井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
11月26日からはじまった12月議会が昨日、終わりました。
期間としては、9月議会に比べれば、ずっと短いはずなのに
それでも非常に長く感じました。
さて。今回、ひとつ成立を見なかった議案があります。
それが、部設置条例の一部改正、
つまり組織改編です。
本当は色々お話ししなければいけないのですが、
この件が、記事として載っている新聞もあるそうなので、
こちらを優先的にお話しします。
「人事・組織」については私の所属している
総務委員会の管轄です。
先週行なわれた総務委員会でも、私以外は反対する・・・という
状況だったので、この結果は想像はついていましたが。
今回、提案された組織改正案の大まかなポイントは、
・「財政課」を総務部から企画部へ移管
・秘書課に「報道担当」と「政策立案機能(=マニフェストの進行管理含む)」を
・スポーツ青少年課を教育委員会に
・消費生活担当を市民相談室に
などの再編です。
反対した議員の主な主張は、
「検討期間が短い」、「マニフェスト絶対主義になるのでは?」
「市長と企画部に権限が集中しすぎでは?」と言ったところでしょうか?
私の考えは、違います。
今回の提案は、今の和光市の財政の危機的状況を乗り越えるには、
必要な組織改正だ、という考えです。
最終日は「採決」(=賛成か反対かを、起立するか否かで判断)を
行なう前に、“討論”と言って、なぜ賛成するか? なぜ反対するか?を
述べる機会があります。
私が、討論で、述べた内容を、下記の「===」以降に載せました。
・・・残念ながら、議会で言うところの討論は「意思表明」であって
討論を通して、反対派の考えを変えさせる・・・ということはできません。
※なぜなら、賛成討論か、反対討論かの“通告”を行った上での「討論」なので、
他の議員の討論を聞いて、いくら説得力があった…としても、
考えを変えることはできないのです。
結果、私を含む 会派 新しい風 の3名が賛成、
残りは反対で、賛成少数、否決 となりました。
和光が勢いを持って現状に立ち望むチャンスのひとつを
失ったと思います。
ただ私としては、悲観論を言って、終わりたくないのです。
これが、今の議会メンバーにおける結論となるならば、
それならそれで、今の体制下でも、職員の方に力を合わせてもらい、
頑張っていただきたいと思っています。
===
議案 第60号 “和光市部設置条例の一部を改正する条例を定めることについて”は、委員長報告は否決であります。
しかし、私は、その委員長報告に「反対」し、今回の組織改正の提案に「賛成」の立場で討論します。
私が、まず申し上げたいのは、市長が変われば、組織運営の考え方が変わるのは当然であるということです。例えば、前市長は、スポーツ青少年課を市長部局に置くのが効果的と思って、そのような組織改正を行った。しかし、それが、この3年間を振り返ると、現場にとっては、やりづらい組織運営だった。だから改める、ということです。
このように、市長が都度、効率的な組織を築き上げていく、それは当り前のことだ、という認識の下、討論を行なってまいります。
先に、私の判断基準を申し上げます。それはこの組織改正が市民にとって必要性かどうか、です。
そして、その上での結論を申し上げます。私の最大の主張は、今回の提案は、今のこの財政の危機的状況を乗り切るために必要な組織改正だと考えている、ということです。
さて、ここから先は、総務常任委員会の中で出た指摘に対し、個別に考えを述べたいと思います。
組織改正案が出来上がるまでの「審議が短い」という話がありました。
でも、例えば、先ほど例に挙げたスポーツ青少年課を教育委員会へ戻すこと。これは、かねてから要望されていたことです。政策会議での審議過程だけでなく、この組織改正では、こうした各課の従来からの意見の積み重ねがあったことを、私は重視すべきだと考えます。
「報道担当」の設置には消極的な意見がありました。しかし、これから、この和光市の財政状況を考えれば、市民生活に関する様々な方針決定が行われるのは、誰も察しがつくと思います。
これから先は、市民との情報共有が、行財政改革を進める上で欠かすことができません。市の広報は発行するにしても、毎月月初に1回だけで、即時性は弱く、2か月前の月末までの情報しか載せられません。また、発行には1部約40円かかります。もちろん、今回の一部借り入れの件を教訓として、情報共有・提供する情報の統一性を図るなどの課題克服は必須ですが、その上で報道機関の活用は、市民にとって有意義な情報を発信していける可能性が広がると思います。
市の状況を市民がつぶさに知る機会を得られるよう、有効的に活用していくシステムにするべきだと考えます。
今回議会では、総務委員会だけでなく、一般質問を通しても、今回の組織編成の議論において、市長の「直近」「直轄」という言葉に、抵抗を感じている方が多いようでした。
この組織改正案が形になることで、市長が…と言うよりも、この各部の部長さんをはじめとした市役所職員全体が、本当に安易な「マニフェスト絶対主義」になると思いますか? 私は、そうは思いません!
何よりも、首長マニフェストに対し、推進体制そのものの封じていくことが、マニフェストに対する議員の取るべき対応だと、私は思わないのです。
もちろん、この厳しい財政状況の中、マニフェストに綴られた政策、及び既存の事業や従来からの計画事業を含めて、すぐ実現すべき政策と、財政状況・時期を見て、優先度を下げざるを得ない政策とを、仕分けていかなければならないのは事実でしょう。それらを「議論を通しての賛成・反対、そして修正」を経て、市民のために必要な政策を実現していくことが求められる、と考えています。
新しい市長の誕生で、和光市にマニフェストという「議論の基軸」が生まれました。
私はそれに対し、全力で進める体制をまずは作ってもらい、その上で、堂々と、是々非々で議論をする。良いものは推進し、状況を見て優先度が低いものには警鐘を鳴らす、そういう関係を築くべきだと考えています。
今、和光市の財政はかつてないほど、ひっ迫しています。
本当に、市役所と議会と、そして市民が力を合わせなければ乗り越えられない難局にいると思っています。
だからこそ、行政管理手法の実効性確保、有効的な報道の使い方、市民協働の推進、市民にわかりやすい組織体制を骨子とした、この部設置条例の一部を改正することが、市民にとって必要性が高いと考えます。そのように申し上げて、私の委員長報告(=「この議案は否決」)に対しての反対討論と致します。