井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2024.07.21
定例会が開会されていなくても、私たち県議会議員は浦和の県庁に登庁する機会が度々あります。
6月定例会が開会される前、いつものように和光市駅から朝霞台駅で武蔵野線に乗り換えようと思ったとき、ふと目に留まった大きな広告がありました。
一目見た時、
「きっと、共学の生徒は男子校を、男子校の生徒は共学の生徒を見て『もし、違う進路を選んでたら、ああいう青春もあったのかもしれないなぁ』と考えているんだろうなぁ。」
「もちろん、たった一度の進路選択なので、基本はどちらかしか選べないけど、「もう一方を選んでたらどうなってただろう?」と羨ましく見えるのも、わかるなぁ」
「うまい広告だなぁ」
「埼玉県立学校の共学化議論が起きているのを測ったようなドンピシャなタイミングだなぁ」
と思いました。
その日は、その感想を持って県庁へ行き、今度見たら写真に撮ろう…と気軽に考えていましたが、掲載期間が短かったせいか、次に通りかかった時には、この広告は無くなっていました。
気になって、調べていると、この広告は、私も学生時代の頃に飲んだこともある
ビタミン炭酸MATCHという炭酸飲料の「となりの青春は、青い」という広告シリーズでした。
驚いたのは、真ん中の男子学生は、どちらも子役で有名になった俳優の 寺田 心(こころ)君だということです。
2人の心君? 一体どういうことか?
・・・ネタバレしない範囲で説明すると、男子校に通う心くんが「異世界=共学の高校」に転生してしまう、という設定で、その2つの世界を経験した心君が、「共学も別学も、どっちもいいよな」と思ったシーンを描いているのです。
詳しくは下記からご覧ください。第一話がこちらです↓
ただ単に、2人の男子生徒が互いの境遇を羨んでいるのかと思ったら、2つの世界を経験した心君が「もう1つの世界の自分を羨ましそうに眺めている」と私の想像以上に、甘酸っぱい青春の様子を描いています。
動画は全部で8話あり、1話ごとに「男子校あるある」が紹介されます。
最終話の「あるある」は
「なんだかんだ、生まれ変わっても男子校がいい。」
です。
埼玉県の12の男子校・女子校(=別学)を、全て共学化するより、やはりお互いを「いいなぁ」と思いつつも、「そこにしかない青春を味わう」…。そんな埼玉県立高校での青春を残してあげたいと強くいます。
2024.07.18
これまで、このシリーズでは多くの論点や実情をお話ししてきました。
それでも、それはあくまで一部でしかなく、全ての論点を語ろうと思うとシリーズ「30」とか「40」くらい必要になりそうです。でも、そういうワケにもいきません。
先日、会派「無所属県民会議」のHPに質疑だけでなく、答弁も含めて掲載する作業が完成しました。
下記URLからご覧ください。
※共学化以外のテーマも取り上げているので、その質問も載っています。よければそちらも合わせてご覧ください。
さて、見ていただくと分かるのですが、答弁者の「教育長」の答弁が、結構“淡白”です。
元々、日吉教育長さんは、熱い口調で語るタイプではありませんし、8月末までに勧告への回答を控えたタイミングでの一般質問なので、多くを語れない…というのも分かっているので淡白なのは致し方ない部分ではあります。
ただ、例えば
「Q、別学の歴史や伝統をどう評価するか?」という問いに対して、
「A、全ての県立高校が築き上げてきた歴史や伝統は、大切なものの1つであると認識をしております。」
のように、「別学ならでは」のことを聞いているのに、「全ての県立高校は…云々」のような答弁で終わったやりとりもいくつかありました。
共学を求める方々が居ることを鑑みて、「別学の良さ」を語るのを控えた、というのが実際のところだと思います。
おそらく再質問で追及しても、きっと答えは変わらなかったと思います。
ただ、八子議員や私は、共学が駄目だなんて思っているワケではありませんし、別学の良さと共学の良さはそれぞれにあると思っているので、別に「別学の良さを語ったのだから、全ての県立高校を別学にせよ!」…なんて、飛躍した議論をするつもりもありません。
頑なに別学の評価に関する答弁を拒むより、良いところは良いと、スッと答えてくれたほうが、傍聴に来ていた方にとってもモヤモヤしないで済んだと思います。
いずれにしても、この一般質問は、かつて20数年前の勧告の際には、複数の議員が何度かに分けて行なった質問をたった一人でまとめ上げた、大変意義深い一般質問だと思っております。
2024.07.16
昨日の投稿では「次回のシリーズ⑦は情報収集について」と予告しました。
その予告どおり、県教委の情報収集にまつわる話をしたいと思います。
「県内に在住又は在学の中学生及び高校生とその保護者」となっています。
(実施期間:令和6年4月17日から5月17日)
この他にも「県立高校の特色化に向けたアンケート」も行いました。
このアンケートの回答対象者は
「県内の小学5・6年生、中学生及び高校生並びにその保護者」となっています。
(実施期間:令和5年12月19日から令和6年1月26日)
その意味でいえば、いずれのアンケートも、生徒か保護者で、且つ今回の共学化を巡る議論に関心のある方が自主的に回答する仕組みとなっています。
