井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2025.08.16
県議会議事堂のエレベーターには、昨年くらいからだったからだと思いますが、今までは印刷物としてもらっていた「埼玉県議会図書館だより」をラミネートとして貼り出しています。



この取組のおかげで、私個人としては、図書館を利用する頻度が増えました。


こちらの写真は「令和7年6月号」の写真です。

その中に気になる本が…


『教育にひそむジェンダー(著:中野円佳)』です。






私は県立高校の共学化問題を考えるにあたり、可能な限り資料や本も読むようにしています。この本もその一つでした。


…ただ読んでいくと、例えば「女の子はお人形遊びを選ばされている。ピンクを選ばされている・・・」といった人生全般を通したジェンダーの話で、共学・別学の話はほんの一部でした。


そんな訳で、こちらの著書では、共学化議論にあたっては、あまり新たな発見・視点はなかったのですが、それと異なり、非常に参考になった著書がありました。


それが、『なぜ男女別学は子どもを伸ばすのか(著:中井俊巳)』です。


詳しくはこのあと、お知らせします。





2025.08.14
そして最後の【意見交換会での発言その❸】についてです。





<新聞報道でどう報じられたか>

「男女一緒に過ごすほうが男女の区別を意識せずに、自分の個性や能力に合った人生を歩める」


<県教委の発言の真意>

県教委としては
「自分の個性や能力に合った人生を歩みたいと思うならば、男女一緒の環境で過ごすほうが、男女の垣根を越えて協力し合うことになり、その目的(=自分の個性や能力に合った人生を歩む)実現に繋がるではないか?」

というニュアンスの発言だった


<井上の感想>

・報道では「男女一緒に過ごす」という『行動』が「自分の個性や能力に合った人生を歩む」という『結果』に繋がると読める。

・一方、県教委の真意は「自分の個性や能力に合った人生を歩むという『目的』を果たしたくば「男女一緒に過ごす」という『行動』をせよ、である

…結論から言うと、私は「報道」にも「県教委の真意」にも、どっちにも共感できないんですよね。

「男女一緒のほうが自分の能力に合った人生を歩める」と決まっているワケはないし、逆に県教委の真意のほうは「良い人生を歩みたければ共学に行け」みたいにも聞こえます。。。

確かに、男女ともにいる環境に居たほうが個性を伸ばせる人もいるでしょう。
一方、別学出身者には、多くの各界で活躍された方が居ます。


その方々はむしろ、

「異性が居ない別学という環境での3年間があったからこそ、自分の個性や能力が伸ばせた方なのではないか」

と思っています。


だからこそ、別学を求める生徒がいて、県として定員と入学希望者のバランスが取れている間は、両方(共学と別学)があることを県の強みとすべきです。


最後に。

私が先日行なったヒアリングの場において、県教委は意見交換会のスタンスとして、
「あくまでも県教委の考えを、質問に答える形で述べているので、考えを参加者に押し付けるのではなく、県教委の立場を述べているに過ぎない」
と言っていました。

その点は評価できると思います。

その上で、意見交換会に参加する予定の皆さまへ。


残り2回の意見交換会で、県が根本的に共学化のスタンスを変えることはまずはありません。

論破しようと思っても、ここまで紹介した❶~❸みたいに、納得のいかない回答が出てくるだけだと思います。


それならば、参加者で別学存続を願う方は「別学を受験した理由、入ってよかった点」などをどんどん伝えていってください


結果として、県教委がうまく説明しようとすればするほど「男女共同参画の視点で共学化を推進する」ことのロジックがいかに強引か、自ら示すことになりますから。





2025.08.14
続いて、【発言その②】です。




<新聞報道>

「男女を分けて教育することに積極的な意味を持ち合わせていない」


<発言の真意>

「県教委としては一人一人の個性によって学習内容や行事内容等を分ける必要は感じている。それが出来れば男女で分けて教育することに積極的な意味を持ち合わせてない」


<井上の感想>

・究極の教育の理想論として「個別最適化」を掲げることは否定しない。

・しかし新聞社によって(新聞社の主張に合わよう)切り抜かれた部分もあろうかと思うが、『別学を維持する積極的な意味を持ち合わせていない』と読み取れてしまうこの発言は、やはり不適切。

なぜなら

① 今も議論は続いている
② 昨年は県教委が「別学にもニーズがあると分かった」と述べている
③ 何よりも、今、まさに別学に通う生徒がいる

これらを考えれば「男女を分ける積極的な意味を持ち合わせていない」という言い回しは出ないはずです


特に県教委は以前「シェルター(=異性が苦手な生徒でも通いやすい環境)の必要性は理解している」と発言しています。


(先日のヒアリングでも「過去の発言を変節していない」と言っています。)


私からは「これらの視点を大事にして今後の意見交換会を進めるよう要請しました。





2025.08.14
先日来行われている「学生と県教委の意見交換会」における県教委の象徴的な3つの発言について、以下の視点で見ていきたいと思います。







<新聞報道でどう報じられたか>

<意見交換会での発言の真意>

<それを踏まえての井上の感想>(=県教委には私の個人的な意見として、話しました。)


