井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2024.08.13
まだ実際の記事は読めていませんが、朝日新聞が、この問題について特集を始めたそうです。(写真参照)






そのような中、私も「時期は大詰め」の認識のもと、より客観的な意見を得るべく、先日、この共学化議論について憲法学者の友人と意見交換させてもらいました。


許可を得たので、その一部を紹介させていただきます。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

=別学の意義=

Q(井上)
県立高校が別学であることは女子差別にあたるのか? 学術的視点からはどう考えるか?

A、(憲法学者の友人)

●かつての「男子たる教育」・「女子たる教育」とは異なってきており、現在において、別の基準での別学の意義が見い出せれば、別学の公立という選択肢があってもよい、と言えるのではないでしょうか。

●例えば、別学が学力向上にも成果を上げることが証明されていれば、別学を残す意義はある、と言えそうです。



=女子差別撤廃条約違反との指摘について=

Q、(井上)
男女共同参画委員は「女子差別撤廃条約違反には当たらないが…」と違反ではないことに触れつつも、共学化を勧告している。この点についてどう考えるか?

A、(憲法学者の友人)

●「女子差別撤廃条約」の趣旨は、女子に教育を与えないとか、女子は大学に進学させないとか、そういった差別の撤廃を求めているものなので、男女別学の問題には関わらないかと思います。

●そもそも日本国憲法に平等原則が規定されていますし、条約は憲法の下位におかれるのでこの条約を引き合いに出す必要もないです。



==私学の位置づけ==

Q、(井上)
「県立学校」の共学はダメで「私学」なら良いのか? 公立はNGで、私学はOKという、根拠はあるのか? ちなみに「推進派」の主張は「建学の精神(=例:我が校は紳士たる男子を育てる!という設立理念)があるからOK」なのですが、この主張は成り立つのか?


A、(憲法学者の友人)

