井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2009.10.28
こんばんは。
今日は先日、10月7日(水)に行った
岐阜県多治見市の「財務条例」の視察報告を行いたいと思います。
※今日、正式な報告書を議会事務局に提出し終えました。
==
この「多治見市健全な財政に関する条例」(以下、財務条例)は、
松本新市長のマニフェストに掲げられたものです。
マニフェストにはこのように書いてあります。
(3)「健全財政条例」で財政の健全性を維持する仕組みを作ります
財政状況の基準を作り、無理な支出を未然に防ぐ仕組み=「健全財政条例」を作ります。
企業の実績に左右されない強い財政基盤を作り、突然の「夕張化」を予防します。
これを受け、私は同趣旨の条例を和光市に制定することを視野に入れて、
視察に挑みました。
視察の結果、下記の点がポイントになると考えています。
====
① 必要性 多治見市は和光市と自治体的特徴が類似している
多治見市は近年、名古屋のベッドタウンとして発展を遂げています。
産業としての「焼物」が有名ですが、輸入物や安価品に押され、低下傾向にあります。
つまり、歳入基盤が脆弱であり、且つ個人市民税割合が高いという状況であり、
この点が、和光市の現状に類似している。
また通常経費の削減や多額な費用を必要とする計画事業(※多治見市の場合は
耐震補強工事を挙げていましたが、和光市では、さらにこれに
区画整理事業なども加わってきます。)を多数抱えている点でも似ています。
その中で、和光市にとっても将来の計画的な財政運営のため、
この財務条例の制定の必要性は高いと考えました。
② 制定までの手順 市民参加が不可欠
視察の中で、「市民への周知」及び「認知度・理解度」の状況について質問を行った。
その回答は、講演会の実施や決算・予算のわかりやすい公表など、
財政全般のPRに努めてきているが、認知・理解となると難しい、というものでした。
今後、和光市で財務条例の制定へ動くのであれば、
市民への周知・理解の促進(=市民参加)は不可欠である、と考える。
(※市長からの提案・議会からの提案のいずれを問わず。)
なぜなら、この財務条例は、市長や市役所の財政運営を縛るだけでなく、
議会からの予算を伴う提案や市民からの要望も一定の制限が掛かることになるからです。
簡単に言うと、「アレもやって」「コレもやって」は通用しなくなります。
しかし、その点を踏まえた上でも、和光市の今後の厳しい状況を考えると、
財政状況を市民と共有し、適切な事業の取捨選択をして、
市政運営をするための手段として、非常に有効である、感じました。
③ 時期 早期の制定が最も適当である
今年、平成21年度には、「事業仕分け」と「大規模事業検証会議」が開かれています。
これらを通して、既存事業並びに計画事業の棚卸しと市民共有が
図られる途中です。
となると、次に必要となるのが、「財政状況の市民との共有化」です。
そして、それを経た上で「財務条例の制定」が必要だと考えます。
また、この財務条例は、第4次総合振興計画の策定前に整え、
この条例の概念を第4次総合振興計画に反映させることが望ましい、と思います。
※また、先に示した市長マニフェストにも、
半年以内に取り掛かるという、早期実現の目標が示されています。
ただ、焦って、市民参加を省略することは許されませんし、
指標の設定など、やるべきことは多いので、
えいやっ!でやるのではなく、慎重さが必要だと思います。
④ 課題 議会が財務条例に対応できるか
この財務条例が制定されれば、市民の行政に対する見方や、
議会の在り方も大きく変わってくる、と思います。
そのためには、現在進行中の「議会基本条例」にも、
この条例の趣旨を反映させて、リンクした形で進めるのが望ましい、と考えます。
また、仮に制定すれば、限られた財源の中で、
・何に優先順位を置くべきか、
・どれだけ安価な方法で事業の目的を達成できるか
という視点での議論を行う必要が出てきます。
この財務条例制定下で、有効な議論が出来る議会への転換が
求められるのだと思っています。
以上で、視察の報告を終わります。
なお、次回は、10月30日(金)に
議会改革で有名な 会津若松市 に若手地方議員の有志と
視察に行ってきます。
※ブログは、3日ほどお休みします。
戻ったらまた、ブログで視察報告を行います。
