井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2024.03.05
議案は、通常はその定例会の最終日にまとめて賛否を問う「採決」を行います。
しかし、ごく一部、それよりも先に審査・採決を行う「急施議案(きゅうしぎあん)」と呼ばれるケースがあります。
あとは、例えば給与改定議案が、次の給与の支払い日の前までに成立させる必要がある場合なども急施議案で行われます。
今回はその他に「訴えの提起」という急施議案がありました。
個人情報に関することもあるので、ざっくりお話ししますが…
〇県立リハビリテーションセンターでの補装具申請の対応を巡って、県民から県が訴えられた
〇基本的には県の主張が通ったが、補装具の必要性の判定については、一部、県の主張が認められない箇所があった
というものです。
県はこれについて、「不服である」として控訴することとしました。
(※県が控訴を行う時は、県議会の同意を得る必要があります。)
実際に今の判決でも、ざっくり言えば県は数万円程度払えば、それで決着です。
逆に控訴するにも数十万円掛かります。
それでも、県は一審を認めるワケにはいきません。
控訴しないワケにはいかないのです。
それは、もし今回の判決を認めると、今後の補装具の判定のハードルを下げるという前例を作ることになり兼ねないからです。
その基準を崩すことは出来ない…県にとっては「絶対に引けない一線」なのです。
行政には、多かれ少なかれ「変な前例を作るわけにはいかない」という絶対に引けない一線はあると思っています。
今、市民の注目を集めている和光市議会の空転も、その一線を議会側が踏み越えて主張しているからだろう…と、私は考えます。
今回で言うところの一線は、「市として辞職勧告決議は事実誤認であり容認できない。だから副市長は本日の本会議へ欠席する理由はない」という点です。
事実誤認に基づく決議に一度でも従うと、今後も事実誤認を含む内容であっても賛成多数で成立さえさせてしまえば、行政はそれに従わなくてはならない…という前例を生むことになります。
ここまで来ると、「市議会の主張に話を合わせて、とりあえず副市長が欠席すれば解決するじゃん」という考えも分からなくもないのですが、もしそうなれば、もう多数がどうとか民主主義がどう…とかいうレベルの話ではなくなります。
議員という行政に関わる職である以上、その一線を知ることもまた重要だと思っております。
市は現状打開のため、市議会議長に「催告」という手段を要請しています。
「催告」は「議会に出席してください」と要請する行為で、仮にその上でも欠席するなら、出たメンバーだけで議会を進めることが出来ます。
この「催告」は、先日から議長に要請しているが、議長が正式にはその「催告」を実施しないまま数日が経過した・・・という状況にあります。
どこかで腹を決めて「催告」の発出や議会への出席が実現することを願いたいと思います。
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