていたが、少なくともここで、こどもの意見が尊重されるということを明記しているということは、こどもの意見を聞くということはやはり必要だという考えでよいか。
提案者は「聞かずに決めるっていうのはよくない、聞いて決めよう」という姿勢はこの条例でしっかり謳われている、という認識でよろしいのか確認する。
(提案者代表 藤井議員 再答弁)
再答弁 意見聴取は大変重要だということで認識している。それから、やさしい社会の中で、ファーストトラックの取組について例示を頂き、批判も多いという御指摘もあったが、様々 な施策を進めていくに当たって、こどもにやさしい社会、これを全体で作っていく必要から、各施策の推進に当たっては、先ほど12条の話もしたけれども、やはり、多様な声をしっかり受けとめながら進めていくことが大切だと考えている。
****ここまで****
察しの言い方は、私がここで何を確認したのか、お気づきかと思います。
要するに、上記答弁と、令和6年2月定例会における田村議員の代表質問時の発言(=生徒や程者を対象にアンケートを行なったことを猛烈に批判する。※写真参考)が、いかに「矛盾」しているか(=「齟齬」があるか)について、しっかりと指摘しておきたかったのです。
なぜなら、自民党議員団は、令和5年12月~令和6年5月の間、埼玉県こども・若者基本条例(骨子案)作成のため、こども・若者関係団体、有識者、こども・若者から意見を伺いながら、条例(骨子案)を作成した、と語っています。
前述の代表質問は、令和6年2月27日(火曜日)に行われており、まさに「こども・若者条例」の制定の真っただ中だったワケです。
この「こども・若者条例」の 第3条 基本理念 第2項に「こども・若者の意見が尊重されるとともに、その最善の利益が優先して考慮される社会が構築されること」を盛り込んだのは、他でもない自民党議員団です。
「こども若者条例」で意見聴取の重要性を謳う一方で、自民党議員団の団長自らが「教育委員会による意見聴取を批判する」という矛盾を生んでいます。
確かにその時点では条例は検討段階でしたが、
今は既に施行されています。
この条例のおかげで、今後行政は、県民の声を無視したような発言・態度が出来ないと解釈されるべきで、その条例を可決させた議会も同じくです。
特に言い出しっぺ(=条例提案者の自民党)なら尚更です。
条例をつくっておきながら、子どもや若者の声を尊重しない・・・。
そんな場面が発生することがあってはならないと思っております。
そうした事態が生じてないか?
是非、県民の皆さまには厳しい目でチェックをお願いしたいと思います。
2024.12.16
前回(シリーズ≪23≫)に引き続き「県民生活部」関連のうち、例の『男女共同参画苦情処理委員』関連の質疑を紹介したいと思います。
****ここから****
<井上質疑>
勧告は令和5年8月30日に出されたが、苦情処理委員として、「この結論(=県下の別学は全校共学化せよ!)で行こう」と、結論を出したのはいつか伺う。
<人権・男女共同参画課長>
委員間で最終的な結論を出したという意味では、昨年度(令和5年)の7月ということになります。
<井上質疑>
県の男女共同参画に関するホームページを拝見すると、「男女共同参画に関する苦情とは」というページがある。
そこに、Q&Aがあり、そこには「全ての申出が調査されますか?」という質問例があります。
その中に、
「A,次の申出などはこの制度で調査することはできません」という例示があり、次のように書いてあります。
『人権を侵害された旨の申出が、当該申出に関わる人権侵害のあった日から1年を経過した日以降にされたとき』
とあります。
今回の共学化を巡る報道によると、申立人は「いつ人権侵害があったか?」という問いについて、「女子差別撤廃条約に日本が批准した日」というふうに申し出ています。
それは1985年です。
これは先ほどの「調査を行わない事例(=1年以上経過した場合)」というのに当てはまるのではないかと思いますが、調査を行った判断の是非について伺う。
<人権・男女共同参画課長>
要件に該当しないものに当たるのではないかというご指摘ですが、この苦情申出制度については、条例で大きく2点、申出ができることになっている。
1点は県の施策
2点目が人権侵害事案
「1年経過していると受け付けられない」というのは人権侵害の事例の場合であり、この共学、別学については県の施策についての案件ということになるため、要件には該当せず、遡って調査するということが可能である。
****ここまで****
さて、私は投稿の前半で書きましたが、申立人は「いつから差別されてたの?」という問いに対して、「1985年から」と答えています。
この申立人を「男子校に入りたくても入れない当事者」だと市民団体は言っていますが、仮に当事者(=受験を迎えた年齢)だとして、「1985年から差別されていました!」ってなります?