を順次述べてまいります。


今日取り上げるのは、

『(男女が)同じ場所で、同じ人から、同じ時間に学ぶことが重要だ』





という発言についてです。


これは、整理するとこうなります。


<新聞報道での報じられた方>

「(男女が)同じ場所で、同じ人から、同じ時間に学ぶことが重要」


<意見交換会での発言の真意>

(例えば男子は理系、女子は理系のように)男女で違う内容(カリキュラム)を教えるよりも男女が同じ内容を学ぶことが重要」


<井上の感想>(←県教委に指摘した内容)

・「真意」の内容ならば多少理解できるが、報道に載った発言ではそうは受け取れない。完全に誤解を生む表現である。


・それに「男女が同じ場所・教師・時間で学ぶ」のが理想なら、県下の高校生16万人全員を一堂に集めるって話になる。無理がある。

・それを言ったら共学で今ある「女子だけのクラス」も理想と違うことにもなる。あまりに現実が見えていない。参加した生徒が納得できる回答ではない。

・それにこのロジックならば、体育(プールも含む)や行事も、男女全く場所で、同じ内容を実施することが理想、となってしまう。

・それは男女平等や共同参画ではなく、むしろ男子にとっても女子にとっても配慮が不足した状態である。



…以上が『男女が、同じ内容、時間、場所』発言に対する「県教委の真意」とそれに対する「私の意見」です。


残りの2つの『発言』についても、のちほど、説明します。







2025.08.08
全5回開催予定で、現在、「共学化に関する意見交換会」が開催されています。

今のところ、中学生・高校生との対話を、県の東部、西部、南部の3回が実施され、あとは北部で1回、そして、保護者や地域の方向けの1回を残す形となりました。


さて、そのうち、3回目の南部地域の意見交換会の様子を報じる埼玉新聞の紙面のタイトルは

『埼玉県立高校の共学化に賛否 (埼玉新聞)』

でした。




……この「賛否」とか「賛否両論」って言葉、使い方によってはミスリードも可能な言葉だなぁ、と考えさせられました。


私が、この意見交換会の進め方などにヒアリングを行なったのですが、それが7月30日なので、その時点では東部地区と西部地区の様子を聞いたワケだが、参加者の多くは「共学化反対(=別学維持)」の意見だったといいます。


南部地区もそれに近いと考えますが「賛否あり」と記すと、あたかも拮抗したみたいに聞こえます。


「賛否」や「賛否両論」という言葉の意味を調べると

―賛成と反対の両方の意見があること
―特に、賛成論と反対論とで優劣のつかない状態についていう

とあります。


(賛成の声もあるので言葉として間違っていないが)メディアはあえて、この表現を使ったのだな、と私は推察しています。


今回の意見交換会は、共学化反対の人だけを集めた訳ではなく、賛成の人にも参加募集のための門戸が開かれていたワケです。


そのため、どんな意見がどれだけ出たか(賛否の割合)は、県教委はしっかりと受け止めてほしい、受け止めるべき、と思っています。


残り2回のうち、最後の「保護者・県内在住者」の回は定員に達していますが、
北部=熊谷文化創造館さくらめいと


での「中学生の部」「高校生の部」はまだ追加募集をしています。



各会場開催日の3日前までの応募で参加可能ですので、直に声を届けたいという、中学生・高校生は検討してみてください。



詳しくは

そして、埼玉新聞以外の記事も、チェックをすると、写真のような表現が記事内に見受けられました。






少なくとも昨年までの議論と、今回の『中高生との意見交換会』の間に、ここまで発言のトーンを変える出来事・判断があった、と議会に報告されていません。


昨年夏、教育長は「共学、別学には多様なニーズがあるということがわかった」と発言してます。


先ほど触れたヒアリングも、この点を確認するために行ないました。


教育委員会としても、やや「切り抜かれたかな」「もっと前後の文脈全体が記事になれば…」という想いはあるようでした。(詳細は改めて綴ります。)


ひとつ分かったことは、マスコミの共学化に対するスタンスによって「県教委の発言のどの部分を強調して記事を書いたか」が異なるということです。


実際の意見交換自体は、報道の文字で読むよりは、県教委も柔らかく対応しているようです。


参加者もアンケートで「よく話を聞いてもらえた」と答える方が多いそうです。


しかし、いくら参加者のアンケートで『よく話を聞いてくれた』という声が多くとも大切なのは、聞くこと自体ではなく「その声を反映する」ことです。


『こども・若者条例』の肝である第12条でも

第12条(こども・若者等からの意見聴取及び意見反映)

とあり、「聴取」「反映」としています。



このような記事内容・表現を見たら、別学維持を願う人は、誰も「怒り」や「諦め」に近い感情になると思いますが、それはきっと、誰かの思う壺です。


県教委は残りの意見交換会も「主体的に共学化を推進」するという立場は変えませんが、だからこそ別学の意義を伝え続けましょう!


この意見交換会の議事録を公表するのは、全部の回が終わってからになるだろう、という見通しを県教委は話していました。



今回の意見交換会は、共学化反対の人だけを集めた訳ではなく、賛成の人にも参加募集のための門戸が開かれていました。


そのため、どんな意見がどれだけ出たかは、県教委はしっかりと受け止めてほしい、受け止めるべき、と思っています!





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