井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2024.12.11
前回からスタートした決算特別委員会の質疑のご紹介。
引き続き、教育局とのやり取りを紹介します。
***ここから***
<井上質問>
続いて、共学化に関する回答について、措置報告書というのが教育委員会から出されております。
男女別学校の特徴などに対して意見を聴取した、その団体名及び実施日は報告書の10ページにあります。
令和5年度には、合計17回が行われました。このうち、共学推進派の団体と17件のうち3回意見聴取を実施しています。ほかの学校はそれぞれ1回ずつです。
なぜ同一団体と3回も会う必要があったのか、多大な費用をかけたその調査が公平であったかという視点でお伺いします。
<県立学校人事課長 答弁>
●なぜ同一の団体で3回も会う必要があったのか、について答弁します。
●県教育委員会に意見を伝えたいという意向を示した団体については、全て公平に意向をされた回数、意見を伺ったところ、複数回意見聴取を行ったところがございます。
***ここまで***
これを言い換えると、「希望した所には希望するだけ会った」ということでしょう。
これが本当に公平だったかは、私は疑問です。
各学校やOB会は、色々言いたいことがありながらも、他の学校の意見も聞いてほしいと複数回の面談より、まずは他校の声も幅広く聞いてほしい、と考えたと思います。
そんなことは関係ない少数の共学推進派は何度も申し込んでいた、というだけのことです。
過去は変えられませんが、これから先は、一部の団体だけ複数会うようなことがないように教育委員会には公平な対応を願っております。
2024.12.11
9月定例会が始まり、今開会中の12月定例会が始まる間に開催された「決算特別委員会」でも、この埼玉県立高校の共学化を巡る議論について取り上げました。
・それらのコストが適正であったか?
・また、その間の調査や検討が公平公正に行われたか?
という会計と事業評価の視点で、質問を行いました。
(議員席の左から2番目)
何度かに分けて、その審査内容から明らかになった事柄をお知らせしたいと思います。
まずは、教育局の質疑から順次紹介します。(質疑・答弁は概略版です。)
****ここから****
<井上質疑>
令和5年9月30日に、埼玉県男女共同参画苦情処理委員による勧告が出されました。
本年9月に回答を出すまで、令和5年度においては多くの時間・費用・人員を割いたと思います。
今回の勧告は、たった1件の申し出から始まったと言われています。私個人としては、その申し出そのものが事実誤認を含むものであり、苦情処理委員が、事実誤認を知りながら、勧告にまでつなげたことに懐疑的な考えを持っています。
ただ、この場は決算の委員会ですので、その勧告内容や勧告への回答に対しての意見を申し上げるつもりはない。
一方、勧告を基に、先ほど申し上げましたが、本来は捻出する予定、必要のなかった時間的・予算的・人的コストが発生したのは事実である。
それらを、以上の論点から、お伺いさせていただきます。
別学・共学を含む学校訪問や、関係者のヒアリングなどが行われた。これらの総コストはどれくらいだったのか。
県の示す「予算見積書」で言えば、報償費であるとか旅費であるとか、また、それに関わる人件費などを含めて算出をするということができるが、この視点で総コストはどれくらいだったか伺う。
<県立学校人事課長 答弁>
●別学・共学を含む、学校訪問や関係者のヒアリングなどを行ってこれらの総コストはどれぐらいかという質問にお答えする。
●当課の職員が中心となって対応してきたが、勧告に係る業務について、職員の増員を行っていない。
●担当職員も日々の業務の中で、勧告のみの対応をしていたわけではないため、勧告の対応に要した人件費を算出することは難しい状況である。
●旅費に関しては、令和5年度に計17回の意見聴取を行っており、これらに係る当課職員の出張旅費は、合計約30,000円となっている。
***ここまで***
ここから先は、井上の感想です。
