井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
2009.01.20
こんにちは。
先日より報道の中で
「製造業で職を追われた方が大勢いる」
↓
「介護業界は人手不足だ」
↓
「それなら介護職に就いてもらえば一石二鳥だ」
という方策が紹介されています。
私もこれはいいことだと思います。
現実に介護業界の人手不足は深刻です。
(海外からの介護従事者の受け入れも間もなく始まろうとしているくらいです。)
しかし、実際にはそう簡単なものではありません。
今日はその話をしたいと思います。
私はサラリーマン時代にやっていたことは、まさに
「介護職員の派遣」でした。
一般的には、職員の急な怪我・病気などで人手が不足している施設に
すぐ対応できる介護職経験者を紹介するのが基本でした。
しかし、中には未経験者を受け入れていただくケースもありました。
その経験から、今、その方策を提唱されてる経済学者さんなどに
“製造業から介護職へ転身”について、申し上げると・・・
それは、決して簡単な転身ではない! ということです。
私の経験の中からお話ししますが、
介護以外の仕事をしていた方が、介護職への転身に成功するケースは
おおよそ、5人に1人、長期的に勤められた人でいえば10人に1人と言っても
過言ではありません。
人それぞれ上手くいかない要因はありますが、
その主なものを挙げると・・・
<やる気が続かない>
最初のうちから、全ての介護技術を持っている人はいません。
だから、覚えるためにもなるべく同じ業務を繰り返してもらうことになります。
すると、製造業でもラインにならんで同じことを繰り返していたのに、
ここでもか!と・・・やる気を削がれる方がいます。
慣れるまでに必要なステップなのですが、教える側も余裕がないので
どうしても単純労働になってしますことがあるのです。
<体力が続かない>
今、申し上げたように、最初のうちは慣れるためにも
同じ業務を繰り返し、行うことになります。
すると、施設介護の場合、同じ業務をやるということは
同じ時間帯の業務シフトに入ることになります。
つまり、
早番=入浴介助中心
遅番=排せつ介助中心
と分けられていることが多いのです。
そして覚えるためには、繰り返すしかないので
早番なら早番の連続・・・、遅番なら遅番ばかり・・・・
というようになってしまうのです。
よく、介護は、早番・遅番・日勤・夜勤のローテーションをこなすのが大変・・・
と思われがちですが、その勤務が出来るのは、相当な経験者です。
例えば、夜勤は2人で50名を見るといった必要があるため、
夜勤を含めたローテーション勤務をこなすまでには
相当の技術と、経験、対応力が必要となるのです。
だから、その段階に行くまでに
「早番が毎日続くのは大変」といって断念してしまうケースがあるのです。
<介護以外の技術が追い付かない>
介護さえできれば続けられるだろう・・・と思うかもしれませんが
実は、介護以外の技術が追いつかず、続かなくなるケースもあります。
一番多い例は、パソコン技術です。
現在、介護記録を手書きではなく、パソコン入力で行なう施設が
多くなってきています。
その他、PDAで情報の確認、記録を行なう先進的な施設が
結構増えてきています。
若い方なら、日常で使うことがあるので、大丈夫かもしれませんが
年齢の上の方、特に、前職でまったくパソコンに触れてこなかった方は
キーボード入力、マウス操作すらできません。
すると、介護のほうは出来るようになってきたとしても、
若い方なら5分で終わる記録が30分以上掛かることがあります。
すると、次のシフトへの引き継ぎもできないし、
操作が出来ないので、他の人が入力した情報をパソコンから得ることもできないため、
利用者の状況がわからないまま介護することになり、危険なのです。
そして、施設側から見た場合、突き詰めれば、
他の人より入力時間が掛かっている その時間は残業なの?という問題も出てきます。
===
これが、続かない要因のあくまで一例です。
その他にも様々な理由があります。
いろいろありますが、
私の経験からいえば、人間関係が一番多いかもしれません。
こうした介護職への転身の場合は、逆に施設職員以外に
相談できる、そして、代わりに施設へ悩みを伝えてくれるということは
大切なことだと思います。
今、「派遣はNO」という話がマスコミでは中心ですが
こういう場合にこそ、間に入って調整する役割が必要なのではないかと
考えます。
それでも、転身された方を一生懸命サポートしても、残念ながら
長期的に続いた方というのは、5人に1人くらいなのです。
でも、だからこそ
未経験だった方が、ついには3年経験して介護福祉士になりました!
