井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2023.10.18
先日、シリーズその①をお伝えしましたが、今日はその②をお伝えします。
埼玉県議会には、8つの常任委員会と7つの特別委員会が存在します。
この全てが、現状では、
○委員長は 自民党
○副委員長は 自民党 か 公明党
となっています。
私がかつて属した和光市議会では、会派の大小より期数(経験)が重視されていました。
一方、埼玉県議会では、自民党か公明党のみで、それ以外の会派に期数が上の議員が居ても、正副委員長に就くことはありません。
令和5年度時点では、【常任委員会】は下記のような配分になっています。
・企画財政委員会 (正)自民 (副)自民
・総務県民生活委員会 (正)自民 (副)自民
・環境農林委員会 (正)自民 (副)公明
・福祉保健医療委員会 (正)自民 (副)自民
・産業労働企業委員会 (正)自民 (副)自民
・県土都市整備委員会 (正)自民 (副)公明
・文教委員会 (正)自民 (副)自民
・警察危機管理防災委員会 (正)自民 (副)公明
そして、【特別委員会】は次の通りになっています。
・自然再生・循環社会対策特別委員会 (正)自民 (副)自民
・地方創生・行財政改革特別委員会 (正)自民 (副)自民
・公社事業対策特別委員会 (正)自民 (副)自民
・少子・高齢福祉社会対策特別委員会 (正)自民 (副)自民
・経済・雇用対策特別委員会 (正)自民 (副)公明
・危機管理・大規模災害対策特別委員会 (正)自民 (副)公明
・人材育成・文化・スポーツ振興特別委員会 (正)自民 (副)自民
・決算特別委員会 (正)自民 (副)自民
この他、議会運営委員会は、人数が多いため、委員長1名、副委員長2名でありますが、
(正)自民 (副)自民と公明 各1名
となっています。
下記にいくつか補足します。
○役職決めに手続き上の問題ない。
決める際は、
・「選挙(投票)」 もしくは
・「指名推薦」(選挙しても単独過半数を持つ自民の思う通りの結果になるので、多数決の手間を省くため、自民が正・副委員長の予定者を決めておく)
の方法を経ているので、手続き上は問題ありません。
○イレギュラーなケースも有り、過去12年間くらいの間でいえば、当時私が所属した「刷新の会」の議員が副委員長に選ばれたこともあります。
○また前任期は、私たち無所属県民会議が14人と躍進したため、2名の副委員長を決める委員会については、自公以外から選出したこともある。(例:議運や予特。)
…補足をお伝えしましたが、所属議員でいえば、前任期でいえば無所属県民会議が第二会派で、今任期でいえば民主フォーラムが第二会派です。
しかしながら、第三もしくは第四会派であっても、公明党には、選挙や議案採決で同調することへの御礼なのか、役職が回ってくる仕組みになっています。
ちなみに、議運と常任委員会の正副委員長は、通常の議員よりも少しだけ報酬が上がります。
また、埼玉県議会は、前にも少し触れましたが、通常の都道府県議会より「特別委員会」の数がそもそも多いのです。役職をふやすことが目的なんじゃないか…とさえ思えます。
そして、この役職は1年単位で交代していきます。任期が始まったばかりの今は、自・公の2期生以上が担っていますが、4年の任期のうち後半になると、今度は自公の1期生にも副委員長あたりの役職が回ってきます。(他会派には3期とか4期の議員が居るにも関わらず。)
…ここまで色々語りましたが、正副委員長になった場合、委員会では進行役に回るので、発言も(ほぼ)出来なくなるし、一般の委員として臨んだほうが議員としての仕事は出来ると個人的には思います。
こうした人事も選挙で議席を多く獲得したほうが得る多数決の論理であることもまた事実です。
また多数を占めるが故に、本来ならばもっと得られる機会を少数に分配してくれている事実もあります。(例えば、議会広報の収録時間。)そこには感謝もしなければならないと思っております。
ただ、いずれにしても、先日の虐待禁止条例改正案の審査を見ても、委員会審査をより公平にしていく必要があると思っております。
その中で、この正副委員長に関する人事も、より開かれたものにすべきと私は考えます。