予算見積書では事業単位で「その事業に職員がどれくらい関わる予定か」で、例えば「0.1人」とかの掛け算をして、人件費も算出することも可能です。
ただ、今回の決算特別委員会では、そこまで算出を求めることは出来ませんでしたので、その点は残念ですが、仕方ありません。
・・・逆に言えば、別学を求める子供たちが大勢居る中、これだけ大切な議論に対して予算上は“たった30,000円しか掛けていない”ことになります。
実際には、アンケートの実施や集計など様々な取組を行なっているので多くの職員が長い時間、職務に関わっているはずなのですが、もっと予算を掛けてでも、丁寧で、県民の声を聞いた上で結論を出すべきだったと思います。
この投稿を機に、このような感じで今後、決算特別委員会での質疑をシリーズで紹介していきたいと思います。
2024.09.26
昨日の出来事とのことですが、共学化議論のキッカケとなった市民団体の要望書を、日吉 享教育長が直に要望書を受け取ったといいます。
県教委の「勧告への回答」が出る前に行なわれた、別学校の生徒たちの代表者が集まった際の別学維持を求める要望書は、代理とも言える高校改革統括監だったのに。。。
ちなみに、そもそも #共学化反対 なので、期限を設けるのも私は断固反対です。
なお、記事内に市民団体のコメントが載っています。
「別学校への『ニーズ』よりも、性別で入学を制限しないという人権を優先すべき」
という“比較論”ではなく、
「別学校への『ニーズ』ではなく、性別で入学を制限しないという人権を優先すべき」
という別学へのニーズを“否定”して語っています。
別学を選ぶ子供たちの中には、やむを得ない事情で共学を避けたい子供も居ます。
そういう子供のニーズ(声)を“否定”して掛かるこの団体の主張に、これ以上教育局が振り回されること、そして何より、子どもたちの教育環境が振り回されることがないよう、切に願いたいです。
2024.08.16
台風7号は埼玉県には大きな影響を与えない範囲で通過していたように思いますが、他の地域ではケガ人や住宅被害などもあると伺っています。
心からお見舞いを申し上げると共に、埼玉の地においても、今後もまた同規模の風雨災害があるかもしれません。
県行政に関わる者として、引き続き警戒を強めたいと思います。
県行政に関わる者として、引き続き警戒を強めたいと思います。
その中で、この問題の発端は「別学は女性差別だ」という理屈を持った第三者の苦情である、という話をしました。
確かに、発端はそうだとしても
「本当に共学化の目的はそれだけだろうか?」
「万一、県立高校が共学化された時、結果として得する業界や人々がいるのではないか?」
と慎重に思案を巡らしています。
現在、別学を志望する生徒の中には「別学の県立○○高校にいきたい」と思っている生徒も居れば、「〇〇高校というところまでは絞っていないけれど、同世代の異性は苦手で、どうしても別学に行きたい」と願っている生徒さんも居ます。
その理由は様々だと思いますが、万一、県立高校の全てが共学化…ということになれば、特に後者の方の選択肢は「私学の別学」しかなくなってしまいます。(当然、都内の私学別学も含みますが、ここではあくまで県内事由として考えたいと思います。)
一方、前者の生徒にとっても、希望していた選択肢が無くなるとしたら、それに近い環境を私学に求める可能性も十分にあります。
この「私学しか選択肢がなくなる」点については、6月定例会で八子議員が次のように述べています。
=以下、抜粋=
「万一、公立の男女別学校がなくなった場合、別学校に進学したいという希望者は、私学に進学するしか選択肢がなくなるわけですが、そうなると高い費用の問題が出てきます。私学は御承知のとおり入学金、授業料、施設整備費等々、公立に比べ高額な費用負担が求められます。
つまり、私学助成があるとはいえ、経済的に余裕がないと進学できないということになります。果たして、それでいいのでしょうか。私は疑問であります。」
==以上==
と述べました。