その「進路選択を目の前にして、女性であるあなたは男子校には入れませんよ…と言われた年」なら、まだ遡る意味も分かります。
しかし、「1985年から差別されている」という主張を苦情委員が受け止め、調査し、その結果、「県内全ての別学は共学化すべき!」という結論を出すのは、どうみてもおかしいと思います!
しかも、令和4年4月14日に受付して、実質1年3か月後、わずかな調査で令和5年7月に結論とスピード判決。。。
この制度は絶対に問題があるし、その問題がある制度の中で出された結論は、どう考えても再考の余地があると思っております。
以上で、シリーズ⑲から始めて今回の≪24≫までが
「決算特別委員会の質疑で分かった事実」編
となります。
次のシリーズ≪25≫では、9月定例会での「こども・若者条例」の審査の一コマを紹介したいと思います。
2024.12.16
今日からは11月5日(火)に行われた「県民生活部」関連のうち、例の『男女共同参画苦情処理委員』関連の質疑を紹介したいと思います。
****ここから****
<井上質疑>
行政報告書の155ページ、「(5)男女共同参画の推進」から伺う。
「県民からの苦情申し出」について、令和5年度は3件の申し出があり、苦情処理委員が令和4年度からの継続分を含め4件対応してきたとある。
令和4年度の継続分というのが、例の県立学校の共学化をめぐる議論であり、それについては令和5年8月に勧告が行われました。
(教育局でも聞いたが)この勧告を行うまでに
・どのような調査が行われ
・要した人件費、委員報酬、旅費など、費用総額は幾らか
伺います。
<人権・男女共同参画課長>
どのような調査をしたかについては、苦情処理委員が検討して、学校の管理職の数ですとか、あるいは学校の方針、また、他県の状況などヒアリング等を行っております。
その上で要した費用の関係ですが、人件費については専属の担当職員がいるというわけではなく、ほかの業務の一部として行っているで取り出して算出するということはできません。
苦情処理委員の事業予算として措置されているものについて、どれぐらいかかったかというと、委員も先ほどお話ししたとおり4年度5年度ちょっとまたがっておりますので、ざっくりとですが、
○まず苦情処理委員と、それを補助する専門員が居るので、その報酬の支払いとして、約140万円かかっております。
○また、会議等するときに会議室を借りる場合もありますので、その費用が約5万円。
○そのほか委員の方に来ていただく旅費に相当する費用弁償というものが、あと当日のお茶などの費用合わせて約6万円ということで、総額約151万円となっております。
****ここまで****
費用の大小が意思決定の大小に比例する訳ではありませんが、
私としては、「151万円の費用(⇒ほとんどが委員報酬)しか充当されてない苦情処理委員会が、わずかな調査で、未来のこどもたちの選択肢を奪うな!」
と強く言いたいです。
次回に続きます。
2024.12.12
引き続き、教育局とのやり取りを紹介します。
****ここから****
<井上質疑>
県教育委員会は令和5年度、多くのコストをかけ調査検討を行ってきた。
その調査検討を行うきっかけとなった、苦情処理委員へ申告した人物は(共学ネット・さいたまという団体が言うには)学校に入る女性個人、教育を受ける当事者による申請だったということ。
(※市民グループの発行した通信には次のように書いてある。
『今回の申請は、教育を受ける当事者による入学拒否への苦情。2002年のときはそうじゃなかった。今回は学校に入る女性個人、教育を受ける当事者による申請である』 )
教育委員会は、この認識で、勧告後の「共学化すべきか否」かの調査・検討を行ってきたのか。
<県立学校人事課長 答弁>
●措置報告書を作成するに当たり、苦情申出者が当事者による申請であるかどうかは把握しておりません。
●また、当事者の把握についての調査・検討は行っておりません。
<井上 再質問>
県教委は就学を希望する人かどうかを問題とせず、ここまでやってきたということでよろしいのですか。
苦情処理委員から出された勧告には、申出人が誰であるかはもちろん書かれてない。
ただ、この1年間をかけてやってきたその議論が、本当に当事者か否かを、確認もすることなくこの議論を進めてきたということでよろしいか。
<県立学校人事課長 再答弁>
●報告書の作成については、当事者の把握は必要ございませんでした。
●措置報告書は、勧告の内容に基づき作成をしています。
<井上 再々質問>
市民団体の通信に書いてある内容(=今回の申出は、教育を受ける当事者から出されたもの)は「事実である」と教育委員会は受け止めている、ということか。最後にこれだけ確認します。
<教育長による再々答弁>
※これまでの県立学校人事課長ではなく、教育長が手を挙げ答弁。
