井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2023.10.12
本日(10/12・木)の東京新聞に会派代表としてのコメントが載りました。
そのインタビューでも話したのですが、県議会の運用としても、まだまだ他会派と意見を交わし、より良い内容にブラッシュアップするための工夫の余地はあると思います。
今は、
・一般質問の5日目のお昼に提案者による「提案説明」
・同じ日の夕方に「本会議で質疑」(任意)
・その2日後に、委員会を開いて、質疑、採決
・議会最終日に本会議採決(但し、基本は委員会採決は覆らない。)
というプロセスになります。
例えばですが、
○事前に超党派でプロジェクトチームを構成して、各会派の意見を反映した条例案を作り上げる。
○単独会派の提案でもいいが、その定例会で一気に成立させるのではなく、議案を「継続審査」して、次の定例会までの間に「閉会中審査」を何度か重ねて、意見集約。委員会として修正案をまとめる。
市町村レベルでは、こうした実績は結構あります。
(特に超党派のプロジェクトチーム方式。)
これまでの県議会のやり方にとらわれず、より良い方法を県議会として模索するきっかけになればと思います。
2023.10.12
昨日は7つある特別委員会が開催されました。
実は、他県でも7つも特別委員会がある県はほぼないです。
私たち無所属県民会議としては、
・公社を専門に審査する委員会
・時世に合わせた重要テーマ(過去の例で言うと「新型コロナ対策特別委員会」とか「オリ・パラ特別委員会」とか)がある時だけ設置する特別委員会
・議会改革を進めるための特別委員会
があれば十分、と考えています。
さて、昨日の「虐待禁止条例の取り下げ」を巡っては、多くのコメント・メッセージを頂戴しました。改めてありがとうございます。
(直のお返事が遅くなるかもしれないので、予めご了承願います。)
昨日の会見後、新聞社から対面もしくは電話で取材を受けました。
紙面に取り上げられた以外にも色々話しましたが、他の会派との兼ね合いなども含め、今回は「埼玉新聞」「産経新聞」に私のコメントが載っています。写真で紹介いたします。
(なお今後も別紙でも掲載があるかもしれません。)
◆産経新聞(全体)
◆産経新聞(詳細)
◆埼玉新聞(全体)
◆埼玉新聞(詳細)
それから、直近の投稿で危機意識を伝えた「同趣旨の意見書が提案されるかも…」という件ですが、まだ閉会日に開催される議運の開催前なので、しっかりとしたご報告は出来ませんが、提出の有無については、妥当な判断をしてくれる方向のように感じております。
私の危機意識を共有してくださった多くの皆様に改めて御礼を申し上げると共に
「埼玉県議会では、過半数を握っている自民党の判断で、自民・公明以外の会派の意見書は1本も通さない。そしてその状態がず~っっと続いている」
ということを知っていただくキッカケにもなったかと思います。
こういう自民党県議団中心の議会運営の実態は他にもまだ他にもあります。
今、県民の皆様が県議会に注目していただていると思いますので、こういう事例を機会があれば紹介したいと思います。
2023.10.10
今回大きな波紋を呼んだ自民党県議団提出の「子どもだけの留守番や登下校も虐待に位置付ける」児童虐待禁止条例改正案については、提案者自ら取り下げる、という方向になったということです。
※議会としてまだ正式にそのプロセスは踏んでおりません。
私たち無所属県民会議は会派スローガンとして “たたかう政策集団” を掲げておりますが、今回、反対を表明するだけでなく、安全確保の配慮に欠く場合のみを放置とする修正案を『対案』として提案しました。
その内容をご覧になった方からも、これなら趣旨も理解できるし、賛同も出来る等、有難いお声も頂戴しました。そのスローガンに違わぬ活動をこれからも行ってまいります。
今後も県議会に対して厳しい目で関心を寄せて頂ければ幸いです。
私たちはこれからも県民目線で政策提言を行ってまいります。
2023.10.10
「子ども留守番禁止条例」で知れ渡ってしまった自民党県議団の虐待禁止条例の改正案ですが、実は自民党県議団は埼玉県における条例制定だけでなく、この考えを国全体に広げようとしています。
