井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2010.03.16
こんばんは。

和光市議会 3月定例会は、来年度予算を含む
全ての議案を可決・成立して、昨日閉会となりました。

この予算が、適切に執行されていくことは、
私が政治の目標として目指してきた
“新しい和光”のカタチに一歩近づくような気がします。


さて。

今回の予算案を巡っては、様々な議論がなされました。

私は最終日に、この予算(=議案第17号)への
賛成討論を行いました。

“討論”・・・というと、相手を負かす・説得させるためのもの・・・と
思われがちですが、議会における“討論”は
「なぜ、自分が賛成(もしくは反対)するか?」を述べる場、といった
意味合いがあります。

今回の私の討論は、まさに今回の3月議会の総括―、
そして、ここまでの議員活動の総決算、とも言える内容にまとめたつもりです。

そこで、その討論を下記に載せます。
(本番とは、若干異なる個所あり。)

3月議会の審議過程では、どのようなことがポイントだったか?
それが、おわかりいただけると思います。


議案 17号、平成22度和光市 一般会計予算案について、各委員会での結果は「可決」ですが、私はその報告に対して賛成し、予算案に賛成の立場で討論を致します。

 

私は過去2度に渡って、この3月議会で、当初予算案の審議を行ってまいりました。

最初は平成20年度予算の審議。この時は賛成の立場で。そして、昨年の3月議会では、平成21年度の当初予算について、反対の立場で臨むこととなりました。

その私が、平成22年度当初予算の討論をするにあたって、念頭に置かなければならないのは、昨年の当初予算案をどのような視点で見極めを行ったか、ということであります。

 

私は昨年この場で、その見極めのポイントを3述べました。

一つ目は、根本的な予算削減に向けた対策が取られているかどうか?

2つ目は、財政上の危機意識をもって予算編成しているかどうか?

そして、3つ目に、より必要な施策に対して、予算のウェイトを置いているかどうか という3点です。

 

 改めて申し上げるまでもありませんが、私がこの3点を重要視するのは、厳しい和光市の財政状況を考えてのことであります。そして、何よりも和光に暮らす市民の皆さまにとって、日々の生活の中の様々な不安や不満が少しでも解消され、より良い暮らしが送れる予算となっているか、を考えてのことであります。

昨年度はその視点に置いて、不充分であるという判断を致しました。

 

さて、1年の時を経て、和光市の財政は、経済不況の影響で、予定納税の還付や国民健康保険特別会計の繰出金増加などで、さらに厳しくなり、21年度予算以上に切り詰めた予算編成が求められました。

今回の平成22年度当初予算案については、各委員会の審議を通し、私は、先程述べた3つの要素を満たす内容であると判断しております。

 

 個別の施策予算については、各委員会で述べられておりますので、総括的な視点で述べたいと思います。

 

 まず、はじめに。

今回から、予算編成、及び予算審査そのものが大きく様変わりと考えております。予算編成過程が市ホームページで公表され、市民がその過程を注視することが出来るようになり、また予算審議においても、昨年度から議員に公開された「積算内訳」いわゆる「事業別詳細見積書」の活用が議員間で一層図られました。よりオープンな形での審議であったことは、予算の内容と共に注目すべき点だと思います。

 

さて、1つ目のポイント根本的な予算削減に向けた対策が取られているかどうか?】、そして2つ目の【、財政上の危機意識をもって予算編成しているかどうか?という点については、21年度に実施した事業仕分け・ヤリクリ大作戦、そして、大規模事業検証会議を経て、庁内で審議されてきた結果が予算となっております。削減額で示される以上に、全課がこれまで以上の危機意識を持つに至っていると感じております。今後もその意識を持ち続けていただきたいと思います。

 

また、議会の指摘を真摯に受け止めていることも評価できる、と考えております。

特に、総務委員会としての審議では、補助金全体の見直しの中で、職員互助会を例とした、余剰金を有する団体への金額見直しが図られ、そして、和光市文化振興公社などへの補助金を、運営補助から事業費補助へ切り替えていった点を取り上げることができます。

 

また、昨年度審議では、当初予算には計上しないが、年度中の事業の進捗に応じて補正を組んで対応するとの答弁が、複数の事業であったことが、注目されました。

もちろん、補正予算は年度途中に予算の過不足が生じた際の調整であり、また、年度内で新たな事業の必要性が発生した際には、補正予算を組んで適切に対応しなければならない、という前提に改めて立ち返った上で、それでも「補正ありき」の予算編成になっていないか、という点は慎重に見極める必要があります。

