井上わたるの和光ブログ

和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。

2024.08.02
8月末までに回答せよ」と期限が設けられた埼玉県男女共同参画苦情処理委員の勧告書に対する県教育委員会の回答。


期限まであと1か月を切り、ここにきて新聞各紙で特集が組まれるようになってきました。


◆朝日新聞
「どうする県立高の男女別学、埼玉で議論大詰め 全国では共学化進む」
(※有料記事のため、全部は見られないかと思います。)


◆東京新聞
「<共学 別学 揺れる埼玉>(上)県立高のあり方 平行線をたどる議論」

「<共学 別学 揺れる埼玉>(中)別学多い特異な状況 20年前勧告も消極的」

※東京新聞は(下)に続きそうです。



今後、他の新聞でも同じように今回の共学化を巡る議論を記事にするところが増えると思います。

それにあたって、ここまでの記事を読んで思ったことは「論調が偏っていないか?」ということです。

例えば、次のようなフレーズが出てきます。


●別学維持派が「反発した」「・・・との主張もあった。」

●「別学が残るのは全国でも特異な状況だ。」「なぜ埼玉では共学化が進まなかったのか。」


・・・まるで共学化されてこなかったことや、別学を求めることが“悪いこと”であるかのような綴られ方です。


まぁ『記者や新聞社の考えが色濃く反映されるのが新聞記事』と言ってしまえばそこまでですが、双方の意見がある以上(しかも数でいえば「共学反対派」のほうが多い)、偏りのない記述をお願いしたいと思います。



また、専門家の発言として、“共学化の歴史に詳しい”女子栄養大学(坂戸市)の橋本紀子名誉教授(教育史)は


「首都圏の埼玉では、公立の進学校が男子校で入学できない女子には都内の私立という選択肢があり、共学化を求める声が上がりにくかったのでは」とみる。


というコメントも載っていました。


先日のNHKの『ネタドリ』の時の某東大教授も「女子は都内私立に行くしかない」みたいに言っていましたけど、上記のコメントも含めこうした専門家の発言って、埼玉の公教育そのものや、埼玉県内の公立・私立を問わず、それぞれの学校で難関校を目指して頑張っている全ての高校生に対して失礼だと思うのです。


これらの的を射てないコメントが勧告への回答を左右するほどの力があるとは思いませんが、特にこの問題に興味がなく、この記事で読んで初めて今回の議論を知った・・・という人も居るわけですから、是非、責任のある発言をお願いしたいと思います。





ちなみに、朝日新聞の画像(↑上図)に載ってた共学化賛成派の

「トランスジェンダーの生徒が、将来、履歴書の学校名で性的マイノリティーであることが明かされてしまう懸念も指摘する。」


という論調ですが、この1年間、この問題に向き合ってきた中で、初めて目にした内容でした。


ただ、これこそ、その本人の意向を踏まえ個別に対応すべき課題であり「その懸念を払拭するために共学化が必要だ」として共学化と結びつけるのは難しいと考えております。


いずれにしても、今後も多くの報道がなされると思いますので、皆様も注目してご覧いただければと思います。




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