井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
こんばんは。
本日の各紙朝刊にも「和光市議会 来年度予算案 否決」という
記事が出ていました。
和光市政70年で初・・・というのですから
それは記事になります。
昨日は、概要をお伝えしました。
これからは、なぜ私が「反対」だったのか?
そして、なぜ「反対」が過半数を超えたのか?
を今後じっくりお伝えしなければ、と思っています。
今回、私は採決の前に、「反対討論」(=なぜ、反対かを述べること)を行いました。
形式上は、会派を代表して・・・となっていますが、
私自身の問題意識を中心に語らせてもらいました。
このブログの後半に綴ってありますので、ご覧ください。
ただし、細か~く論理的に組み立てた内容にはしていません。
いつもそうですが、今回は特に、市民の方に向けて、言葉を発するつもりで
予算に対する考えを述べました。
さて。
選挙で選んでいただいてから、もうすぐ2年経ちます。
この間、一生懸命、議員としての専門性を高めてきたつもりです。
ただ、“普通の市民感覚でいる”ということは変わっていません。
おかげで政治の世界の慣習などに、ドップリつかることはなく過ごすことができました。
そういう意味で、まだまだ私は“政治のプロ”ではないのかもしれません。
ただ、その私が、この来年度予算と向き合った時、
私は「賛成」は出来なかったのです。
なお、今後の予算の流れについては
同会派の松本議員のブログで非常にわかりやすく報告されているので
そちらをご紹介したいと思います。
↓アドレスはこちら↓
http://ameblo.jp/takeyan
それでは、討論は下記をご覧ください。
明日以降、補足もしていきたいと思っています。
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◆11番(井上航)
議案 第13号、平成21度和光市 一般会計予算案 について、文教厚生委員会での結果は可決ですが、私はその報告に対して反対、予算案に反対の立場で討論を致します。
反対のポイントを絞って言うならば、
ひとつは、根本的な予算削減に向けた対策が取られていないこと。
ひとつは、財政上の危機意識の薄さ、
そして、より必要な施策に対して、予算のウェイトが少ない という点です。
私は、文教厚生委員会の所属ですから、なるべくその中での審議をもとに、討論を述べていきます。
ですが、共通する課題が内在しているため、市民建設委員会での審議状況を先に示したいと思います。
市民建設委員会では、昨日の委員長報告にもあったように、複数の事業に対し、「事業の進捗によって補正で対応する」との答弁がありました。道路改良、市民斎場、区画整理等々で、新年度が始まり、進捗が確保されれば、補正で財政が拡張する可能性を示唆するものであったと考えられます。
その後、一般質問などで「補正予算の財布のひもは固い」、と市長からも答弁がありました。確かに補正予算とは、年度途中に不足分を補うという、そもそもが、そういう性質のものかも知れませんが、それでは当初予算審議が体をなしません。年度内の実施を前提にしている事業を(あとで補正することを想定し)とりあえず当初予算で省くようにしていること、また、葬祭場建設調査のように、年度内で設計業務へ発展する可能性を見越した事業を入れておきながら「補正は極力行わない」では緊縮財政とは言えないと思います。
ここで、文教厚生委員会に話を戻しますが、大和中学校体育館については、調査委託料が計上されています。
12月補正予算の修正を受けて、一度、計画を見直し、多角的な視点で検討が進むようになったことは、非常に良い方向性だと思います。また、その検討の中に生徒たちの声も取り入れるということで、生徒たちにとって、より良い体育館の方針が示されるのではないかと期待を致します。
ただ、私はさらにもう一歩前の議論に立ち戻る必要性も感じています。それは「建て替えありきなのか」という点です。
専門家に聞いてみたところ、現在、市が実施した調査項目だけでは、「建て替えの必要性がある」という意見も、そして「補強のみで十分」という意見の、いずれを担保する調査とも言い難い、という声もいただきました。
そのことを踏まえて今回の調査を見ると、そうした更なる必要項目を調べるものではなく、「既存施設は取り壊す」「別の建物が建ちあがる」ことが前提に、どこにならば、どれだけのものを建てられるか、という視点になっていることは間違いありません。
大和中学校の体育館は、新倉・下新倉地区の新設校の問題と切り離せない問題です。新設校の結果如何によっては、どの規模の体育館とするべきか大きく左右されるはずです。
今後の和光市に「これはこれ、それはそれ」のように「大和中は大和中、新設校は新設校」と分けて考えるだけの余裕があるのでしょうか? 陳情から間もなく1年。教育委員会の議論はなかなか住むことができません。今こそ、子どもたちの教育、そして限られた予算という視点も含め、総合的な議論を通し、重なり得る施策を防ぐ措置が必要だと考えます。
次に、財政上の危機意識の薄さという点について、小さい話をひとつだけ取り上げたいと思います。
今回、中央公民館・坂下公民館で、地上デジタル放送、いわゆる地デジ対応の液晶テレビをそれぞれ1台ずつ購入する、という予算がありました。
質疑の中で、そのテレビの設置場所は、市民の目には一切触れない、職員の方の活動範囲内に設置する、ということでした。
アナログテレビしかないので、「災害があった際、情報が得られるように」というのが買い替えの理由、阪神大震災を経験し、テレビの情報にも随分と助けられたことがあるので、そう言われると辛いところですが、ただ市民の感覚からすれば、来年度から公民館で使用料を取るようになる背景の中で、設置場所が場所だけに「職員向け?」と勘ぐってしまうことや、今のような少しでも引き締めるべき時に買うのではなく、もう少し我慢できなかったのか?と、思います。
この例は、予算編成中の緊張感が足りないと感じさせられる項目の一例として挙げさせていただきました。
さて、最後により必要な施策に対して、予算のウェイトが少ない という点についてです。
昨日の委員長報告でもありましたが、今回文教厚生委員会には、「交通立哨指導員の予算・施策の拡充を求める陳情」が提出されました。
委員会の審議の結果、趣旨採択となりましたが、その趣旨採択とした時点で文教厚生委員長から、教育長・教育部長に対して
「この趣旨採択の結果を受け、教育委員会として真摯に対応してください。」という趣旨を伝えています。
委員長の言葉を教育委員会もしっかり受け止めてくれると信じていますが、ただ、施策と予算は切っても切り離せないものです。
現状は「他の事業の予算、もしくは不用額を工面して、立哨指導員に回すように」と頼んだことに変わりありません。
この『交通立哨指導員』というひとつの政策をとってみても、指導員さんの給料のほか、指導員自身の安全を守るための保険料や夏、冬の制服など様々な予算が関わってきます。
私はこの2年間の議会活動の中で、いかに行政が予算をもとに運営されていくかを実感しました。
ならば、私が今回の予算に対して向き合うべき姿勢は、この施策の実効性を高めること、ひいては、根本的に予算のウェイトを、こどものための必要な施策に変えることが必要 だと考えました。
また、今、和光市が抱える保育園や学童保育の待機児問題の解決のため、積極的な施策・予算はまだまだ十分とは言えません。「安心子育ての和光」を夢見て、和光で暮らし始めた方に対して、和光市の実情は、もう言い訳できないところに来ていると思います。
以上で、私の、この議案 第13号、平成21度和光市 一般会計予算案について、反対の立場での討論とさせていただきます。
以上
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