井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2010.12.20
こんにちは。


今回の12月議会の大きなテーマで
私が、今回最も深く取り組んだのが、
「組織改正」です。

その想いについては
「今年も組織改正を「車」に例えてみた。」
http://inouewataru.blog.shinobi.jp/Entry/802/ を
ご覧ください。


委員会で、賛成多数で可決された「修正案」。
やはり委員会での結果は本会議に行っても同じです。

修正案・・・といっても、市役所側が提案した“原案”の内容を
ほとんど抜いた、ちょこっと改正のみ認める・・・というものです。


私は、昨年、組織改正案が否決された時も
今回の修正案に対する討論も、魂を込めて
討論の内容を書きました。
http://inouewataru.blog.shinobi.jp/Entry/611/

2回もこうした討論をすることになるとは・・・(-_-;)


今回の私の主張・想い・抱く問題意識は、
これを読んでいただければ、伝わると思います。


============

11番(井上航議員) 

議案 75号、和光市部設置条例の一部を改正する条例を定めることについて、総務委員会での結果は「修正案可決」ですが、私はその報告に対して反対し、原案に賛成の立場で討論を致します。

 

『昨日を守ること、すなわちイノベーションを行わないことのほうが明日をつくることよりも大きなリスクを伴う。』

これは、今年「もしドラ」でも話題になった経営学者ピーター・ドラッカーの著書『マネジメント』の中に出てくる言葉です。後ほど補足を行いますが、是非、頭に置いていただきたい言葉として、紹介させていただきます。

 

 昨年の12月議会に組織改正の提案がなされましたが、議会から複数の指摘があり、実現しませんでした。その点を踏まえ、また、この1年間の新たな課題解決のために必要な改正を加えた議案として提案されたのが、今回の組織改正議案です。

 

改正のポイントはいくつかありますが、大きな論点は次の3点です。

①現在、総務部にある財政課を企画部に移し、「企画財政課」とする。

②学童保育クラブを管理する部署を教育委員会から、保健福祉部の「子ども福祉課」へ移す。

③市民環境部にある「スポーツ青少年課」を教育委員会へ戻す。

以上の3点です。

 

 

総務委員会では、執行部への質疑を経たのち、

①と②は認めない、しかし、全員の共通認識である③のスポーツ関連の部署の移動だけは認める・・・という修正案が提出されました。

私は委員会で、修正案に対して質疑を行いました。なぜそのような修正案にしたのか、修正が必要な理由を尋ねました。

 

修正理由は「効率的な事務運営を、執行部は改正の主な理由としているが、契約と検査の一本化、企画部門と財政部門の一体化による権限の集中などリスク回避に対する課題について再度、検討を要する」ということでした。

 

私は、このように修正案が出され、意見を交わすといった「議論の種」が撒かれることは非常に良いことだと感じました。

この12月議会の初日に可決した「議会基本条例」でも議員間討議を盛り込んでいるように、こうした議論を深めてより良い検討ができるからです。

 ただ、私はその提案者との質疑を踏まえてなお、修正案には反対の結論に至っております。

 

先程、冒頭でも述べましたが

 『昨日を守ること、すなわちイノベーションを行わないことのほうが明日をつくることよりも大きなリスクを伴う。』

この『マネジメント』は、企業組織について語られたものでありますが、その考えはあらゆる組織に通じるということは、皆さまもご承知のことだと思います。

 

執行部の提案の根底には、限られた財源・人的資源を有効に、ということがありました。これに対し修正案は「リスクを回避せよ」、というものであります。

修正理由で謳われたリスクを回避するという意見は、私ももちろん持ち合わせています。ただ、改正によって得られる、限られた財源・人的資源を有効活用できること、行政評価、計画、予算の統一的な流れを生む更なるPDCAサイクルの確立などのメリットや、保育クラブが子ども福祉課への移行することについても、保護者の方からは保育園から学童保育クラブへ移る際、子ども福祉課が引き続いて担当することで、子供の状況や親の就業について継続性を持ってもらえるという声も伺っており、こうした現在の組織体制で抱えている解決すべき課題がリスクを上回る…だからこそ、改正を行うべき、と考えます。

また、この議案が提出されるまで、5月から全職員の声も取り入れる過程を踏み、構築されてきたものであることも尊重したい、と思います。

私は昨年から組織を「車」に例えて考えてきました。

今回の議論は、より効果的で出力の良い組織にしようという「チューニング」を行うべきか…という議論だった、と思います。

 

修正案は「そのチューニングは危険だ、やめておけ!」、という考え方です。実際には、この企画と財政の同部署という「チューニング」は他市でも実施されています。埼玉県の38市で見ると、24市が今回の提案と同じ体制、また同一としている自治体も4市。つまり、7割近い自治体組織が、この体制で走っていることになります。

 

もちろん、他がやっているから安全、という気はありません。ただ、私は、和光市の置かれている厳しい状況を乗り切るには、必要な組織改正だという意識を持っているのです。

もちろん、チューニングを施した後、委員の中から心配する声があがったように暴走しすぎないように、議会や市民が都度、監視し、キチンとブレーキを踏むことが大事だと思っています。

 

また、「限られた人材」という考えの中には、和光市の職員には、現在多くの長期欠席者がいることも踏まえなければなりません。現在、自身の仕事を越えてカバーしている職員がいます。委員会での「限られた人数でのやっている今のそうした現状どうとらえていらっしゃるんでしょうか。」という質疑について、提案者からは「あとは運用でいかようにでも乗り切れるはずだと考えています。」と示されました。

議会でもこの件については深刻に捉えています。それを補い、整える意味での組織改正でもあったはずだ、と私は思っています。

それに対し、「出来ない話ではない」という言葉を、私は口にすることはできませんでした。

 

限られた財源・人的資源を有効にする、と言いましたが、私はそれに加え「限られた時間」という視点が大事である、と考えます。この後、審議される国民健康保険条例の改正も同じです。
(修正理由に記載されているように)再度検討と、悠長なことを言っていられる状況ではない、私は考えます。和光市の財政は、昨年にも増してひっ迫しています。

和光市の最大の解決すべき課題は厳しい財政への対応です。それに対し、道筋をたてる組織改正の必要性を再度訴えて、議案 75号、和光市部設置条例の一部を改正する条例についての討論とさせていただきます。

以上





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