地方議会には、国(政府や関係省庁)に声を届ける『意見書』という仕組みがあるのですが、自民党県議団は今回の9月定例会において、『児童の放置を根絶する取組を求める意見書』を提出するよう動いてます。
自民党の意見書(案)の7番を見ていただくと、『児童の放置を根絶する取組を求める意見書』というのがあります。
現状は、これらの案文(内容)を各会派に示し、議会運営委員会の副委員長がとりまとめ作業中です。
ですが、このタイトルからして、どういう内容になっているかは皆様も想像がつくと思います。今回の条例改正案を成立させ、その後、この意見書も成立させる…というのが当初の自民党県議団の想定だったと思います。
この条例のことは全国のニュースでも報じられ、全国的な関心・議論になっていますが、それでも埼玉以外にお住いの方は「埼玉は大変だね」くらいに思っている方も居るかもしれません。
ですが、この意見書が可決・成立し、国へと送られたら、状況はまた変わります。
実は、この意見書についても、自民党は圧倒的過半数を武器に「自民以外の意見書は1つたりとも通さない」という対応をしてきました。(ごく稀に公明の意見書が採用されることがあります。)
※私たちも毎回、国レベルでの取組が必要と考えるテーマを意見書案として取りまとめて提案してきましたが、毎回「○○の理由で…」と理由付けをされて、ほぼ提出は出来ていません。
だから、今回も自民の過半数をもって、この『児童の放置を根絶する取組を求める意見書』も成立させることが可能なんです。
でも、もし条例の成立が見送られれば、この意見書もまた提出を阻止することが出来るかもしれません。
2023.10.10
連日、多くの方から自民党案に対する厳しい意見、そして自民案に反対した我々に対して支援のお声を頂戴しています。
状況は日々刻々と変わっているようです。その流れにしっかりと対応していきたいと思います。
今回の自民案に対しても「酷暑の中の車への置き去りや劣悪な環境への放置などを撲滅したい提案者の理念は理解できる」とおっしゃる方も大勢いらっしゃいます。
そうです。そこに特化した内容であれば、反対の声はおそらく出なかったでしょう。
しかし、自民案の条文ではそこは読み解けず、しかも提案説明において
「小学校1年生から3年生だけでの登下校」や
「18歳未満の子どもと小学校3年生以下の子どもが一緒に留守番をする」
「小学生だけで公園で遊びに行く」
「児童が1人でお使いに行く」
などの行為を「虐待」と説明しました。
私たちの会派では、自民案の問題点を指摘する一方で、「こういうふうに改正するなら、良い条例になるのではないか?」という修正案を取りまとめました。
以下にご説明します。
◆放置の定義について
【自民案】では
・小学3年生以下の当該児童を住居その他の場所に残したまま外出することその他の放置をしてはならない。(義務)
・小学4~6年生の当該児童を住居その他の場所に残したまま外出することその他の放置をしないよう努めるとする(努力義務)
となっている【第6条の2】の追加条文ですが、私たちの修正案では、
・小学6年生以下の当該児童を、前条第一項及び第二項に規定する安全確保の配慮に欠く放置をしないよう努めなければならない。
としました。
小学生全体を「努力義務」にしたことで「緩和」した…と報じられることが多いのですが、実はポイントはそこよりも、「前条第一項及び第二項に規定する安全確保の配慮に欠く放置」の部分なのです。
今回、話題になっている「埼玉県虐待禁止条例」は既に存在しており、今回問題になっているのは、その改正案=つまり、追加する部分です。
実は、この自民案でも、私たちの案でも【第6条の2】を追加しますが、既存の虐待禁止条例には【第6条】があり、そこにはこう書かれているのです。
=====
(養護者の安全配慮義務)
第六条 養護者(施設等養護者及び使用者である養護者を除く。)は、その養護する児
童等の生命、身体等が危険な状況に置かれないよう、その安全の確保について配慮し
なければならない。
2 養護者(施設等養護者及び使用者である養護者に限る。)は、その養護する児童等
の生命、身体等が危険な状況に置かれないよう、その安全の確保について専門的な配
慮をしなければならない。
======
