井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
昨日に続いて、会派視察の報告をしたいと思います。
今日は愛知県庁で取り組む「産業空洞化対策減税基金による補助制度」についてです。
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愛知県庁
視察内容 「産業空洞化対策減税基金による補助制度について」
●減税の代替措置として、企業の研究開発等を支援
愛知県では企業に対して法人県民税の減税を行う代わりに、減税基金を設立し、毎年50億円積み立てて、それを原資として企業支援を行っている。それが今回視察を行った産業労働部が所管する「産業空洞化対策減税基金による補助制度」である。この制度には下記の3つの補助金メニューが存在する。
① 21世紀高度先端産業立地補助金(大規模工場・研究所の投資を支援)
② 新あいち創造産業立地補助金(注所規模の投資案件の支援)
③ 新あいち創造研究開発補助金(企業の研究開発や実証実験を支援)
●特徴は大企業を含めた補助と成長が見込まれる分野への集中投資
愛知県ならではの特徴として挙げられるのは、一般的にこうした企業支援が中小企業を対象にしていることが多いが、大企業を多く存在する愛知県では大企業も対象としている。(但し中小企業は2/3、大企業は1/2以内)
また、いずれの補助金も将来的に成長が見込まれる分野を対象としており、具体的には、次世代自動車、航空宇宙、環境・新エネルギー、健康長寿、情報通信、ロボット等としている。
●補助事業の成果
上記①と②の産業立地補助金の採択実績は、平成24年度で42件(補助見込額56億円)、平成25年度では49件(補助見込額38億円)となっており、企業の総投資額は1,941億円余と推計されている。また、雇用維持・創出効果も21,000人余となっており、大きな成果を上げている。
そして③の研究開発補助金も制度開始後の3年間で毎年概ね70件、7億円程度を交付している。初年度(平成24年度)の対象事業のうち、商品化・生産稼働に繋がったものが8件(14.5%)、試作品完成・開発技術の実証段階に進んだものが38件(69.1%)となっており、この補助金制度が成果を生みだしていることを示している。
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「広く薄くの減税」と「減税相当の効果のある事業を行うこと」の
いずれに軸足を置くか・・・。
減税政策を目玉に選挙選が行われ誕生した大村知事ならではの
葛藤があったのだと思います。
いずれにしても、愛知県の産業振興に掛ける予算・スケールの大きさに
一番驚かされました。
企業の99%が中小企業の埼玉県と背景・条件はややことなりますが
大いに参考になる施策でした。