井上わたるの和光ブログ
和光市選出の埼玉県議会議員。埼玉県政や和光市のことをわかりやすく伝えます。
こんにちは。
6月15日(水)、県議会 会派「刷新の会」では
県内の震災に関する視察を行いました。
今回は2回に分けて報告をさせていただきます。
なお、例によって
写真はPC画面を写メで撮影したものしか
アップできないため、非常にわかりずらいと思います。
キチンとした写真は
今週日曜日の「井上わたるの茶話会」で
お見せしようと思いますので、
そちらにどうぞお越しください。
【茶話会の日程】
6月19日(日)
午前10時~11時45分
会場:サンアゼリア(市民文化センター) 会議室
※車でお越しの方は、市役所の駐車場をご利用ください。
3時間まで無料です。
さて。それでは、本題に入ります。
最初に伺ったのは、福島第一原発の近く、
福島県双葉町(ふたばまち)の住民が
避難してきている、埼玉県加須市の
“旧 騎西高校”です。
旧騎西高校の校舎。
※下に私の顔がうっすら映っています。
午前10時半から
約1時間ほど伺わせてさせていただきました。
ご多忙の中、井戸川 双葉町 町長にも
お話を伺うことができました。
時間が限られているのはわかっていたので
どうしても尋ねたいことがありました。
それは、こうした被災時、
「町長の役割・存在はをどういうものになるのか?」
という質問でした。
この問いに、井戸川町長は
「全て意見が町長に集まってくる」と
おっしゃいました。
その責任やプレッシャーの大きさは
大変なものだと思います。
この言葉と町長の表情を
私は一生忘れることないようにしよう、と思います。
視察を通して、
ひとつ考えを改めたことがあります。
視察に行く前、私は学校利用の避難所は
プライバシーや生活機能の問題で不向きであり、
ホテルの利用や仮設住宅での生活にこそ
シフトしていくべきだと思っていました。
しかし、実際に伺うと、
「学校の避難所利用だからこそ
可能となる避難生活もある」
ということを知りました。
今回は、双葉町のように
○役場機能も同時に避難している
○体育館ではなく、教室の利用が出来ている
という点が、よりそう感じたのかもしれません。
ただ、やはり一般的に、ホテルや仮設住宅だと
部屋に籠りきりになる傾向が強く
・運動不足
・ストレス
・孤独感
で体調を崩す方が多いとのこと。
一方で、学校利用の場合は、
「共有スペースが多い」ことが活かせる、ということです。
・廊下には掲示板があるので、「お知らせ」を貼り出せる
・住民同士の交流が否が応でも発生する
・グラウンドを利用して運動が出来る
その他、特別教室を利用して
◇職員室は役場機能
◇柔道場での整体
◇視聴覚室での音楽演奏
なども、行っていました。
今、住民の皆さんが
もっとも気にされているのは「情報」と
おっしゃってました。
このように
新聞各紙の「福島版」が届けられています。
しかし、いくら情報を取っても
「自分はどうなるのだろう」「明日が見えない」という
不安が解消されず、そして、政府も一向に
方針を示さないのが、その不安を増長させてしまう
ことに繋がっている、とのことでした。
今の避難生活への対応はもちろんですが、
それだけでなく、
この次の双葉町をどうするか?
を考えなくてはならない、という町長の言葉がありました。
そのことを町民の皆さまが考えられるように
政府は原発の対応を一層注力し、
避難先となっている埼玉県も支えることが
求められるのだと思っています。
他にも多くの気づきがありました。
それは県議会の審議や
和光市の防災に活かせるようにしていきたいと思います。
明日は、県内で「液状化現象」の被害の大きかった
久喜市の南栗橋地区の視察について
ご報告します。
先週の11日(土曜日)、
県議会になって初の
「井上わたるの茶話会」を行いました。
「県議ってことで会場がいっぱいになったら
どうしよう?」と、一度だけ、そんな心配を
してはみたものの、そんな心配は無用の
市議時代と変わらないアットホームな会でした。
茶話会の様子です。
(※PC画面を撮影したため、画質悪し。)
雨の足元の悪い中にも関わらず、
ご参加いただいた皆様には本当に感謝しています。
ありがとうございました。
今回一番嬉しかったのは、
「初めて来ました」という方がいらしたこと。
私はいつも、いわゆる「動員」をせずに
開催しているのは、こういう方に少しでも多く来てほしいからです。
今回の茶話会では
・県議会議員の日常 や
・臨時議会の報告
・所属委員会の話 や
・政務調査費の使い方など をお話ししました。
それと合わせて、このブログでもお話しした
「新河岸川水循環センターの汚泥&焼却灰」の
現状をお伝えしました。
今回の茶話会には、茨城県から
参加してくださった方もいました。
埼玉・和光市よりも
もっと影響が心配される地域。
その方から、具体的なお話を伺い、
私自身、もっと放射能に関する認識を強めて、
対策や情報発信に臨まなければならないと
反省させられました。
このように、茶話会は
私からの一方的な報告の場でなく、
まさに茶“話”会なのです。
私にとっても、皆様からの
お話や提言を聞けるので、すごく大切な時間です。
それと、今回は連続開催にしたのも
良かったようです。
参加者の中から
「私の知り合いが今日は来られないけど、
来週なら来れる、って言ってたわよ。」との
一言をいただきました。
次回は、
19日(日)午前10時~
サンアゼリア会議室 で開催いたします。
先週の回には予定が合わなかった方も
是非、お越しください。
昨日、2回に渡って綴った
「下水処理場の汚泥の取り扱いについて ~概要&詳細~」は
ご覧いただけたでしょうか?