とその方から報告をもらえるた時はとても嬉しかったですね。
最後に。
続くかどうかは、ご本人次第でもあると思います。
先程のパソコン技術を例にあげますが、
そうした方向けに、会社で「パソコン講座」をやったことがあります。
そこに、積極的に参加した方は、
徐々にですが、パソコンスキルも介護スキルも身につけ
周りの信頼も得て、介護を続けています。
そういう講座には参加せず、施設の記録方針に文句を言い、
パソコンの練習がなんで出来ないかという言い訳をする方は
やはり介護の仕事のほうも続きませんでした。
国が、自治体が、企業が、介護施設が、派遣会社が、そして個人が。
担うべき役割を明確に 且つ 責任をもって取り組むことで
「介護人材の充実」と「雇用問題」が解決することを目指し、
私もこの課題に取り組んで行きたいと思います。
先日より報道の中で
「製造業で職を追われた方が大勢いる」
↓
「介護業界は人手不足だ」
↓
「それなら介護職に就いてもらえば一石二鳥だ」
という方策が紹介されています。
私もこれはいいことだと思います。
現実に介護業界の人手不足は深刻です。
(海外からの介護従事者の受け入れも間もなく始まろうとしているくらいです。)
しかし、実際にはそう簡単なものではありません。
今日はその話をしたいと思います。
私はサラリーマン時代にやっていたことは、まさに
「介護職員の派遣」でした。
一般的には、職員の急な怪我・病気などで人手が不足している施設に
すぐ対応できる介護職経験者を紹介するのが基本でした。
しかし、中には未経験者を受け入れていただくケースもありました。
その経験から、今、その方策を提唱されてる経済学者さんなどに
“製造業から介護職へ転身”について、申し上げると・・・
それは、決して簡単な転身ではない! ということです。
私の経験の中からお話ししますが、
介護以外の仕事をしていた方が、介護職への転身に成功するケースは
おおよそ、5人に1人、長期的に勤められた人でいえば10人に1人と言っても
過言ではありません。
人それぞれ上手くいかない要因はありますが、
その主なものを挙げると・・・
<やる気が続かない>
最初のうちから、全ての介護技術を持っている人はいません。
だから、覚えるためにもなるべく同じ業務を繰り返してもらうことになります。
すると、製造業でもラインにならんで同じことを繰り返していたのに、
ここでもか!と・・・やる気を削がれる方がいます。
慣れるまでに必要なステップなのですが、教える側も余裕がないので
どうしても単純労働になってしますことがあるのです。
<体力が続かない>
今、申し上げたように、最初のうちは慣れるためにも
同じ業務を繰り返し、行うことになります。
すると、施設介護の場合、同じ業務をやるということは
同じ時間帯の業務シフトに入ることになります。
つまり、
早番=入浴介助中心
遅番=排せつ介助中心
と分けられていることが多いのです。
そして覚えるためには、繰り返すしかないので
早番なら早番の連続・・・、遅番なら遅番ばかり・・・・
というようになってしまうのです。
よく、介護は、早番・遅番・日勤・夜勤のローテーションをこなすのが大変・・・
と思われがちですが、その勤務が出来るのは、相当な経験者です。
例えば、夜勤は2人で50名を見るといった必要があるため、
夜勤を含めたローテーション勤務をこなすまでには
相当の技術と、経験、対応力が必要となるのです。
だから、その段階に行くまでに
「早番が毎日続くのは大変」といって断念してしまうケースがあるのです。
<介護以外の技術が追い付かない>
介護さえできれば続けられるだろう・・・と思うかもしれませんが
実は、介護以外の技術が追いつかず、続かなくなるケースもあります。
一番多い例は、パソコン技術です。
現在、介護記録を手書きではなく、パソコン入力で行なう施設が
多くなってきています。
その他、PDAで情報の確認、記録を行なう先進的な施設が
結構増えてきています。
若い方なら、日常で使うことがあるので、大丈夫かもしれませんが
年齢の上の方、特に、前職でまったくパソコンに触れてこなかった方は
キーボード入力、マウス操作すらできません。
すると、介護のほうは出来るようになってきたとしても、
若い方なら5分で終わる記録が30分以上掛かることがあります。
すると、次のシフトへの引き継ぎもできないし、
操作が出来ないので、他の人が入力した情報をパソコンから得ることもできないため、
利用者の状況がわからないまま介護することになり、危険なのです。
そして、施設側から見た場合、突き詰めれば、
他の人より入力時間が掛かっている その時間は残業なの?という問題も出てきます。
===
これが、続かない要因のあくまで一例です。
その他にも様々な理由があります。
いろいろありますが、
私の経験からいえば、人間関係が一番多いかもしれません。
こうした介護職への転身の場合は、逆に施設職員以外に
相談できる、そして、代わりに施設へ悩みを伝えてくれるということは
大切なことだと思います。
今、「派遣はNO」という話がマスコミでは中心ですが
こういう場合にこそ、間に入って調整する役割が必要なのではないかと
考えます。
それでも、転身された方を一生懸命サポートしても、残念ながら
長期的に続いた方というのは、5人に1人くらいなのです。
でも、だからこそ
未経験だった方が、ついには3年経験して介護福祉士になりました!
とその方から報告をもらえるた時はとても嬉しかったですね。
最後に。
続くかどうかは、ご本人次第でもあると思います。
先程のパソコン技術を例にあげますが、
そうした方向けに、会社で「パソコン講座」をやったことがあります。
そこに、積極的に参加した方は、
徐々にですが、パソコンスキルも介護スキルも身につけ
周りの信頼も得て、介護を続けています。
そういう講座には参加せず、施設の記録方針に文句を言い、
パソコンの練習がなんで出来ないかという言い訳をする方は
やはり介護の仕事のほうも続きませんでした。
国が、自治体が、企業が、介護施設が、派遣会社が、そして個人が。
担うべき役割を明確に 且つ 責任をもって取り組むことで
「介護人材の充実」と「雇用問題」が解決することを目指し、
私もこの課題に取り組んで行きたいと思います。
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