●課長のほうからもありましたが、繰り返しになりますけれども、教育委員会では、今回の申請者についての具体的な情報は把握しておりません。
●一方、教育委員会としては常に、県民から信頼されるべく、教育環境の構築に努めているところである。
●今回のような勧告を頂いた場合には、その内容が教育に関する問題であれば、それは真摯に、誠実な対応をしていくということが重要と考えており、今回もそのように対応したところである。
****ここまで****
まず、教育局を擁護するつもりはありませんが、苦情処理委員に届いた申出人の個別情報や内容(=誰が申し出たか?)が、教育局に漏れ伝わっていない点においては、正しいのです。
…正しいには正しいのですが、「それでいいのか!!」というのが、私の本音です。
「当事者からの声か?」
それとも
「全然関係ない人の声か」すら分からない申出に、教育委員会が左右されるだけの力があるのが問題です。
この男女共同参画苦情処理委員の仕組みそのものに問題があります。
決算では、その仕組みを変える提言は議論の範疇を越えますが、「このままでいけない」と思っています。
また、先ほども触れましたが、市民団体の発行する『通信』には
「今回の申請は、教育を受ける当事者による入学拒否への苦情である。2002年のときはそうじゃなかった。今回は学校に入る女性個人、教育を受ける当事者による申請である」
と書いてありました。
私にはこの情報の正否は判断のしようがないのですが、この記載が事実だとして普通に読めば、申入者は女子中学生かつ3年生ぐらいが申立人ということに読めると思います。
ただ、個人的な意見として、情報公開請求や、マスコミ報道で目にすることのある殴り書きのような手書きの申立書(画像参照)や、「女子差別撤廃条約違反だ」という理由を持ち出してきている点を見て、本当に“当事者”なのか?と、疑問に思い、確証を持てない状況です。
だからこそ、本来なら、こんな誰からの声かも分からない閉鎖性の高いルートで議論が進むのではなく、もっとオープンに、もっと多角的な情報や県民の声がしっかりと活かされた議論がされるべきです。
これからも議論は続きますので、教育局にはこのことを肝に銘じてほしいと思っております。
2024.12.12
引き続き、教育局とのやり取りを紹介します。
****ここから****
<井上質疑>
続いて要望書の受取についてです。
こちらも、教育委員会のホームページから、どういう団体から、いつ受け取ったかというのが分かるようになっています。
令和5年度においては、4団体から5回受け取っています。これはいずれも教育長が対応したものでしょうか。
団体によって対応者が異なると公平性を欠くような気がいたしますので、どうだったのか確認をいたします。
<県立学校人事課長 答弁>
●令和6年3月15日に共学ネット・さいたまの意見書の受領に教育長が対応しています。(それ以外は他の職員が対応)
●要望書などの受領については、提出を要望される方と職員の予定を合わせ考えて、要望される方と協議の上で設定した。
<井上 再質問>
御答弁ありがとうございました。
申出書に関しては、教育長が御対応されたのは1件だったということだったと思いますが、それ以外は教育長への提出を希望してなかった、もしくは、予定が合わなかったということでよろしいですか。
その点を確認させてください。
<県立学校人事課長 答弁>
要望書などの受領については、要望される方と、職員の予定を合わせ考えて、要望される方と協議をした上で設定させていただいたものになります。
****ここまで****
昨日の「団体との意見交換」でもそうでしたが(他の団体は1回のみの意見交換が、推進派団体とは3回も会っている。)、要望書の受け取りでも、この共学推進派の団体だけが教育長自ら対応する、といった特別扱いがされているんです。
アンケートなどでは、別学維持派が多い中で、この特定の共学推進派だけ特別扱い…となると不公平感を感じるのが、普通の感覚だと思います。
教育に関わる部署だからこそ公平な姿勢でいるべきです。
また、逆に、この答弁から言えることは、今後別学を求める要望などを出すときは、日程調整でなかなか日が合わなくても、教育長に会えるタイミングを諦めることなく交渉をし続けることで、直に声を届けられる、可能性が広がるとも取れます。
議員が決算特別委員会で質疑をすることで、こうした事実を明らかにすることができます。
私は質疑を通して、教育長・教育局には、今後の公平な対応を指摘したつもりですので、このことをよく踏まえてもらいたいと思います。
カレンダー
カテゴリー
最新コメント
最新記事
(04/11)
(04/11)
(04/08)
(04/03)
(03/23)
最新トラックバック
プロフィール
ブログ内検索
最古記事