井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2025.01.08
県議会では、昨日「県議会と知事の新年顔合わせ会」が開催されました。
私にとっての本年初登庁となりました。
さて、新年1月1日には、テレビ埼玉にて埼玉県議会広報テレビ番組「こんにちは県議会です」の「新春インタビュー」が放送されました。
その内容を書き起こしたので、ご紹介できればと思います。(写真は収録後のオフショットです。)
◇◇◇◇◇◇◇◇
【冒頭】
<司会>
続いて、無所属県民会議の井上 航(いのうえ わたる)代表です。
<井上>
皆さま、新年あけましておめでとうございます。無所属県民会議の井上航です。今年もよろしくお願いいたします。
【昨年を振り返って】
<司会>
まず、昨年を振り返っての感想をお聞かせください。
<井上>
わが会派では「県民会議」の名の通り、現場に赴き、県民の声を聞き、そして議論を重ねることを心掛けています。今任期がスタートしてから1年9か月、県外の先進地視察と県内の現地確認視察を行い、合わせて34の現場に足を運びました。フットワークの軽さはどの会派にも負けないと自負しています。そして視察で得た知見を踏まえて議会での提案につなげています。
<司会>
具体的な成果に繋がった事例はありますか。
<井上>
例えば、決算特別委員会では「埼玉県こども動物自然公園」への会派視察をもとに質問を行いました。人気のフラミンゴコーナーは、より魅力的な展示に改修するため、基本設計を行いながらも実際の工事に進んでいないことが視察で分かりました。委員会審査の結果、工事に向けた前向きな検討が期待できそうです。その他にも、障害者向けの保養施設「伊豆潮風館」の空調設備の老朽化についても視察を踏まえて提言を行い、改善が期待されます。
<司会>
年末に放送された「主要会派代表者討論会」でも視察を踏まえたお話をされていましたね。
<井上>
はい。「危機管理の対応」に関するテーマの中で、いずれも先進的な取組である「福祉こども避難所」や「永久循環型トイレ」について、会派視察の成果を踏まえて提案しました。テレビ討論会は、私も初めての経験でしたが、自身の体験や視察で得た生の声を踏まえて具体的な政策を発言するよう心掛けました。
【今年の抱負】
<司会>
それでは最後に年頭にあたっての抱負をお聞かせください。
<井上>
昨年の衆議院選挙を通して、今、より多くの方が政党ではなく政策で政治家を選ぶ、という視点を持っていると思います。私たちは政党に属さない無所属議員だからこそ、特定の分野・業界に偏ることなく県民にとって真に必要な施策を打ち出すことができます。皆さまの負託に応えるため、本年も県民目線の政治を実現してまいります。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
2025.01.08
2024.12.31
この投稿は今年最後の投稿で書いています。
さて、埼玉県議会の12月定例会の最終日(12月20日)、自民党県議団などがインボイス(適格請求書)制度の廃止を求める意見書案を提出し、賛成多数で可決されました。
「おっ!地方から国への反対の狼煙か?」
「留守番禁止条例の汚名挽回になるか?」
「やるな、埼玉県議会の自民党!」
といった声があがっていました。
でも、是非、それらの評価は、これから語ることを読んでからにしてほしいと思います。
◆インボイス制度を巡る自民党議員団の変節
〇まず、先に申し上げたいのは埼玉県議会では、これまでもインボイス制度に対して反対の声を上げてほしい、という声は寄せられてきました。
〇具体的には、令和4年6月定例会 及び 令和5年9月定例会の2度にわたり、国にインボイス制度導入中止を求める意見書を提出してほしいとの『請願』が出されましたが、これに対して自民党は「不採択」の立場でした。
〇自民党議員団は過半数を有しているため、他が「採択すべき」と主張しても、自民党の採決態度がそのまま結果となります。
〇また、過去に、令和4年2月定例会 及び 令和4年6月定例会の2回に渡って、共産党が「インボイス実施中止を求める意見書」の提出を提案しましたが、自民はこれには乗らず、提出を見送っています。
※埼玉県議会では、各会派が出したい意見書を議会運営委員会に持ち寄ります。その後、超党派で提出できるかどうかの調整を議運の副委員長が水面下で行う、という流れです。
※※そのため、過半数を有する自民党が〇といえば提出となり、×といえば、提案見送りとなる。結果として、自民党以外の会派が提出を目指した意見書が通ることは、ほとんどない。
〇インボイス制度関連の意見書が通ったこともあります。
〇令和4年9月定例会 及び 令和5年6月定例会の2回に渡り、部分緩和(例:シルバー人材センターや農業者に免除規定を設けてほしい・もっと国の支援措置を充実させてほしい等)を求める内容について可決・成立しています。
〇ただ、いずれも「インボイス制度自体は推進」することが前提の内容でした。
〇その上で今回の意見書です。制度開始から1年。今は、3年間の経過措置期間中です。それにも関わらず180度異なる立場へ舵を切ったのが、今回の意見書です。