●私立の位置づけとしては、公立ほどに制限されないといった「程度」の話になります。

●理屈としては、私学は国家機関ではないので、直接、憲法等の「平等」は要求されず、建学の精神が優先されます。ただ、教育機関として公金を受けている以上、まったく平等を無視してよいというわけでもありません。今のところ、多くの人が「私学も共学とすべき」とまで考えていないという程度です。


~~~~~


以上ですが、私もとても参考になりました。



特に、「別学が女子差別にあたる」「男女差別撤廃条約違反にあたる」という推進派の主張が、やはり時代に沿っていない、…というか、本来行うべき議論から論点がズレた主張である、と再認識できました。


無論、多様な考え方・解釈があるとは思うので、これが唯一の答えではないのは承知していますが、県教育委員会や県の教育局の皆様にも、こうした見解が十分に至り得る、ということを知ってほしいと思います。



いささか難しい言葉や言い回しも使いましたが、簡単に言えば…


「別学の議論と女性差別撤廃条約はやはり関係ない。勧告に従う形で共学化の道を選んだら絶対駄目だ!!」


ってことです。



2024.08.13
パリオリンピックが閉会しました。

日本時間の11日(土)には、和光市出身で『自転車オムニアム』に出場した梶原悠未選手の応援のパブリックビューイングが行われました。




(写真は種目途中のプレイバックの様子。ちなみに、タイミングよく元木咲良選手の試合の様子が流れていました。)


合計4種目の合計得点を競う過酷な競技のため、夕方6時に第1種目が始まり、第4種目が終わって全ての決着がつくのは夜の10時でした。


上記のような競技スケジュールだったので、私は、家族とも共に梶原悠未選手を応援したくて、第三種目までは自宅で応援しました。


前回の東京五輪では銀メダルを獲得し、今回こそ金メダルを!…と臨んだパリ五輪だったのですが、長年競技を見てきた私や支援者から見ても「今日の梶原選手はいつもとどこか違う」と感じました。


今朝の新聞で「五輪の雰囲気に圧倒され、恐怖心も芽生えた」とのコメントが載っていました。





私には想像も出来ないプレッシャーがあったと思います。競技当日の梶原選手の様子は、その表現を聞いて納得できた気もします。


梶原選手自身は今後のことについて多くはコメントされていないようですが、これからの活躍を引き続き応援したいと思います。


さて、パブリックコメントには、最後の第4種目の際に合流しました。


これは是非、現地に居た梶原選手やチームの方々にも知っていただけたらなぁ…と思いますが、このパブリックビューイングでは、最後の最後まで、声援が飛んでいました。





特に、子どもたちが大きな声でリードしてくれて、スティックバルーンを叩きながら「ニッポン!(バンバンバン!!) ニッポン!(バンバンバン!!)」の声援は、競技が終わるその時まで響いていました。


私も市長と一緒に応援していました。その時の様子を写真で撮ってくださった方がその写真を送ってくれましたが、楽しそうに応援してますね。この機会をつくってくれた梶原選手に改めて感謝したいと思います。





次にこのようなパブリックビューイングが和光市で開かれるのはいつの日か?


その時を楽しみに待ちたいと思います




2024.08.11
この夏、埼玉県内でもゲリラ雷雨が多発し、また宮崎県日向灘を震源とする地震により、多くの方が被害に遭われました。改めて心からお見舞いを申し上げます。

さて、いつどこでどのような災害があるか分かりません。

いつかできる・まだ先でも・・・と思っていた発信も、出来るうちに綴ろうと思います。


ここ最近でも、様々な記事が掲載されています。


県庁には様々な記事があるので読めますが、お盆期間でなかなか県庁に行くことも出来ず、ネットの有料記事は読める範囲が限られるので、私が紹介したいのは下記の2つです。


=その1=

<東スポWEB>

作家 佐藤優氏「埼玉県立高校の共学化問題の不可解 政治化したこと自体が深刻な問題」


「男女共同参画苦情処理委員」に関する矛盾を掘り下げてくれた良い記事だと思います。

記事内にもありますが、申立者は「1985年に女子差別撤廃条約に批准したときから違反」と言っています。

つまり申立者の認識はその時から40年間ず~っと男女共同に違反していると言っている訳です。

「そんな無理筋な理論、通るわけあるかい!」と普通なら思いますが、それが通ってしまったのが、今回の発端です。

また記事内に

「筆者ならば
『あなたが、浦和高校への入学が女子である故にできないと言われたのは、何年何月何日ですか』
と尋ねて、日程を確定させる。」

と指摘しています。

これが本来、行政としての当然の対応です。


しかし、今回「入学できない」と言われた日…というのは存在しません。

なぜなら「申し込みを断られた女子生徒」自体が居ないからです。


申立者は「条約違反」という一点において「共学化すべき」と主張しています。


ですから、共学化の是非を抜きにして、このような第三者機関の在り方に対して議会は党派関係なく苦言を呈するべきだと思います。


だから、少なくとも今回のこの勧告内容に従う感じの内容の「回答」(=つまり共学化の推進を謳う内容)を県教育委員会が出す…ということは、行政として絶対に在ってはないと考えます。



もうひとつの記事は

=2=

<ABEMA TIMES> 

「県立高校の共学化問題」で揺れる埼玉…中室牧子教授「男女別学の選択肢を残すことも大切ではないか」 “メリデメ”を国内外の研究で考察





です。
こちらの記事の特徴は「学力」の面から、別学・共学の双方の良さを綴ってくれていることです。


そして、記事内にも「共学のほうが将来家事をする」って議論があり、この話はここまでも良く出てくる議論ですが、これは個人差が大きいような気がしています。


個人的な経験を踏まえれば、私自身は、


○高校時代の教育・環境よりも、父親が家事にも関わる人物だったこと
○大学・社会人時代に一人暮らしをして家事一般をこなす経験をしていたこと

のほうが、何倍も「将来家事をする」ことに繋がったと思っています。


この記事は最後、

中室教授は最後に「それぞれのメリットのどちらを大事にするのかは個人の価値観であり、選択肢を残しておくことが大切なのではないか」と強調した。


と結ばれますが、本当にその通りだな、と思っております。




2024.08.06
前回に続き、宮城県教育庁の視察を踏まえての発信です。

宮城県では、当時16校の別学校があり、共学化の方針が平成13年から、平成22年度までの約10年で、全ての別学校を共学化しました。


単純に「共学化」といっても、その方法は大きく3つのパターンに分けられます。

宮城県でも、下記の3パターンで共学化が進められました。

① 再編統合(男子校と女子校を統合する)

② 単独男子校から共学化

③ 単独女子校から共学化