今日は先日、10月7日(水)に行った
岐阜県多治見市の「財務条例」の視察報告を行いたいと思います。
※今日、正式な報告書を議会事務局に提出し終えました。
==
この「多治見市健全な財政に関する条例」(以下、財務条例)は、
松本新市長のマニフェストに掲げられたものです。
マニフェストにはこのように書いてあります。
(3)「健全財政条例」で財政の健全性を維持する仕組みを作ります
財政状況の基準を作り、無理な支出を未然に防ぐ仕組み=「健全財政条例」を作ります。
企業の実績に左右されない強い財政基盤を作り、突然の「夕張化」を予防します。
これを受け、私は同趣旨の条例を和光市に制定することを視野に入れて、
視察に挑みました。
視察の結果、下記の点がポイントになると考えています。
====
① 必要性 多治見市は和光市と自治体的特徴が類似している
多治見市は近年、名古屋のベッドタウンとして発展を遂げています。
産業としての「焼物」が有名ですが、輸入物や安価品に押され、低下傾向にあります。
つまり、歳入基盤が脆弱であり、且つ個人市民税割合が高いという状況であり、
この点が、和光市の現状に類似している。
また通常経費の削減や多額な費用を必要とする計画事業(※多治見市の場合は
耐震補強工事を挙げていましたが、和光市では、さらにこれに
区画整理事業なども加わってきます。)を多数抱えている点でも似ています。
その中で、和光市にとっても将来の計画的な財政運営のため、
この財務条例の制定の必要性は高いと考えました。
② 制定までの手順 市民参加が不可欠
視察の中で、「市民への周知」及び「認知度・理解度」の状況について質問を行った。
その回答は、講演会の実施や決算・予算のわかりやすい公表など、
財政全般のPRに努めてきているが、認知・理解となると難しい、というものでした。
今後、和光市で財務条例の制定へ動くのであれば、
市民への周知・理解の促進(=市民参加)は不可欠である、と考える。
(※市長からの提案・議会からの提案のいずれを問わず。)
なぜなら、この財務条例は、市長や市役所の財政運営を縛るだけでなく、
議会からの予算を伴う提案や市民からの要望も一定の制限が掛かることになるからです。
簡単に言うと、「アレもやって」「コレもやって」は通用しなくなります。
しかし、その点を踏まえた上でも、和光市の今後の厳しい状況を考えると、
財政状況を市民と共有し、適切な事業の取捨選択をして、
市政運営をするための手段として、非常に有効である、感じました。
③ 時期 早期の制定が最も適当である
今年、平成21年度には、「事業仕分け」と「大規模事業検証会議」が開かれています。
これらを通して、既存事業並びに計画事業の棚卸しと市民共有が
図られる途中です。
となると、次に必要となるのが、「財政状況の市民との共有化」です。
そして、それを経た上で「財務条例の制定」が必要だと考えます。
また、この財務条例は、第4次総合振興計画の策定前に整え、
この条例の概念を第4次総合振興計画に反映させることが望ましい、と思います。
※また、先に示した市長マニフェストにも、
半年以内に取り掛かるという、早期実現の目標が示されています。
ただ、焦って、市民参加を省略することは許されませんし、
指標の設定など、やるべきことは多いので、
えいやっ!でやるのではなく、慎重さが必要だと思います。
④ 課題 議会が財務条例に対応できるか
この財務条例が制定されれば、市民の行政に対する見方や、
議会の在り方も大きく変わってくる、と思います。
そのためには、現在進行中の「議会基本条例」にも、
この条例の趣旨を反映させて、リンクした形で進めるのが望ましい、と考えます。
また、仮に制定すれば、限られた財源の中で、
・何に優先順位を置くべきか、
・どれだけ安価な方法で事業の目的を達成できるか
という視点での議論を行う必要が出てきます。
この財務条例制定下で、有効な議論が出来る議会への転換が
求められるのだと思っています。
以上で、視察の報告を終わります。
なお、次回は、10月30日(金)に
議会改革で有名な 会津若松市 に若手地方議員の有志と
視察に行ってきます。
※ブログは、3日ほどお休みします。
戻ったらまた、ブログで視察報告を行います。
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