2023.10.17
今朝の埼玉新聞には、先週の議会閉会日に大野知事に「令和6年度予算要望書」を提出したことが記事になりました。
※普段は、提出日の翌日に記事になることが一般的ですが、今回は連日、虐待禁止条例改正案に関して紙面が多く割かれたので、数日空けての掲載になったようです。
年度を重ねるごとに要望事項が増え続ける状況が続いていたのですが、岡村・八子両議員がゼロベースで見直しを行ってくれたおかげで、より絞り込んだ内容の要望書となりました。
ここに綴った要望の実現状況については、来年の予算委員会など事あるごとにチェックしていきます。
2023.10.17
昨日、県教育委員会が2027年度から導入予定の新方式の入試について素案を発表しました。
② これまで一部の学校(全日制で60校程度)でのみ行なっていた「面接」を全校で実施
の二つです。
これは、新学習指導要領で
「知識及び技能」
「思考力、判断力、表現力」
「学びに向かう力、人間性」
といった3本柱を育成するという方針になり、本人の学習意欲をより積極的に評価していこう、ということになったからだと教育委員会から報告を受けました。
部活動の地域移行や、学校外でボランティアをやっている生徒が居た場合、そういう校外活動も評価と出来るようにするため、です。
一方で、良いことだけではないはずで、私が真っ先に思い浮かんだのは、この自己評価資料の作成にものすごく時間が掛かる生徒もいるように思います。受験勉強そのものの時間まで割くことにならないか、心配もしています。
先日の“留守番禁止条例”の一件で、県政は無関係…と思っていると、知らない間に物事が決められる可能性があることも、県民の皆様も痛感したと思います。
是非、そうした賛成または慎重意見をお持ちの方は、下記のURLから「県民コメント」をお寄せいただければと思います。
2023.10.16
激動の9月定例会が終わりました。そして今後の議会運営に大きな課題を残しました。
最終日の代表者会議では自民党議員団団長から「今後の議員提出議案のあり方については、各会派で検討お願いしたい」というコメントがありましたが、議会の在り方として課題があるのは、議員提出議案のやり方だけではありません。
今回は「意見書」についてです。
意見書とは、地方議会から国・政府・関係省庁へ送る要望書のようなものです。
下記の写真を見ていただければと思います。1枚目と2枚目が、今回、各会派から提案された要望書の一覧です。
しかし、今回正式に採用されたのは、自民案の7件と公明党案の2件、合計9件です。
幸いにして、自民党の出そうとしていた、今回の留守番禁止条例を国レベルで取り組むべし!という意見書は自民が自ら取り下げましたが、それでも、自民は残りの7件は全部通してきました。
公明党案も必ず全部通る…というワケではないのですが、それでも、他の会派の案が“1件も通さない”中においては、公明党だけが優遇されています。
意見書の決定までのプロセスをお話しすると、写真の1・2のようにどの会派からどのようなタイトルの意見書が議運に諮られます。
その後、それぞれの意見書の内容を各会派が提出するのですが、その各会派の意見書案は議運では示されず、「何を残し、何を出さないとするか?」は議運の副委員長により“水面下”で各会派の調整が行われます。
そのため、「出すと決まった文書」しか次の議運で示されないので、脱落した意見書は全く日の目を見ません。
議運の会議録、県議会HP…どこを見ても見ることが出来ないのです。
これも改善すべき点だと考えます。
加えて、肝心の「何を残し、何を出さないとするか?」が、過半数を持つ自民党の考えで決定しています。
それにより「何が問題か?」というと、次のような状況が発生しています。
① 自民党政権の政策の不備を指摘するような意見書は、同じ政党…ということで、ほぼ通せない。
② 他会派の意見書には「こないだ一般質問で取り上げてばかりなので今回は見送り」のような理由でNGとしておきながら、自会派の意見書に同じような一般質問で取り上げたばかりの意見書が有っても、それは通る。いわゆる「ダブルスタンダード」がまかり通る。
③ 他会派の提案をNGにした上で、1年くらい経ったら、同趣旨意見書が自民から出て来て、自民会派発案の意見書として成立する。