22年度予算においては、例えば、市民建設委員会における道路改良・道路整備のように、用地交渉の進んでいるものに関して計上されており、慎重に予算化されたことを見て取ることが出来ました。

 

 そして、3つ目の【必要な施策への予算のウェイトを置いているか?】については、来年度予算書に目を通すと、市が重点的に進めようとする施策が、まるで浮き上がって見えるような感覚を今回初めて覚えました。

中でも、子ども医療費の助成は、まさにその現れです。条例案の討論で課題等も含め多く語られましたので、自治体経営の視点から一言申し上げたいと思います。

現在、もっとも読者の多い民間の住宅情報雑誌で、先日「埼玉41市住み心地調査」が取り上げられました。企業の独自調査によって自治体別の評価がされていますが、その中の子育てサービスの欄に、子ども医療費の助成の対象年齢が一覧化されています。近隣の新座市・志木市が「2つ星」で評価されるその中で、和光市は「星1つ」となっています。

既に居住している市民のニーズに応えサービスを向上させることと共に、今後の和光市の将来を考えた上でも、予算のウェイトをより必要な施策へ置いていく自治体経営を行ってほしいと願ってrます。

 

また、その他にも、待機児童対策の一環としての「家庭保育室保育料の助成」を始めるなど和光市の課題に向き合っている点、また、教育分野での「学校図書整備の充実」や「学校生活支援員の増員」なども、今後、最も重要となる子ども達の教育のための施策へ、予算のウェイトを置いていること等も、今回の予算案の特徴であると考えております。

 

大和中学校体育館の件についても、一言触れておきます。

今朝の文教厚生委員会において、教育委員会の求めていた「改築」という結論が報告されました。

この結論に至るまでの経緯は、非常に長いものだったと思います。

平成2012月議会の補正予算では、現状体育館を取り壊し、学社共用の体育館を建設するための設計委託料が計上されましたが、修正される、という経緯があります。この時の論点、また最大の課題は、その計画が生徒や地域のニーズや声を聞き入れ、反映されたものであったか、だと思います。

修正後に行ったアンケートや意見募集では、市の示した学社共用の考えとは異なり、やはり学業に重きを置いた体育館で、という市民の声が上がってきました。ここから見えることは、生徒・保護者、そして、市民の声を政策判断に活かすことが、いかに大切であるか、ということです。

その反省点が内在している大和中学校体育館だからこそ、市民の声を聞いて、より慎重な判断を行うとした市長の姿勢は理解いたします。

私たちもこれまで、新倉・下新倉地区への学校建設の進捗との関係、また残る第二中、第三中の体育館の耐震化が、計画的に実行することが可能となるかを考慮し、慎重な判断を求めてまいりました。

特に、この3月議会では、代表質問から始まり、委員会質疑や一般質問でも様々な角度からの検討を取り上げてきました。その中で、今回、初めて具体的に示された(仮称)学校建設事業建設委員会の推進方針を受け、新設校の開校までに要すると目される期間の長さや、他2校への耐震化が、財政上でも計画的に実行されることが示されたことから、教育委員会が、これまで示してきた方針に加え、大規模事業検証会議の結論、そして、市民意見募集を経た上で出したこの結論を、是非推進していただきたいと、私たちも思っております。

最後に。

この予算が成立し、4月になれば、早速この予算の執行が始まります。私たちは議員・議会として、適切な執行がなされるかをしっかりとチェックさせていただきます。

それと、執行部においては、新年度の開始と同時に、早速、次の平成23年度予算に向けた準備が始まります。その中では、是非引き続き市民に声を求めることや、政策の比較・選択のための議論を様々な角度から、活発に行っていただくことを期待しております。

但し、今回の大和中学校体育館の件を反省点とし、政策判断の期限に向けたカウントダウンは、日々刻一刻と迫るという認識のもと、その中で、可能な限り多様な視点を取り入れられるよう、全力で取り組んでほしいと思います。

 

以上を申し述べまして、私の、議案 17号、平成22度 和光市 一般会計予算案について、賛成の立場での討論とさせていただきます。








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