井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2024.12.16
前回(シリーズ≪23≫)に引き続き「県民生活部」関連のうち、例の『男女共同参画苦情処理委員』関連の質疑を紹介したいと思います。
****ここから****
<井上質疑>
勧告は令和5年8月30日に出されたが、苦情処理委員として、「この結論(=県下の別学は全校共学化せよ!)で行こう」と、結論を出したのはいつか伺う。
<人権・男女共同参画課長>
委員間で最終的な結論を出したという意味では、昨年度(令和5年)の7月ということになります。
<井上質疑>
県の男女共同参画に関するホームページを拝見すると、「男女共同参画に関する苦情とは」というページがある。
そこに、Q&Aがあり、そこには「全ての申出が調査されますか?」という質問例があります。
その中に、
「A,次の申出などはこの制度で調査することはできません」という例示があり、次のように書いてあります。
『人権を侵害された旨の申出が、当該申出に関わる人権侵害のあった日から1年を経過した日以降にされたとき』
とあります。
今回の共学化を巡る報道によると、申立人は「いつ人権侵害があったか?」という問いについて、「女子差別撤廃条約に日本が批准した日」というふうに申し出ています。
それは1985年です。
これは先ほどの「調査を行わない事例(=1年以上経過した場合)」というのに当てはまるのではないかと思いますが、調査を行った判断の是非について伺う。
<人権・男女共同参画課長>
要件に該当しないものに当たるのではないかというご指摘ですが、この苦情申出制度については、条例で大きく2点、申出ができることになっている。
1点は県の施策
2点目が人権侵害事案
「1年経過していると受け付けられない」というのは人権侵害の事例の場合であり、この共学、別学については県の施策についての案件ということになるため、要件には該当せず、遡って調査するということが可能である。
****ここまで****
さて、私は投稿の前半で書きましたが、申立人は「いつから差別されてたの?」という問いに対して、「1985年から」と答えています。
この申立人を「男子校に入りたくても入れない当事者」だと市民団体は言っていますが、仮に当事者(=受験を迎えた年齢)だとして、「1985年から差別されていました!」ってなります?
その「進路選択を目の前にして、女性であるあなたは男子校には入れませんよ…と言われた年」なら、まだ遡る意味も分かります。
しかし、「1985年から差別されている」という主張を苦情委員が受け止め、調査し、その結果、「県内全ての別学は共学化すべき!」という結論を出すのは、どうみてもおかしいと思います!
しかも、令和4年4月14日に受付して、実質1年3か月後、わずかな調査で令和5年7月に結論とスピード判決。。。
この制度は絶対に問題があるし、その問題がある制度の中で出された結論は、どう考えても再考の余地があると思っております。
以上で、シリーズ⑲から始めて今回の≪24≫までが
「決算特別委員会の質疑で分かった事実」編
となります。
次のシリーズ≪25≫では、9月定例会での「こども・若者条例」の審査の一コマを紹介したいと思います。
2024.12.16
今日からは11月5日(火)に行われた「県民生活部」関連のうち、例の『男女共同参画苦情処理委員』関連の質疑を紹介したいと思います。
****ここから****
<井上質疑>
行政報告書の155ページ、「(5)男女共同参画の推進」から伺う。
「県民からの苦情申し出」について、令和5年度は3件の申し出があり、苦情処理委員が令和4年度からの継続分を含め4件対応してきたとある。
令和4年度の継続分というのが、例の県立学校の共学化をめぐる議論であり、それについては令和5年8月に勧告が行われました。
(教育局でも聞いたが)この勧告を行うまでに
・どのような調査が行われ
・要した人件費、委員報酬、旅費など、費用総額は幾らか
伺います。
<人権・男女共同参画課長>
どのような調査をしたかについては、苦情処理委員が検討して、学校の管理職の数ですとか、あるいは学校の方針、また、他県の状況などヒアリング等を行っております。
その上で要した費用の関係ですが、人件費については専属の担当職員がいるというわけではなく、ほかの業務の一部として行っているで取り出して算出するということはできません。