〇意見書の中に挙げられた「経理事務などが小規模事業者に過大な負担となっていること」現状は、制度導入前からから指摘されていた内容であり、このタイミングでの変節は、過去と議決行動との整合性は取れていない、と考えるのが通常の感覚だと思います。
◆小規模事業者等から聞こえる様々な声
〇一方で、小規模事業者の皆さまからは、制度導入前には不安や心配の声が寄せられています。一方で、導入後は安定的に制度運用されているという声も届いています。
〇案文では、「エネルギー価格や原材料費の高騰の長期化」や「人材不足の深刻化」を経営状況が厳しい要因として上げながらも、「今やインボイス制度そのものを廃止することが最良の策であると言わざるを得ない」と、インボイス制度の廃止こそが最善策と断定した表現(書きぶり)をしています。
〇その点について事業者からは「インボイス制度の廃止以上にガソリン補助金縮小のほうが経営圧迫に直結する」といった声も聞いています。
◆今定例会の請願の継続審査
〇その上で、今回、私が最も問題視しているのは、12月定例会には、請願第7号として、「国にインボイス制度廃止の意見書」提出を求める請願が出されていた点です。
〇その請願を一切審査しないで「継続審査」としておきながら、同趣旨の意見書を出す、というプロセスに、私は賛同できません。
〇委員会で各会派から発言・審査した結果、「やっぱりもう少し慎重に調査しよう。そのために継続審査が必要だ」っていうなら分かります。でも、一言も審査せず、いきなりの継続審査の動議でした。
〇この請願を審査する「総務県民生活常任委員会」では、継続審査の動議を申し出る際の理由が「今議会においてインボイス廃止も含めた検討を求める意見書を提出するべく団内での計画予定となっております。」との発言でした。
〇これは、あくまでも自民党議員団の都合です。
〇請願は、県民の声を議員が紹介議員となり代わりに議会で発言するものです。
〇請願を継続審査にして、今定例会中に自分たちが意見書を出せば、過半数を有している以上、自分たちが意見書の言い出しっぺ(=発案者)になることができます。
〇そうすれば、「共産党の提案に乗った」…のではなく、「自民党主導で意見書成立」という評価を得ることが出来ます。事実、マスコミ報道では、この経緯や過去の採決との矛盾は報じられず、今回の可決だけが報じられて、一躍、経済的に苦しい中小企業の味方…いう評価になるのです。
〇ただ、多くのメディアが表面的な部分だけを報じる中で、きちんと報じてくれた新聞社もあるので、それを写真で共有できればと思います。
〇ここまでを総括すると、請願の内容を審査した上での継続ではなく、審査を行わずに継続審査として同趣旨の意見書を出すことは、仮に請願者の意に沿う意見書が出てくるのだとしても、議会として請願を軽んじるような行動は自重すべき行動だと考えております。
〇今回の件で言えば、本当に小規模事業者の声を聞き、議会として、国に声を上げるべき、と考えれば、メンツや手柄のことは横において、堂々と請願に賛成すればよかったのです。
◆制度開始から1年。全国の地方議会で「
廃止」の請願・意見書が成立した事例はない
〇私が調べた限り、制度導入後、都道府県議会において「制度廃止」を求める請願や意見書が成立した事例はないと認識しています。
〇複数税率導入を背景に導入が進められたインボイス制度を、複数税率が維持された中で廃止することは、その制度設立の趣旨を否定することにもなることから慎重になるべきだというのが、私の意見です。
〇そのため、消費税減税(軽減税率を採用せず、一律5%に下げ揃える)とセットの請願には、私たちの会派も賛成してきた経緯がありますが、ただただインボイス反対、という今回の意見書には賛成すべきではない、と考えました。
〇もちろん、我が会派内でも双方の意見がありました。今回は会派でより多数となった行動を取ったことをご報告します。
結びに。
◎冒頭で「#埼玉共学化反対 の方にも読んでほしい!」と書いたのは、今回の件でも分かるように、自民党議員団はその多数をもって、自分たちの主張を通すためには、「過去との整合性」や「通常の議会運営の感覚」といった“常識”を飛び越えた動きをする、ということです。
◎私自身の考えや採決行動は、残念ながら県議会の中では少数派となります。それを例年以上に痛感した1年でもありました。
◎それでも、「論理的に」「正論を」「県民のため」に続けることが大切だと信じています。
◎昨日、今年のレコード大賞を受賞したMrs. GREEN APPLEの「ライラック」の歌詞に次のようなフレーズがあります。
♬「感じたことのないクソみたいな敗北感も どれもこれもが僕を突き動かしている」♪
これが、私の想いとも重なります。
◎来るべき令和7年も、皆さまの声に応えられるような活動を行なっていきたいと思います。
◎皆さまもよい新年をお迎えください。
令和6年12月31日
埼玉県議会議員 井上 航
2024.12.26
2024.12.21
昨日(12/20・金)、12月定例会が終わりました。
決算特別委員会を務めていた今年は、9月定例会と12月定例会の間の10月・11月もずっと決特で議会に詰めていたので、まるで4か月ぶっ続けで議会をやっていた感覚です。
さて、今日は 共学化問題 の続報です。