合併後の効果・影響を測る軸は様々あるかと思います。



その中でも一番分かり良いのは、「男女比」がどうなったか?です。


数字の把握の上では「1年生の女子生徒の割合(もしくは男子に注目してカウントしても良い。)」をカウントすることで、推移を視ることが出来ます


まず、①「再編統合(男子校と女子校を統合する)」ですが、これは男子校と女子校を合わせていますから、再編統合の時点で、ほぼ5割が実現しています。






次に、②「単独男子校から共学化」をしたパターンですが、女子の割合が4割程度でスタートして、その後、横ばい…という傾向が見て取れます。






ただ、この中で注目すべきは、表の下のほうにある「仙台第一」「仙台第二」「仙台第三」の“ナンバースクール”といわれる、県内でも偏差値が高いと言われ、歴史ある学校です。


その一部では、女子が2割、3割と低い学校があります。


※これらの学校は、共学化の方針が打ち出された当時、現役高校生が必死に反対活動を行なっていました。当時の映像を見るとその当時の無念が伝わってきます。


そして、③の「単独女子校から共学化」は、一番、元々の形を残す(=女子が多いまま)傾向があるようです。






中には、未だに、85%が女子という高校もあります。


この②と③について、具体的に学校名を上げてみていきたいと思います。

男子校から共学になった「仙台第三高校」は、令和2年には、男子80%、女子20%でした。


一方、女子校から共学になった「宮城第一高校」は女子が85%、男子が15%です。

共学化を推し進めても、アンバランスな男女比の結果、例えば、女子が8割の高校では、クラス編成の際「多くの女子クラス」に、「たった1クラスの共学クラス」のような構成になっているとも聞きました。


さて、先進地ではこうした実態があるわけですが、埼玉の共学推進の方々は、こうしたアンバランスな男女比であっても、門戸さえ開けばOK、ということなのでしょうか?


推進派の主張は

●埼玉県立の男子高校が女子が女子であることを理由に入学を拒んでいるのは女子差別撤廃条約違反

●だから女子の入学は当然認めるべき

という点ですから、割合がどうあれ、門戸さえ開けば念願叶って満足・・・かもしれません。


でも、実際に通う子供たちにとっては、その後の推移はとても重要なことです。


仮に「女子に門戸さえ開けばいい。男子校という存在がなくなるのだから。」というのでは、まさに「共学化することが目的」であって、生徒のための高校教育改革ではありません。


埼玉県教育委員会は、宮城県のこうした実態もしっかりと考慮すべきです。


また、宮城県では、その他の指標としては

・1年次生徒の男女比
・一般入試出願倍率
・男女別クラスの編成状況
・教員の男女比
・生徒の学校評価
・運動施設の状況
・部活動及び学校行事の状況
・生徒の問題行動等
・スクールカウンセラーへの相談件数


などについても、共学化する前後で比較もしています。


視察で印象的だったのは、「Q、進学率に変化はあったのか?」と質問した時に、「A,女子校から共学化した学校では4年制大学への進路希望者が増えた」という答えがありました。


ただ、会派メンバーが「それは時代が大学全入時代に向かったからでは?共学化との因果関係は証明できるんですか?」と追加質問したら、それ以上の答えはありませんでした。


もちろん、今の宮城県の共学化された学校を愛して、勉学・青春に励んでいる生徒は大勢いるので、宮城県の共学化についての是非について私はコメントする立場にはないと思っています。



但し、その事例を踏まえて、今の埼玉県での議論に対して言えることは、共学推進派の意見は「共学化することが目的」になっていて、その後の学校の在り方には責任を持とうとしていない、ということです。


どうか、埼玉県教育委員会には、宮城県の事例も踏まえ、共学化した場合の影響・効果にまで責任を持って検討してもらいたいと思います。


(参考)
高校教育改革の成果等に関する検証 「男女共学化」及び「全県一学区化」について (最終案)
2024.08.06
期限まであと1か月を切り、私がそれまでに綴れる機会もいよいよ限られてきたかも…と考える中で、是非とも皆様に共有しておきたいのが、今年の5月9日に会派で伺った「宮城県」の共学化の取組についてです。






当日は、宮城県教育庁 高校教育課が対応してくださいました。








少し省略しながらの話になることをお許しいただきたいのですが、宮城県は平成12年当時、16校の別学校がありました。


男女共同参画推進条例が平成13年に施行されたことを踏まえて、教育においても、その後の10年間(=平成13年~平成22)における「県立高校将来構想」をまとめるにあたり、「有識者会議」を設置しました。


その有識者会議において、「各学区内では誰もが希望校を受験する資格を有するべきで、男女の性によって排除されてはならない」と共学化する旨が方向づけられました。


さて、まず、話しておきたいのは、この「有識者会議」。


埼玉県の「男女共同参画苦情処理委員」とは似て非なるものです。


宮城県の場合は、教育局が要請して設置した会議体ですから、そこで共学化の方針を打ち出すことには何ら違和感はありません。


一方で、埼玉県の苦情処理委員は教育局が設置したものではありません。その委員(=たった3名)が、「共学化せよ」と『勧告』を出せることには、やはり権限を大きく超えていると考えざるを得ません。


また、宮城県の共学化の話をすると、当時の「浅野 史郎」元県知事がキーマンのように語られることが多いです。

※埼玉でも、共学推進派の方々が講演会の講師として招くほどです。


ただ、実際に宮城県に足を運び、教育庁の皆さんに話を聞くと「どちらかと言えば、中心的に推進したのは、当時の教育長だった」と言います。


現に、浅野元知事も講演の中で「私は教育委員会のやることに口は出さない」と発言していた、と参加した知人が私に教えてくれました。


私が、ここで言いたいのは、良くも悪くも、埼玉県のように苦情処理委員に言われたから議論が進められたのではなく、教育委員会の責任の下で議論が進められたということです。


もちろん、埼玉県と宮城県では、少子化のスピードも、県土の広さも大きく異なります。

そのため、同じ土俵で語ることは出来ません。


また、当時の宮城県議会においては、共学賛成派の議員のほうが多かったようです。


その証拠に「将来構想見直しを求める請願」も請願者の全ての意向が可決されることはなかったし、(=付帯決議付の一部採択)、「共学化を着実に推進することを求める請願」も、付帯意見付きながら採択されています。



今日はまずここまでお話した上で、次回、「このようなプロセスを経て成立した共学化。その後、男女比などは、どう推移していったか?」などを見ていきたいと思います








=つづく=




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