ざっくり言うと、第1項は、一般の親などの保護者を指し、第2項は施設職員(保育士や学童指導員などのプロ)を指していて、それらの者は「児童の生命、身体等が危険な状況に置かれないよう、その安全の確保するよう配慮しなさい」と書かれています。
つまり、問題にすべきは、こういう果たすべき配慮を忘れた・していない場合です。
具体的には、「灼熱の車の中に子どもを置き去りにする」…などが当てはまります。
そのため、
「こういう(=前条第1項及び第二項に書いてある)危険な(=安全確保の配慮に欠く)放置をしないよう努めなければならない。」
という文言にしているのです。
これならば、一般的な子どもだけの留守番や登下校、公園で遊ぶなどは対象外となります。
「今回の改正は条文の追加である」「なくしていくべきは、悲しい事故が起きた車内放置などの事例である」という基本に立てば、自民案の段階でもこういう条文に辿りついたようにも思いますが、子どもだけで過ごすこと自体を禁止したため、実現性もなくなり、問題を抱えた条文になったのだと思います。
◆解決策について
自民案では
・県は市町村と連携し、待機児童に関する問題を解消するための施策そのたの児童放置の防止に資する施策を講じるものとする
とあります。
例えば、車の放置と待機児童対策って本当に関係が有るでしょうか?
遠因ではあるかもしれませんが、直接的な要因とは言えません。
むしろ、商業施設における「車内放置禁止。それこそ命に係わる問題だ!」という広報啓発のほうが余程、放置事例を直接的に救うことになるかもしれません。
ひとり親家庭や共働き世代への支援は重要です。しかし、それを本来問題視していた故意・過失により生じる放置だけではなく、放置の範囲を拡大し、その上で待機児童問題まで絡めようとするから、条例として無理が出たのだと思います。
◆通告・通報の義務について
実は、この条文については、上位法である「虐待禁止法」でも、「万一、虐待を見つけたら通報すべし」と国民の義務の形で定められているので、この条文があること自体はそんなに問題になるとまでは言えません。
現に、他自治体も通報義務が規定されている条例が制定されていて、例えば三重、東京、京都、千葉、福島、福岡、茨城、群馬、秋田の9都府県と聞いています。
但し、自民案では、子どもたちだけで居るシチュエーション全てをNGとし、特に小学三年生以下は「させてはならない」と義務としました。その上で、さらに通報義務を課せば、それは現在危惧されているように、通報社会のような印象を与えても仕方ないと思います。
一方、私たちの修正案でも、著しく配慮に欠く放置(=炎天下の車内放置)などを見つけた場合には積極的に通報をお願いしたいという意図を組み入れるため、通告・通報の規定は活かすことにしています。
・・・以上、長くなりましたが、これが自民案と私たち無所属県民会議が考えた修正案の違いです。
本当は、それぞれの案の良いところ・課題を「議会」というくらいですから、喧々諤々の議論を重ねれば、より良い条例案になったかもしれませんが、今回、私たちが修正案を出したとき、自民党・公明党からは1人も質問の挙手をしませんでした。ひとつも質問がなかったのです。
実はこれが今回特別か?というと、そんなことはなく、過去に自民党の原案に対して、私たちが修正案や対案を出した時も一度も質問もありませんでした。
ひょっとしたら原案提案者以上に詳しく調査・検証をしたんじゃないか?…
そう思いながら、毎回毎回「では質問はないため、採決に移ります。」と、圧倒的過半数をもって多数決で決着してきました。
それが埼玉県議会です。
しかし、今回、既に委員会での結果は出てはいますが、ひょっとしたら、その長い歴史が変わるかもしれません。
既に自民党県議団と、自民案に反対した会派…との戦いではなくなっていることを実感しています。
これまで何でも多数ということで、議論も避けて、数で決め続けてきた県議会の大会派に県民の意識・県民の怒り、そして広く国民の関心が向けられているのだと思います。
今回の自民案は、県民、そして何より子どもたちのために、絶対に通すわけにはいきません。
皆さまの力をどうか貸してください。
宜しくお願い致します。
埼玉県議会 無所属県民会議
井上 航
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