苦情処理委員の事業予算として措置されているものについて、どれぐらいかかったかというと、委員も先ほどお話ししたとおり4年度5年度ちょっとまたがっておりますので、ざっくりとですが、
○まず苦情処理委員と、それを補助する専門員が居るので、その報酬の支払いとして、約140万円かかっております。
○また、会議等するときに会議室を借りる場合もありますので、その費用が約5万円。
○そのほか委員の方に来ていただく旅費に相当する費用弁償というものが、あと当日のお茶などの費用合わせて約6万円ということで、総額約151万円となっております。
****ここまで****
費用の大小が意思決定の大小に比例する訳ではありませんが、
私としては、「151万円の費用(⇒ほとんどが委員報酬)しか充当されてない苦情処理委員会が、わずかな調査で、未来のこどもたちの選択肢を奪うな!」
と強く言いたいです。
次回に続きます。
2024.12.12
引き続き、教育局とのやり取りを紹介します。
****ここから****
<井上質疑>
県教育委員会は令和5年度、多くのコストをかけ調査検討を行ってきた。
その調査検討を行うきっかけとなった、苦情処理委員へ申告した人物は(共学ネット・さいたまという団体が言うには)学校に入る女性個人、教育を受ける当事者による申請だったということ。
(※市民グループの発行した通信には次のように書いてある。
『今回の申請は、教育を受ける当事者による入学拒否への苦情。2002年のときはそうじゃなかった。今回は学校に入る女性個人、教育を受ける当事者による申請である』 )
教育委員会は、この認識で、勧告後の「共学化すべきか否」かの調査・検討を行ってきたのか。
<県立学校人事課長 答弁>
●措置報告書を作成するに当たり、苦情申出者が当事者による申請であるかどうかは把握しておりません。
●また、当事者の把握についての調査・検討は行っておりません。
<井上 再質問>
県教委は就学を希望する人かどうかを問題とせず、ここまでやってきたということでよろしいのですか。
苦情処理委員から出された勧告には、申出人が誰であるかはもちろん書かれてない。
ただ、この1年間をかけてやってきたその議論が、本当に当事者か否かを、確認もすることなくこの議論を進めてきたということでよろしいか。
<県立学校人事課長 再答弁>
●報告書の作成については、当事者の把握は必要ございませんでした。
●措置報告書は、勧告の内容に基づき作成をしています。
<井上 再々質問>
市民団体の通信に書いてある内容(=今回の申出は、教育を受ける当事者から出されたもの)は「事実である」と教育委員会は受け止めている、ということか。最後にこれだけ確認します。
<教育長による再々答弁>
※これまでの県立学校人事課長ではなく、教育長が手を挙げ答弁。
●課長のほうからもありましたが、繰り返しになりますけれども、教育委員会では、今回の申請者についての具体的な情報は把握しておりません。
●一方、教育委員会としては常に、県民から信頼されるべく、教育環境の構築に努めているところである。
●今回のような勧告を頂いた場合には、その内容が教育に関する問題であれば、それは真摯に、誠実な対応をしていくということが重要と考えており、今回もそのように対応したところである。
****ここまで****
まず、教育局を擁護するつもりはありませんが、苦情処理委員に届いた申出人の個別情報や内容(=誰が申し出たか?)が、教育局に漏れ伝わっていない点においては、正しいのです。
…正しいには正しいのですが、「それでいいのか!!」というのが、私の本音です。
「当事者からの声か?」
それとも
「全然関係ない人の声か」すら分からない申出に、教育委員会が左右されるだけの力があるのが問題です。
この男女共同参画苦情処理委員の仕組みそのものに問題があります。
決算では、その仕組みを変える提言は議論の範疇を越えますが、「このままでいけない」と思っています。
また、先ほども触れましたが、市民団体の発行する『通信』には
「今回の申請は、教育を受ける当事者による入学拒否への苦情である。2002年のときはそうじゃなかった。今回は学校に入る女性個人、教育を受ける当事者による申請である」
と書いてありました。
私にはこの情報の正否は判断のしようがないのですが、この記載が事実だとして普通に読めば、申入者は女子中学生かつ3年生ぐらいが申立人ということに読めると思います。
ただ、個人的な意見として、情報公開請求や、マスコミ報道で目にすることのある殴り書きのような手書きの申立書(画像参照)や、「女子差別撤廃条約違反だ」という理由を持ち出してきている点を見て、本当に“当事者”なのか?と、疑問に思い、確証を持てない状況です。
