井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2011.10.01
こんにちは。

さて。本題に入る前に・・・

本日(=10月1日)は私の32回目の誕生日です。

こうして節目の日を迎えられたことを
両親やそのまた両親にも感謝して、
これからの1年間も、これまで以上に
元気にそして行動的に活動してまいります。

皆さま、よろしくお願い致します。



それでは、今日はここまで2日間に渡ってお話ししてきた
「埼玉県議会、請願への討論中止の決定について」
最終回です。

※是非、第1回と第2回を先にご覧ください。
<第1回>http://inouewataru.blog.shinobi.jp/Entry/951/
<第2回>http://inouewataru.blog.shinobi.jp/Entry/952/


今回、新聞各紙でもこの件は報道されました。

討論廃止を主張する理論としては、
「同じような趣旨の請願が何度も出されて討論に時間を取られる」

継続を主張する側の理論としては
「自由活発な議論をすべき」
「少数会派の発言機会を奪う」

ということです。


この「自由活発な議論をすべき」というのは
同じ「刷新の会」の江野県議が発言した内容で
私も同様に思っています。



ひとつ触れておかなければいけないのは、
“請願を出す”という行為そのものには制限が
掛かったわけではない
、ということです。

そこは今までどおりです。

問題は討論を行うかどうか、です。



今回のタイトルに、私は
「複合的に考えて討論はあるべき」と付けました。

これが私の持論です。
複数の理由を挙げていきたいと思います。



まず、「請願」をどう捉えるか?
を述べておきたいと思います。


私は、市議会議員時代に、議会改革について
随分深く学んで来たつもりです。

現在、先進的な議会で制定が進んでいる
議会基本条例というものがあります。

和光市議会も昨年制定しました。

その策定過程で多くの先進事例を視察・調査しました。


議会基本条例の研究のなかで
「これは必須項目だ!」=つまり、これが盛り込まれていないと
議会基本条例としての完成度は低い!
という項目があります。

それが必須3項目が

①議会主催の議会報告会の開催
②請願&陳情者の意見陳述
③議員間の自由討議

です。

ここでいう、「請願&陳情者の意見陳述」とは
今回問題になった “討論” とは違って
請願者・陳情者(=紹介議員or市民)が、
請願の審議を行う委員会の場で
発言できる機会を保証する
、というものです。

どうして、この項目が必須項目なのか?

それは、請願や陳情を民からの政策提言」と
考えるからです。

確かに、これは随分、
先進的な考え方だとは思います。

ただ、私は請願とは、
そうあるべきだと思っています。


今回の埼玉県議会の請願の討論を廃止する・・・
というのは、請願=市民・県民の政策提言という
考え方に立てば、県民が請願に込めた思いに真摯に
応えるものとは言えない、と考えています。




もうひとつ、触れておきたいことがあります。

それは、「陳情者・請願者の想い」です。

請願を出した人が望むこと、
それは他でもなく、その請願が採択されることです。

しかし、必ず採択が実現するとは限りません。


その時、請願者は何を望むでしょうか?

それは、「なぜ反対なのか?を知りたい」ということです。


請願の討論は、議員のためにあるのではなく
請願者のためにあるのだと思います。


討論とは、文字通り、自分の主張を述べ、
相手の考えとぶつけ合うことですが、
県民の政策提言に対して、議会で向き合ってきた結果、
どういう考えで、どういう結論に達したかを
述べる場でもあると思います。


もちろん、採択された時の賛成討論は
請願者にとっては「議員に声が届いた」ということで
とても嬉しい思いになるでしょう。

不採択の場合でも、共感する議員が少しでもいれば
励みになるでしょうし、逆に、反対討論を聞けば、
その請願の何が反対される要素だったのかを
考えることができます。



そうした反対討論を聞いてなお、
全く同じ内容で請願を出す、ということが
あるのかもしれません。

廃止の方針はそうした実態も影響しています。

その意味では出す県民も「出せばいい」、という
発想から脱却しないければいけません。


ただし、今後、反対された理由が表明されなければ
なおのこと、「請願の文書のどこに反対する理由があったのか?」が
わからずに、「とりあえず、また出すだけ出しとけ」という
機運にならないか、危惧しています。


最後に。


請願の審議過程での議員の発言を
「記録」として読むことが出来るか、も重要なポイントです。

請願は、担当する委員会に付託されます。

まずは委員会で所属議員が意見を述べ、
そして、委員会の中で決」(=採択or不採択)されます。

そして、本会議では、討論を希望する議員によって
討論が行われたうえで、
本会議場で、全体で「採決」します。


ここで、ポイントは「会議録」です。

埼玉県議会では、委員会会議録は
「要点筆記」を行っています。

つまり、正式な議事録ではありません。

しかも、その記録はホームページには
載っていませんし、
それを読みたいという場合は、一般的には
情報公開の手続きを踏まなければなりません



※他の都道府県議会では、例えば
先日、視察で伺った京都府議会のように
委員会もウェブ中継しているところもあります。




次に、では、
請願に対する委員の発言があった場合に
委員長報告の中に取り上げられるか・・・という点ですが、
これは概ね、しっかりと取り上げられています。

但し、少数会派だと、メンバーの所属していない委員会に
付託された請願については発言が出来ないので
本会議での“討論”が唯一のチャンスです。

こうした規模の大きな議会だからこそ
少数会派でも、請願に対する姿勢だけは記録に残せる
状況は保たれるべきだと思います。


以上、長くなりましたが
私は、現在、全国で進んでいる議会改革の流れと
埼玉県議会のその他の事情も
複合的に見て、請願に対する討論はあるべきだと思っています。

そのことを述べさせていただきました。


私は今後も、県民の皆様にとって
どういう議会であるべきか?を常に意識し、
行動してまいります。

















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