なので、賛成・反対問わず、この問題に積極的に意見の言いたい方の声は集まってきていると言えます。
一方で、上記の2つのアンケートでは、「別学に残ってほしい」という想いが強いであろうOBやOGは(子供が対象年齢出ない限り)声を発することが出来ません。
(※そのため、別途で意見交換会などの機会が設けられているワケです。)
少し話は逸れますが、私が、昨年の県議会自民党議員団が提出した“留守番禁止条例”と揶揄された「虐待禁止条例改正案」を巡る騒動の際に痛感したことなのですが、例えば『ヤフコメ』や『リアルタイム検索』のような、全国的・全世代的に“この問題をどう感じている方が多いか”という「世論」のような意見・声も、政策を判断する上での参考になる、ということです。
(もちろん、政治家といて大勢が反対(もしくは賛成)していても、それと異なる決断をしなければならない場面はあると思っておりますが、少なくとも、この共学化を巡る議論については、世論の動向を大切すべきと思っております。)
この本県の共学化を巡る議論は何か動きが有る度に報道され、最近ではそれがネットニュースとして取り上げられることも、注目も高くなり、発信・書き込みも非常に多くなりました。
実際に目を通してみても、「私もOBです。」といった方のコメントも読むことも出来ましたし、他県の共学化を経験した人の経験談も読み事が出来ました。
私が読み解く限り(←最近は、AIが意見の要点や傾向を分析してくれる機能もあり、そことも共通して)、コメントは以下のような状況でした
・圧倒的多数が「別学維持」を支持している
・別学という選択肢を残すことが多様性に応えている
・少子化に伴う統廃合は仕方ないかもしれないが、今回の苦情のような理由での共学は多様化が進む中で逆行している
というものでした。
こうした声を県教委は目を通しているのでしょうか?
この疑問を、6月定例会の八子議員が質問に盛り込んでくれました。
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(八子議員質問)
Q、教育長個人、もしくは教育委員会として、こうしたネットのコメントやその傾向から得られる世論をどう受け止めるのか。
(教育長答弁)
A、 報道等については、県教育委員会としては、全てを把握しているワケではありませんが、出来る限り情報取集には努めており、私自身もそれらに目を通すようにしているところでございます。
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…実は、ここまで教育長が答えるとは思っていませんでした。
でも、こうして答えてくれた以上、様々な場(SNSやヤフコメなど)での発信も無駄ではないと思っております。
ただ、県教委主導のアンケート、そしてヤフコメやSNSで「別学維持」が大勢を占めていてもなお、私はまだ県教委から「別学維持」の判断を引き出すには足りない…と思っています。
なぜなら、埼玉県議会で絶対的な過半数を占める自民党議員団の団長が『代表質問』及び、『その後の報道』で次のように述べています。
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県議会の最大会派、自民党県議団の田村琢実団長は「個人の意見」としたうえで、「例えば、女子中学生が浦和高に進学したいと思っても、受験できないのはジェンダー平等が達成されていない状況といえる」と指摘。さらに、進路選択の多様性についても、「私学には建学の精神もあるだろうが、国公立が別学という選択肢を持つこと自体がおかしい」と話す。」
(産経新聞2024/3/21 12:34配信記事より抜粋)
~~~~~~
この発言を含む自民党団長の「共学化推進すべき!」という意向が、教育委員会に重く圧し掛かっている、と(私の県議10数年をやった経験から)そのように思うからです。
(教育に対しては「こうあるべき!」という想いがあると、それを実現すべく徹底的に行動が行われます。例えば、県立高校のタイムカードの導入を県教委が提案した際、それを阻止すべく自民党議員団は「予算執行停止の付帯決議」を可決し、導入を遅らせました。)
虐待禁止条例の改正案の時も、こうした一部の議員の強い想いで突き進みましたが、全国から寄せられた疑問の声が、マスコミにも多く取り上げられ、最終的には取り下げにまで繋がりました。
今回は、前回の虐待禁止条例の時のように議案の賛否を問うワケではない、ということは勘案しないといけないため、全くの同列で語ることはできません。
加えて、マスコミ等で度々取り上げられてはいるものの、教育委員会が「やはり別学維持が県民世論か…」と考えるまでには、さらに多くの声が県教委に届く必要があると思っています。
県主導のアンケートで声を上げることが出来なかった人もこの問題に関心を持ってくださる方がいれば、ネット記事への書き込みやSNSでの発信、またはネット署名など、関わる方法はある!ということを、改めて伝えさせてもらえればと思います。
2024.07.16
6月定例会が終わり、9月定例会が始まるまでの夏の期間は、毎年、多くの団体の皆さんと意見交換をさせていただいています。
