井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2024.03.01
和光市議会では現在、副市長への「辞職勧告決議」が出て、空転しているということですが、私も埼玉県議会議員としての13年間務める中で、問責決議を巡る動きを経験しています。

(その時の顛末をまとめた記事がこちら。)


いずれも出したのは自民党議員団。


まずは、平成27年7月10日の「上田清司知事に対する問責決議」。

自ら制定した「多選自粛条例(3期まで)」を超えて、4選出馬を表明したことに対する決議でした。


もうひとつは、平成30年10月3日の「小松弥生教育長に対する問責決議」。


これは、教育委員会において障害者任用の水増し問題が明らかとなったことを踏まえての提出でした。

※私はいずれの決議にも反対しました。


さて、今回特に触れたいのは、“出された側はどうしたか?”です。


まず、上田知事ですが、前段としてこれよりも前に自民党県議団が提出し、可決された

〇知事、県執行部、及び、県附属機関の法規遵守を求める決議

及び

〇「埼玉県知事の在任期間に関する条例」の遵守又は適正な手続を求める決議
という2つが出されていて、それに従わないから問責決議を出した…という流れなのですが、最終的にこの問責決議にも従うということはありませんでした。


そのため、この決議以降、最終的に自民がとった行動は「4期目の上田は居ないものとみなし、質問しない」という『完全無視作戦』でした。


自民所属の議員の一般質問の通告書に知事の名前が全く載らないのは異様な感じはしましたが、自民以外の会派は普通に質問してたので、議会運営全体には影響せず、結果的に落ち着きました。



もう一方の、小松教育長の際は、以下のような流れになりました。

・一般質問の最終日に「問責決議」が可決。(教育長は可決時も可決後も本会議場に居た。)

・自民の団長が取材で「小松氏の文教委員会への出席を認めない」と言及。

・翌々日の「文教委員会」に出席しようとしたが、“なんやかんや色々あって”、教育長は退席し、不在のまま文教委員会が行われる

・問責決議の引き金となった障碍者雇用率水増し問題に関する「所管事務調査」を副教育長を代理として対応する

・それ以降の本会議には普通に出席していた


という流れです。


「なんやかんや色々あって」…の部分ですが、

〇開会前、小松教育長が自民の柿沼トミ子委員長と会話した後、そのまま会議室を立ち去った

〇委員会後の取材で教育長が「委員長から問責のことがあるので出席を自粛してはどうかとの話があった。私は責任があり、出たいと申し上げた。忸怩(じくじ)たる思いで退席した」と述べる


などのやりとりがあったと報じられています。



とはいえ、9月定例会でここまで揉めたものの、次の定例会である12月定例会では、小松教育長は、本会議も文教委員会も通常通り出席していました。



以上、私が経験した県議会の事例を紹介しました。


県議会での事例はあくまで県議会の状況や判断によるものなので、これを和光市議会や他の議会に置き換えることは出来ないかもしれません。


ただ、それでも、たったひとつ言えるのは、決議後も議会全体としては議案を審査・採決を行い、特に予算については、県民生活に影響が出ることなく審査が進んでいったということです。


和光市議会においては、特段早く採決すべき議案は「専決処分」が行われましたが、本予算はまだ審査に至っていないと聞いております。


私は昨年、一昨年と、2年連続で会派を代表する形で予算特別委員会の一因として、予算審査に臨みました。


その予算審査の中で行なった提案が執行部に取り入れられ、提言がカタチになった事例もあります。議員としては、そういう提言が出来たことは何よりも嬉しい瞬間でもあります。


今回示した県の場合では、どちらかが一方的に折れる…とかではあありませんでした。和光市議会でも、予算審査が一日も早くスタートし、各議員からより良い提案・意見が寄せられる予算の議論が行われることを願いたいと思います。




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