(※ちなみに、この質問に対して、教育長は「私学助成は(教育局ではなく)『総務部』の管轄になるので答弁できない」というスタンスで、明確な答弁はありませんでした。答弁を避けたようにも感じる方も居るかもしれませんが、これは行政の役割分担の視点でいえば、致し方ないことでもあり、質問する側としては時間さえあれば、“総務部長”への質問を「別の章立て」をして、用意出来れば良かったな…という後悔もあります。)
さて、八子議員の質問の中に出てきた「私学助成」に注目していきたいと思います。
昨年の男女差別苦情処理委員の指摘は、公立の男女別学高校だけ狙い打ちにして共学化せよという勧告の内容でした。
苦情処理委員の機能として、「男女共同参画に関する県の施策への苦情や配偶者・パートナーからの暴力、性別による差別的な取扱いなどの人権侵害について申し出ることができる」とあります。
確かに普通に読めば、「県の施策への苦情」を受け付ける訳ですから、県立ではない私学は勧告に関係ない…とも言えますが、実は県の歳出のうち「私学助成」は、令和6年度予算ベースで高校分だけで約322億円を支出しています。
少なくない税金が男女別学高校を含む私学にも助成されています。
このような私学助成という制度があるのは、ご家庭の教育費負担の軽減を図るためであり、私学が公立学校と並んで、公的に支援すべき重要性があるからだと考えます。
その理論でいえば、税金で支援している私学の別学も、本来なら苦情申立者が問題視してもおかしくないのですが、そこはスルーされています。
さて、この「私学助成」ですが、県議会の多くの会派で力を注いではいますが、実際のところ、議会で過半数を有し、議決に多くの影響力を持つ自民党議員団がその功績を果たしている、と私学関係者には受け止められています。
その証拠に、埼玉県私立中学校高等学校協会主催の「埼玉県私学振興大会」に出席すると、文教委員会所属・総務県民生活委員会の各会派所属の議員が来賓として壇上に居るにも関わらず、
「○○議員を代表とする自民党議員の皆様のおかげで、私学振興が拡大されました!」
とアナウンスされるくらいです。
※会報誌「緑陰」にも、自民党議員団への感謝が明確に謳われています。(※写真の2段目を参照。)
私学振興は私も大事だと思っています。
一方で、大阪府では
●私学への授業無償化の拡大
●入学を志願する者の数が三年連続して定員に満たない高等学校で、その後も改善する見込みがないと認められるものは再編整備の対象とする、という条例の制定
という維新の会の政策がキッカケとなり、公教育の基盤を壊す方向に進んでいて、一部では「私学優遇」「私学に優秀な生徒を誘導する利益誘導」との非難も出ています。
「公教育の充実」を優先したいと考える私としては、埼玉県の教育が、これと同じ方向にいくことがないように力を注ぎたいと思っています。
ただ、自民党県議団の所属議員が、過去に大阪府と同様の「定数割れしたらその学校は統廃合条例」を一般質問で取り上げたこともあります。
また、これまでにも何度か綴ってきたように、そもそも埼玉県議会で過半数を有する自民党議員団の会派代表である田村団長は、女性差別解消の視点から率先して共学化を訴えています。
さらに、これも以前に述べたことがありますが、田村団長は、過去、他の会派の議員の「県立高校を充実させるための質問」に対して
「県立高校なんていらねぇんだよ!」
というヤジを飛ばしたことがあります。
(いつ、誰の質問に対してか?はメモに控えてありますが、質問者のこともあるので、そこは明記を避けさせていただきます。)
政策論争という視点で言えば私学重視となり、公教育重視の私とは政策面で真反対になるでしょう。
議員間で政策に差があるのは当然と思いつつも、県議会議員が自ら県立高校の基盤を崩すことは、大阪の事例を見ても避けるべきであり、どうか同じ轍を埼玉県教育委員会には踏まぬよう、心から願っております。
・・・さて、勧告に対する回答期限もいよいよ近くなってきました。
ここまで、①から、今回の⑰までお届けしてきた シリーズ「県立高校共学化を巡る議論」ですが、一応、勧告に対する回答前のシリーズとしては、一区切りとさせていただきます。