埼玉県生協連(=埼玉県生活協同組合連合会 <略称:埼玉県生協連>)が定期的に発行されているレポートには、そんな私たち「無所属県民会議」との意見交換の様子が掲載されてました。
ちなみに、その次の9月~12月定例会の間は、今年度は決算委員会に配属予定なので、これまた慌ただしくなりそうです。
2024.07.15
このシリーズも第6弾を迎えました。
その中で、埼玉県教育委員会が実施した中高生を対象にしたアンケート結果が11日公表されました。
私たちの会派でも、昨年8月に「勧告」が出た際、この共学化の問題を考える時に真っ先に話したのが「当事者の声を聞くことを県教委にしっかりと求めていこう」ということで、その点は、いの一番に合意しました。
そんな中で、私が昨年2月定例会で耳を疑ったのが、下記の自民党議員団の代表質問(田村代表)でした。
===質問===
私は、勧告に対し教育長がとっている対応を猛烈に批判いたします。
(中略)
第2に、県教育局が生徒・保護者へのアンケートを実施した点です。
高校選びの観点について生徒、その保護者の考え方を把握するためとしていますが、問題の本質に触れず、自身の責任を放棄するかのごとく拡散している姿勢は、とても評価できるものではありません。
社会制度の中で、制度の問題に気付かない方、そういうものだと諦めている方、社会の同調圧力によって声を上げない方、上げられない方がいます。勧告の方向性を決めるのも、埼玉県の教育の方向性を示すのも、議会ではありません。教育委員会です。
教育委員会が責任を持って、法令や事例を通して判断することが必要と考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
====
この質問を聞いた時、私は「えっ⁉、アンケートを取ることすら批判するの?」と思いました。
一方で、これに対する 日吉亨 教育長 の答弁はごく真っ当なものでした。
===答弁==
今回の勧告では、「中学生も含めた県民全体の意識調査を行うなどの積極的、主体的な取組が必要である」と指摘されています。
こうした指摘も踏まえ、様々な意見を丁寧に伺うため、高校教育の直接の当事者である生徒やその保護者、これから高校生となる中学生とその保護者に対して、アンケートを実施したものです。
また、別学校関係者や共学化推進の団体から、希望に応じ意見聴取を行うとともに、要望書等を受領しております。
県教育委員会といたしましては、今回の勧告に対する報告に向け、これらも参考にしつつ、責任をもって法令や事例を通して、判断してまいります。
========
確かに、そのとおりだと思います。
私が他県を調査した際、このようなアンケートが十分行われずに政策判断された、という話もありました。しかし、埼玉県の場合は、ネット社会が進んだこともあり、多くの声を集めることができました。
私が他県を調査した際、このようなアンケートが十分行われずに政策判断された、という話もありました。しかし、埼玉県の場合は、ネット社会が進んだこともあり、多くの声を集めることができました。
その点において「取り方」は、十分に行なわれた、という認識でおります。
続いて、「報じ方」です。
これは、先日の「県議会議員アンケート 大半が共学化反対」の事例でも分かるように、どこの事実に注目するか?で、報じられ方・切り取られ方が変わってきます。
例えば、県議会議員アンケートは、確かに回答した人の多くは「共学化反対」だけど、答えていない議員が50人近くいるので、事実で言うと「反対派」より「未回答」が一番多いことになります。
…余談ですが、さっきの田村代表の代表質問には、「社会の同調圧力によって声を上げない方、上げられない方がいます。」という一文がありました。
自民党議員団の会派内でどういう流れで「回答しない」ことになったかは私は知る由はありませんが、代表質問でこのようなことを述べるのなら、せめて会派の議員がアンケートに答える自由はあるべきだと思います。
さて、話は戻りますが、今回も報道では、様々な見出しが躍りました。
●NHK
高校生は「反対」の意見が最も多くなった一方、中学生は「どちらでもよい」が最多で、捉え方に違いが出る結果となりました。
●東京新聞
埼玉県立高共学化アンケート 中学生5割超「どちらでもよい」
●朝日新聞
埼玉の別学校共学化アンケート 中学生は賛否拮抗、高校生は別学支持
etcetc
と報道機関により、異なります。
◆以下、参考
この「報じ方」は、私たちがどうこう出来るものでもないので、むしろ、報道各社の論調を知る参考になる、ものだと思っております。
最後に、一番大切なのは、埼玉県教育委員会の「分析の仕方」です。
ここでは、皆さんにも見ていただけるように、おおもとの県教委HPを紹介します。
もちろん、このアンケートが全てではなく、これまでも各校に赴いての意見交換や様々な機会を捉えての情報収集が行われています。
この先も、結論を出すまでに、県教委に届く意見もあると思います。
それらを、先ほど紹介した教育長の答弁の通り、“責任をもって法令や事例を通して、判断して”いってほしいと思います。
それでは、次回シリーズ⑦も「情報収集」に関して、お話しできればと思います。
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