もし、まだなら
概要 http://inouewataru.blog.shinobi.jp/Entry/898/
詳細 http://inouewataru.blog.shinobi.jp/Entry/899/
を先にご覧ください。
今日はその最終話。 ~行政への要望~ です。
・・・と、その前に。
昨日は触れなかったのですが
下水処理場の汚泥に含まれる放射性物質が
どこから来たか? です。
下水処理場には、確かに生活排水も流れてきます。
しかし、家庭の中から放射能物質が排出されたのではなく、
やはり雨水が原因と分析されています。
また、雨水そのものには放射性物質は少なくても
雨水が地表を流れる過程で、地表・土壌にあった物質が
水に拾われていった・・・という考えもあるそうです。
ただ、これは、様々な分析結果が報じられているため
あくまで、この分析は可能性として聞いてもらえれば、と思います。
さて、改めて本題に入ります。
昨日のブログの最後に書いたように、
この放射性物質を含む汚泥について
これまで再利用のために、受け入れていたセメント会社が
一切引き取らなくなりました。
そのため、現在、新河岸川水循環センターで
それを保管しています。
これは埼玉県内だけでなく、他都県でも起きています。
この状況を打開するには、
○セメント会社が受け入れを再開する
もしくは
○セメント再利用以外の処分もしくは再利用方法を見つける
しかないと思っています。
また、汚泥の焼却灰の放射線量の基準については、
放射性セシウム が 10万ベクレル/kg を超えたら
措置を講じるべし
という基準があるだけで、それ以外の基準は
ありません。
そのため、例え、10万ベクレル以下であっても
セメント業者もリスクのある焼却灰を受け入れることはしません。
こうした現状だからこそ、
対応策を講じていかなければなりません。
いつまでも、汚泥や焼却灰を置いておく
スペースがあるワケではないからです。
先日、私の所属する「刷新の会」では
知事に対して震災に関する様々な要望を
要望にまとめ、提出しました。
その中に、この放射能汚泥に関する
項目も載せてあります。
●県有下水処理施設の汚泥などの放射線量の監視体制を強化し、放射性物質を含む焼却灰の飛散、放射能の拡散を防止し、一刻も早い最終処分体制の再構築を図ること
●放射線量に関する規定がない汚泥と焼却灰に対し早急な処理方法の策定を国に要望すること
これが関係する要望事項です。
「県には、漏れたり飛散しないよう管理をしっかりしてもらい、
その上で、県から国へ声を上げてもらうといった対応が必要だ!」
というのが、私たちが県に要請した内容です。
確かに先行きは不安ですが、
管理の徹底をしている、という話を
この3回のブログでご報告させていただきました。
市民の皆さまが、この状況を知った上でなお、
和光の新河岸川水循環センターについては
安心してもらえたら・・・と思っています。
これからも、私は常に状況変化に
すぐに対応していけるように
注視していきたいと思います。
以上で、「下水処理場の汚泥の取り扱いについて」
の記事を終わります。
それでは、
「下水処理場の汚泥の取り扱いについて ~概要~」
の続きです。
まず、荒川右岸流域下水道、
「新河岸川水循環センター」が どこにあるのか?