※今回、自民案として提出され成立した「オンライン本会議の本格実現を求める意見書」は、私が令和2年6月定例会で提案したものですが、その時は自民からNGとされました。3年経って同趣旨の意見書が可決されました。
以上のような弊害があります。
地方議会として国に挙げるべき声は各会派の意見書に様々含まれています。
この件も「(意見書の)出どころ」などにこだわったり、「限られた会派の案しか出させない」とこだわる必要はないはずです。
※仮に自民党がNGと言っても、議員提出権があれば出そうと思えば出せますが、過半数をもって否決されることと、「基本は全会一致になったものを出す」という申し合わせがあるため、このような状況に有るのです。
※※とはいえ、既に全会一致の原則は自民党自らによって破られています。自民+αしか賛成していない意見書、というものも“埼玉県議会の声”として、国に送られています。
長々と綴りましたが、県民の声を国に届けるという意味を持つ意見書だからこそ、提出を独占するような現状は変えていかなければと思っております。
2023.10.14
“留守番禁止条例”と揶揄された「虐待禁止条例」の自民党県議団改正案は、今日の本会議で正式に「撤回」されました。
手続きとしては、自民党県議団が撤回を要請し、それを踏まえて、再び委員会を開くのではなく、議運で手続きの流れを了承した上で、その後の本会議で議長が「撤回することでよろしいですか?」と諮り、出席議員が「異議なし!」ということで撤回が成立しました。
定例会の最終日には、いつも8つある各常任委員会の委員長による「委員長報告」というのが行われ、それを踏まえて最終的に「採決」(賛否を取るため、起立or着席)を行います。
実は、その議案を審査した「福祉保健医療委員会」の委員長報告においては、今回の「虐待禁止条例」の質疑については報告がされませんでした。
福祉保健医療委員会の委員長報告が行われる前に、議長から「先ほど議第25号議案(虐待禁止条例自民党改正案)は取り下げられたのでご了承願います。」と発言していますが、それだけです。
※福祉保健医療委員長も、「なお、議第25号議案につきましては、議案の撤回の申出が先ほど承認されたところでありますので、申し添えます。」とだけ触れました。
あれだけ騒がれた虐待禁止条例についての審査内容が全く報告がないのは、議場で聞いていて違和感が有りました。必要があれば、「委員長報告に対する質疑」も出来るので、過去の先例も踏まえる必要があるため、委員長報告終了後、議事課に確認しました。
それによると、過去に1例だけある議員提案の議案の取り消し事例(=但し、委員会で採決までは行っていない)においては、その時も報告をしなかったそうです。
議事課によると「委員長報告は何のために行なっているのか?」という根本にも関わることなのですが、委員長報告とは「そのあとの採決の関することを報告する」のが基本となります。
そのため、「取り下げが決定し、そもそも上程してない(=採決を行なわない)扱いとなった議案については報告しない」ということになるそうです。
議事課の説明に納得はしつつも、本音をいえば、先例は先例として、今回の事の重大さや県民への説明責任を考えれば、渡辺大委員長には、むしろ先例を破って触れてもらえればよかったのではないかと思っています。
ただ、ご安心いただきたいのは、あくまでこれは委員長報告について、の話です。
委員会会議録や本会議の会議録にはこの議案に関する記録がしっかり残ります。
ネットで見られるようになるのは、もう少し時間が掛かります。
早く委員会審議の内容を知りたという方は、県議会事務局までお問い合わせください。
なお、代表者会議や議会運営委員会では、今後の議員提案の際に、どうやったら丁寧なプロセスを経ることが出来るか、という点において、当事者である自民党県議団からも言及が有りました。
以前から、個人的にも、会派としても課題と思っていた点ですので、今後の議論でしっかりとした仕組みを作っていけたらと強く思っております。
―なぜかって?
自民党県議団は、今もなお複数のプロジェクトチームが動いていて、次なる条例の準備を進めているのですから。。。
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