井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2008.11.12
こんにちは。

昨日に続いて、豊島区のワンルームマンション規制条例について
お話ししたいと思います。


昨日私が述べたことは、
・豊島区では ワンルームマンション = 迷惑施設 ではない、ということ
・しかし、さすがにこれ以上増えると、独身者に偏った人口構成になる

この人口偏重を危惧して制定された条例だ、ということをお話ししました。
今日は、この続きです。

------

そもそも、豊島区で、このワンルームマンションの規制の話が出たのは、
「規制を行なわなければ!」という議論から出てきたのではない、のです。

その発端とは、「課税自主権」

課税自主権とは、読んで字のごとく、
自治体が必要に応じて、税を課すことが出来る権利、のことです。

豊島区では、この課税自主権を使って、
区が抱える行政課題に取り組もうと、職員で研究会を組織したそうです。


この時、出てきた最終的な案が

・放置自転車税
・ワンルームマンション税


の2つなのです。


「放置自転車税」は、鉄道事業者に放置自転車対策費という意味合いで
税を課す仕組みです。

放置自転車のほとんどが、そこから電車に乗って通勤・通学する人が原因です。
そういう意味で、自転車対策への協力をしてほしい、という願いで創設されました。

議会でも、可決までされたのですが、やはり鉄道事業者から強い反対が。。。

結局、「税を納める」という形での協力ではなく、
用地の提供など具体的な形で協力が得られたため、条例は廃案になりました。



さて、話は戻って、豊島区のワンルームマンション規制条例は、
「9部屋以上のワンルームマンションを作る場合、
1部屋あたり50万円の税を課す」
という内容になっています。

つまり、土地所有者が、例えば駐車場の少し空いているスペースを使って
6部屋のワンルームマンションを作った、という場合は
9部屋以上ではないので課税対象外です。


その他、例えば・・・

 1  2  3  4  5 
 6  7  8  9  10

 ⇒ワンルーム10部屋

という、1フロア57部屋×2階建て、という
10部屋のワンルームを作る計画があるとしますよね?

この場合、9部屋以上なので、課税対象です


1部屋あたり50万円×10部屋=500万円
業者は市に対して納めないといけないことになります。


そこで、

 1  2  3  4  5 
 6  <1>    <2>

 ⇒ワンルーム=6部屋、ファミリー向け=2部屋

というふうに、下のフロアの2つのワンルームを1つにして
ファミリー向けとすることで、9部屋以下になるため、課税対象外となるのです。

こういうふうに、「○○すれば税が掛からない」、という選択肢を用意することで、
この規制が活かされているのだと思いました。


最後に。

豊島区では、平成21年にこの条例の見直しを行うそうです。

また、和光市でも今回学んだ 「放置自転車税」、「ワンルームマンション規制」について
真剣に考えなければならないと、本日の視察で強く感じました。






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