からお話しします。
住所で言えば、「和光市新倉6-1-1」
・・・これだけでは、ピンとこない方が多いと思います。
言い換えると、
外環道路「和光北インター入口」近くにある
蓋掛けされている部分です。
戸田方面に向かって走った時に
左側に見えてくる広大な施設です。
5月13日に採取した汚泥を調査した結果、
<汚 泥>の結果:
放射性ヨウ素 不検出
放射性セシウム 238 ※措置を要する値10万(単位:Bq/kg)
<焼却灰>の結果:
放射性ヨウ素 不検出
放射性セシウム 5,700 ※ 措置を要する値10万(単位:Bq/kg)
という値が出ました。
焼却灰のほうが濃度が高いのは
燃やして水分が抜けるため、濃縮されるからです。
さて。
ここまでの話から、上記に記したように、
「措置を要する値10万(単位:Bq/kg)」には
到達していない、ということで
その点においては安心をしていただけるかと思います。
ただ、一方で、前のブログの「~概要~」で記した
汚泥(=焼却灰)を持ち出せない、というのは
この新河岸川水循環センターでも同じように発生しています。
飛散しないようにしっかりシートを重ねて被せて
施設の敷地内で保管している状況です。
和光の新河岸川水循環センターの場合は
近隣には民家はなく、
近くを通る場合もほとんどが自動車利用であることは
不幸中の幸いかもしれません。
ただ、自転車やランニングで
近くにある幸魂大橋を利用する人などもいらっしゃいます。
今の県の広報体制や、マスコミによる取り上げの少なさを受けて
「もっと広く認識される必要がある」と思い、
改めてお知らせしている次第です。
改めて申し上げますが、この水循環センターは県の施設です。
県も、「水汚泥等の放射性物質の測定結果」としてHPに
コーナーを設け、情報を公開はしています。
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/mottogesuido/gesuiodei-housyaseibussitu-sokuteikekka-1.html#shingashi
ただし、数値の報告はありますが
汚泥の取り扱いの現状など、より現状に即した内容も
綴っていく必要があるのだと思います。
ただ、セメント会社が
「焼却灰の受け入れは行わない!」としている現状では、
この焼却灰を「施設で保管」せざるを得ない状況です。
その点も含め、市民の皆さまに
今の状況をご理解いただければと思います。
私も、所属する会派「刷新の会」のメンバーと
この下水処理場の汚泥の対応についても、
先日、県へ要望を出しました。
次のブログで、その件を触れて
今回の記事を閉じたいと思います。
~つづく~
只今、朝の駅立ちを終えました。
今日(6/9・木)は和光市駅南口 交番方面で行いました。
240名くらいの方に受け取っていただきました。
※先日の雑貨屋さん方面は350名の方に受け取って
いただきました。
さて、駅立ちの時に
「下水処理施設の汚泥」の件について聞かれました。
その方は私のブログもご覧になってくれていて
また、新聞・TVなどでも、この件を大変注視している、と
おっしゃっていました。
和光市も、埼玉県も関わる課題でありますので
重きを置いてお話しします。
まず、“下水処理場の汚泥”とは何か?というところから
お話しします。
① 各家庭で出た排水や、雨水などが流れ込む形で
下水道を通って、下水処理場に流れていきます。
② そこで、水処理されて、「水」と「汚泥」に分けられます。
これが下水処理場で行われていることです。
この過程が「汚泥」が誕生するメカニズムなのです。
そして、
③ 「水」はキレイになったので川へ流されます。
④ 一方、「汚泥」は水を含んだままだと量が増えてしまうので、
焼却し、水分を飛ばし、「焼却灰」にします。
この「焼却灰」は通常、セメント会社に持ち込まれ
そこでセメントの材料に再利用されています。
これが、通常の流れです。
ただ、これが東日本大震災の「原発事故」を受けて
状況が変わりました。
汚泥から放射性物質が検出された、のです。
その結果、セメント会社が
放射性物質を含む汚泥の焼却灰を
セメントに利用することを控えるようになりました。
その結果、何が起きたか?
その汚泥を搬出をすることが出来ず、
施設の敷地内に保管する・・・ということしか
出来なくなっている、ということです。
6月6日(月曜)の朝日新聞・夕刊で
この特集記事が掲載されていました。
http://www.asahi.com/national/update/0606/TKY201106060254.html
これと同じ状況が埼玉県の管理する下水処理でも起きています、
そして、
そのうちの1か所が和光市にあります。
荒川右岸流域下水道、
「新河岸川水循環センター」が それです。
概要はここまでとして
次に、詳細をお話しします。
~つづく~