だからこそ、本来なら、こんな誰からの声かも分からない閉鎖性の高いルートで議論が進むのではなく、もっとオープンに、もっと多角的な情報や県民の声がしっかりと活かされた議論がされるべきです。
これからも議論は続きますので、教育局にはこのことを肝に銘じてほしいと思っております。
2024.12.12
引き続き、教育局とのやり取りを紹介します。
****ここから****
<井上質疑>
続いて要望書の受取についてです。
こちらも、教育委員会のホームページから、どういう団体から、いつ受け取ったかというのが分かるようになっています。
令和5年度においては、4団体から5回受け取っています。これはいずれも教育長が対応したものでしょうか。
団体によって対応者が異なると公平性を欠くような気がいたしますので、どうだったのか確認をいたします。
<県立学校人事課長 答弁>
●令和6年3月15日に共学ネット・さいたまの意見書の受領に教育長が対応しています。(それ以外は他の職員が対応)
●要望書などの受領については、提出を要望される方と職員の予定を合わせ考えて、要望される方と協議の上で設定した。
<井上 再質問>
御答弁ありがとうございました。
申出書に関しては、教育長が御対応されたのは1件だったということだったと思いますが、それ以外は教育長への提出を希望してなかった、もしくは、予定が合わなかったということでよろしいですか。
その点を確認させてください。
<県立学校人事課長 答弁>
要望書などの受領については、要望される方と、職員の予定を合わせ考えて、要望される方と協議をした上で設定させていただいたものになります。
****ここまで****
昨日の「団体との意見交換」でもそうでしたが(他の団体は1回のみの意見交換が、推進派団体とは3回も会っている。)、要望書の受け取りでも、この共学推進派の団体だけが教育長自ら対応する、といった特別扱いがされているんです。
アンケートなどでは、別学維持派が多い中で、この特定の共学推進派だけ特別扱い…となると不公平感を感じるのが、普通の感覚だと思います。
教育に関わる部署だからこそ公平な姿勢でいるべきです。
また、逆に、この答弁から言えることは、今後別学を求める要望などを出すときは、日程調整でなかなか日が合わなくても、教育長に会えるタイミングを諦めることなく交渉をし続けることで、直に声を届けられる、可能性が広がるとも取れます。
議員が決算特別委員会で質疑をすることで、こうした事実を明らかにすることができます。
私は質疑を通して、教育長・教育局には、今後の公平な対応を指摘したつもりですので、このことをよく踏まえてもらいたいと思います。
2024.12.11
前回からスタートした決算特別委員会の質疑のご紹介。
引き続き、教育局とのやり取りを紹介します。
***ここから***
<井上質問>
続いて、共学化に関する回答について、措置報告書というのが教育委員会から出されております。
男女別学校の特徴などに対して意見を聴取した、その団体名及び実施日は報告書の10ページにあります。
令和5年度には、合計17回が行われました。このうち、共学推進派の団体と17件のうち3回意見聴取を実施しています。ほかの学校はそれぞれ1回ずつです。
なぜ同一団体と3回も会う必要があったのか、多大な費用をかけたその調査が公平であったかという視点でお伺いします。
<県立学校人事課長 答弁>
●なぜ同一の団体で3回も会う必要があったのか、について答弁します。
●県教育委員会に意見を伝えたいという意向を示した団体については、全て公平に意向をされた回数、意見を伺ったところ、複数回意見聴取を行ったところがございます。
***ここまで***
これを言い換えると、「希望した所には希望するだけ会った」ということでしょう。
これが本当に公平だったかは、私は疑問です。
各学校やOB会は、色々言いたいことがありながらも、他の学校の意見も聞いてほしいと複数回の面談より、まずは他校の声も幅広く聞いてほしい、と考えたと思います。
そんなことは関係ない少数の共学推進派は何度も申し込んでいた、というだけのことです。
過去は変えられませんが、これから先は、一部の団体だけ複数会うようなことがないように教育委員会には公平な対応を願っております。
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