多くの方にご覧いただいたり、コメントをいただいたり、シェアもしていただきました。
感謝を申し上げます。
私がこの間、伝えたかったことは、教育委員会に議論を任せる中で、少しでも多くの方に、この問題を知ってもらうこと。そして、その問題に纏わる、あらゆる点についても知っていただきたいということでした。
(今回で一区切り・・・とか言いながら、またすぐに伝えたいことが出来て、すぐにシリーズ⑱が再開するかもしれませんが。)
今日の投稿の最後に改めて申し上げますが、
『別学という選択肢を残すべき』
『将来の子どもたちのためにも、公教育を自ら弱体化させるような判断を県教育委員会はしてはならない。』
そう信じています。
別学を維持すべく活動されている現役の高校生、卒業生の皆様、そして、別学の意義を感じて力を貸してくださっている皆様に、これからも想いを同じくすることをお約束して、今日の投稿を閉じさせていただきます。
2024.08.13
まだ実際の記事は読めていませんが、朝日新聞が、この問題について特集を始めたそうです。(写真参照)
そのような中、私も「時期は大詰め」の認識のもと、より客観的な意見を得るべく、先日、この共学化議論について憲法学者の友人と意見交換させてもらいました。
許可を得たので、その一部を紹介させていただきます。
許可を得たので、その一部を紹介させていただきます。
=別学の意義=
Q(井上)
県立高校が別学であることは女子差別にあたるのか? 学術的視点からはどう考えるか?
A、(憲法学者の友人)
●かつての「男子たる教育」・「女子たる教育」とは異なってきており、現在において、別の基準での別学の意義が見い出せれば、別学の公立という選択肢があってもよい、と言えるのではないでしょうか。
●例えば、別学が学力向上にも成果を上げることが証明されていれば、別学を残す意義はある、と言えそうです。
=女子差別撤廃条約違反との指摘について=
Q、(井上)
男女共同参画委員は「女子差別撤廃条約違反には当たらないが…」と違反ではないことに触れつつも、共学化を勧告している。この点についてどう考えるか?
A、(憲法学者の友人)
●「女子差別撤廃条約」の趣旨は、女子に教育を与えないとか、女子は大学に進学させないとか、そういった差別の撤廃を求めているものなので、男女別学の問題には関わらないかと思います。
●そもそも日本国憲法に平等原則が規定されていますし、条約は憲法の下位におかれるのでこの条約を引き合いに出す必要もないです。
==私学の位置づけ==
Q、(井上)
「県立学校」の共学はダメで「私学」なら良いのか? 公立はNGで、私学はOKという、根拠はあるのか? ちなみに「推進派」の主張は「建学の精神(=例:我が校は紳士たる男子を育てる!という設立理念)があるからOK」なのですが、この主張は成り立つのか?
A、(憲法学者の友人)
●私立の位置づけとしては、公立ほどに制限されないといった「程度」の話になります。
●理屈としては、私学は国家機関ではないので、直接、憲法等の「平等」は要求されず、建学の精神が優先されます。ただ、教育機関として公金を受けている以上、まったく平等を無視してよいというわけでもありません。今のところ、多くの人が「私学も共学とすべき」とまで考えていないという程度です。
~~~~~
以上ですが、私もとても参考になりました。
特に、「別学が女子差別にあたる」「男女差別撤廃条約違反にあたる」という推進派の主張が、やはり時代に沿っていない、…というか、本来行うべき議論から論点がズレた主張である、と再認識できました。
無論、多様な考え方・解釈があるとは思うので、これが唯一の答えではないのは承知していますが、県教育委員会や県の教育局の皆様にも、こうした見解が十分に至り得る、ということを知ってほしいと思います。
いささか難しい言葉や言い回しも使いましたが、簡単に言えば…
「別学の議論と女性差別撤廃条約はやはり関係ない。勧告に従う形で共学化の道を選んだら絶対駄目だ!!」
ってことです。
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