共学化方針に反対する有志の方が、
【12月26日(木)13:30~冬の共学化反対ウォーキング@県庁→浦和駅】
を開催する、という話をお聞きしたので、その前に書いておきたい話がひとつ残っています。それをご紹介します。
ひとつ前の定例会となる9月定例会において、『埼玉県こども・若者基本条例』が自民党県議団から提案されました。
その条例は、私が所属する「福祉保健医療委員会」に付託され、審査を行いました。
私もこの条例の制定は、2年前の選挙公約にも上げていました。
なので、先行事例についても研究していましたし、基本的には賛成の立場ですが、条例文のとりまとめ作業は他会派が担っていたので、その提案に対して、本会議と委員会審査の双方で深いところまで詳細に質問しました。
一番肝心だと考えていたのは、「県民への過度な価値観の押し付けはしない」ということでしたが、その点は問題がないと確認ができたため、わが会派も賛成しました。
その中で、共学化を巡る問題に関心がある方には是非、見ておいてほしいやり取りがあります。
それが、この下の ***ここから*** から ****ここまで*** の
間の部分です。以下となります。
****ここから***
(井上質問)
Q、第3条 基本理念 第2項に「こども・若者の意見が尊重されるとともに、その最善の利益が優先して考慮される社会が構築されること」とある。
例えば、一つのテーマがあって大人を中心とした意見がある。でも一方で、こどもたちを中心とした意見がある。こういった場合、よりこどもたちの意見が尊重、反映される社会(=埼玉県)を目指すという考えであると受け取るのが自然だが、その理解でよいか。
(提案者代表 藤井議員 答弁)
A、 こどもの意見をしっかりと丁寧に聞くことはもちろん大切だと思うけれども、 最善の利益を鑑みたときに、それぞれ状況があると思うが、必ずしも、こども・若者の意見と一致した結論にならないケースもあるということは我々としては認識をしている。
ただし、一致しないような状況になったとしても、それはどのようにその最善の利益が検討されたのか検証されたのか丁寧に説明していくことが、やっぱり大切なのかなというふうに認識をしているところである。
(井上再質問)
Q、「第3条 基本理念 第2項」には、こども・若者の意見が尊重されるとともに、最善の利益が優先して考慮される社会が構築されることと期待する規定がされている。
提案者は「最善の利益には、これがこどもの意見イコールそうならないケースもある」とを仰っていたが、少なくともここで、こどもの意見が尊重されるということを明記しているということは、こどもの意見を聞くということはやはり必要だという考えでよいか。
提案者は「聞かずに決めるっていうのはよくない、聞いて決めよう」という姿勢はこの条例でしっかり謳われている、という認識でよろしいのか確認する。
(提案者代表 藤井議員 再答弁)
再答弁 意見聴取は大変重要だということで認識している。それから、やさしい社会の中で、ファーストトラックの取組について例示を頂き、批判も多いという御指摘もあったが、様々 な施策を進めていくに当たって、こどもにやさしい社会、これを全体で作っていく必要から、各施策の推進に当たっては、先ほど12条の話もしたけれども、やはり、多様な声をしっかり受けとめながら進めていくことが大切だと考えている。
****ここまで****
察しの言い方は、私がここで何を確認したのか、お気づきかと思います。
要するに、上記答弁と、令和6年2月定例会における田村議員の代表質問時の発言(=生徒や程者を対象にアンケートを行なったことを猛烈に批判する。※写真参考)が、いかに「矛盾」しているか(=「齟齬」があるか)について、しっかりと指摘しておきたかったのです。
なぜなら、自民党議員団は、令和5年12月~令和6年5月の間、埼玉県こども・若者基本条例(骨子案)作成のため、こども・若者関係団体、有識者、こども・若者から意見を伺いながら、条例(骨子案)を作成した、と語っています。
前述の代表質問は、令和6年2月27日(火曜日)に行われており、まさに「こども・若者条例」の制定の真っただ中だったワケです。
この「こども・若者条例」の 第3条 基本理念 第2項に「こども・若者の意見が尊重されるとともに、その最善の利益が優先して考慮される社会が構築されること」を盛り込んだのは、他でもない自民党議員団です。
「こども若者条例」で意見聴取の重要性を謳う一方で、自民党議員団の団長自らが「教育委員会による意見聴取を批判する」という矛盾を生んでいます。
確かにその時点では条例は検討段階でしたが、
今は既に施行されています。
この条例のおかげで、今後行政は、県民の声を無視したような発言・態度が出来ないと解釈されるべきで、その条例を可決させた議会も同じくです。
特に言い出しっぺ(=条例提案者の自民党)なら尚更です。
条例をつくっておきながら、子どもや若者の声を尊重しない・・・。
そんな場面が発生することがあってはならないと思っております。
そうした事態が生じてないか?
是非、県民の皆さまには厳しい目でチェックをお願いしたいと思います。
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